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日本語教育機関の6団体は、連休前に行われた日本語教育推進議員連盟(第14回)総会において、留学生の入国制限を早期に緩和することや、経営困難となっている日本語教育機関への支援を求める要望書を連名で提出した。新型コロナウイルス感染症の影響により、留学生等外国人の新規入国は今年1月22日より再停止されたままで、各教育機関では在籍者数の大幅な減少に見舞われている。要望書では現下の状況を「影響は深刻かつ長期間に亘っており、存亡の危機」と位置付けた上で、日本語教育機関の破綻や、納付金の未返還に伴う国際問題化を防ぐための支援を検討するよう政府に求めている。
具体的にはまず日本語教育機関に対する支援策として、事業の存続・継続のための財政的な支援を要望。一例として、留学生の入国前手続きである在留資格認定証明書の交付数(キャンセル分を含む)に応じた事業継続緊急給付金の支給を挙げた。同時に入国制限により授業を開講できないクラスが増え、非正規雇用を含む教職員への影響も深刻になっていることから、雇用調整助成金等の特例措置延長を求めた。
さらに問題の根源となっている入国制限については、今後のコロナ感染状況が不透明で、日本政府としても慎重な判断が必要であることに理解を示しつつも、現状のままでは在留資格認定証明書が交付されても(入国ビザが不交付のために)、多くの学生が入国できない状態となっているとして、日本にとっての留学生の重要性に鑑み、早期の制限緩和を行うよう要望している。
★「公認日本語教師」や教育機関の類型化でも意見書
同時に6団体は、現在文化庁の調査研究協力者会議で検討が進んでいる日本語教師の資格化や日本語教育機関の類型化についても、独自の意見書を提出した。来年度以降の国家資格化が有力となっている「公認日本語教師」については「制度化にあたっては、現職者の不利益がないように」としているほか、教育機関の類型化は「留学・就労・生活の3類型」とする方向で基本的に同意する旨を盛り込んだ。
さらに意見書では、▶日本語教育機関の所管を「教育は文部科学省、留学生の在籍管理は法務省」と法律に明記し、支援についても明確化する、▶質保証制度の対象を「専ら日本語教育を行う機関」だけでなく、全ての日本語教育を行う機関とする、▶技能実習生や特定技能人材等に日本語教育機関を活用する、ことも併せて求めている。
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