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中国駐日本大使館の孔鉉佑大使は16日、(公財)イオンワンパーセントクラブがアジアで学ぶ留学生を対象に支給している奨学金の認定授与式にオンラインで出席し、祝辞を述べた。この中で孔大使は、イオングループが中国等アジア各国の青少年交流に力を注いでいることを評価するとともに、日中国交正常化から50周年の節目を迎えたのを機に、相互交流がさらに進むことへの期待を示した。
奨学生に選ばれた中国人留学生に対しては、コロナ禍の影響を乗り越え、留学の初心を忘れずに勇気を持って前に進むようアドバイス。日中の相互理解を深化させ、友好協力を推進する新たな原動力となることを求めた。
7月3日に行われた日本語能力試験(JLPT)の中国大陸における実施予定会場で、実際に試験が行われた会場は最終的に下記の26都市であることが分かった。試験直後の主催者発表では25都市だったが、浙江省・杭州でも行われていたことが確認された。(但し会場単位で中止になっている場合もあり。)
※JLPT7月試験 中国内の実施都市(大陸26都市+香港)
北京、杭州、西安、重慶、済南、厦門、広州、フフホト、洛陽、蘇州、成都、南京、合肥、深圳、南昌、石家荘、寧波、濰坊、揚州、海口、蘭州、保定、南通、福州、紹興、信陽+香港
※JLPT 7月試験が中止・または中止されたとみられる中国内の都市
上海、長春、大連、瀋陽、天津、ハルビン、武漢、青島、長沙、太原、無錫、貴陽、ウルムチ、南寧、昆明、延吉、西寧、威海、鄭州+マカオ
国際的にも著名な中国の彫刻家、呉為山・中国美術館長が手掛けた「鑑真像」が7月20日、東京の上野恩賜公園に初お目見えした。銅像は高さ2.5メートル、台座部分を合わせると2.8メートルに及ぶ。黄銅で鋳造され、素朴な趣を放つこの作品は、様々な苦難をものともせず不屈の決意で六度に及ぶ渡日に臨んだ高僧の面影を生き生きと描き出している。
「鑑真像」の除幕式には、中国駐日本大使館の孔鉉佑大使、東京都の小池百合子知事、三宅伸吾外務政務官など、中日両国の要人が参列した。銅像は、観光客や庶民にも馴染みの深い、風光明媚な上野恩賜公園の不忍池湖畔に建立されている。
孔大使は式典の挨拶で「鑑真大師は中日間の文化交流史における先駆者であり、悠久の長きに渡る中日交流のシンボルだ。中日両国が国交正常化50周年を迎えた節目の年に、その銅像が上野公園内に建立されたことは重要な意義を持つ」と語った。
小池都知事は鑑真大師が度重なる困難を乗り越えて渡日し、後世の日本文化に多大な影響をもたらしたとして、双方の交流が良好な未来を築くことへの希望を述べた。
また三宅外務政務官は両国が文化・経済交流をさらに後押しし、相互理解を増進することで、日中関係がたえず発展し続けることに期待を表明した。
一方、鑑真像を制作した呉館長は、銅像が東京で建立されたことにより、世界各国の人々がここで鑑真大師の恩徳を偲び、その包容力の大きさに触れることができるようになるとして、人類が平和と発展、運命共同体の構築に向けて努力することに、前向きな意味あいを与えるだろうと述べた。
今から約1200年前の唐代に、中国の高僧であった鑑真大師は、航海の危険を顧みず足掛け六回に渡って日本行きを試み、五度の挫折を乗り越えて753年、渡日を成就させた。日本では仏法を広めただけでなく、著名な唐招提寺を開き、最盛期にあった唐王朝の文化を日本にもたらして、当時の医学、建築、芸術などの発展にも大きく貢献した。鑑真大師は中日両国民の間に友好をもたらした先駆者として、両国において今も高い知名度を誇る。
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~本紙独自調査、今年度時点の在籍状況が判明~
『留学生新聞』では今年6月、全国の主要私立大学を対象にアンケート調査を実施し、今年度の入学者状況を反映した最新の留学生総数について回答してもらった。基準時については文部科学省に報告された本年5月1日時点の留学生総数、または各大学で集計した最新の総数のどちらかで、学部生(本科生)、大学院生、日本語別科生、交換留学生、科目等履修生等も含めた「留学」の在留資格者総数をベースとした。
集計結果によれば、留学生の今年度における受入れ総数が千名を超えている私立大学は、全国で少なくとも十数校に上った。私大中最多の留学生を受入れているとみられるのは早稲田大学で、今年5月1日時点で有効な在留資格「留学」を所持する在学生(休学中及び海外留学中の人を除く)が3456人に上っている。内訳は学部が1248人、大学院が2117人等となっており、留学生の出身国・地域別では中国(2092人)、韓国(331人)等が多い。
首都圏では早大のほかに慶應義塾大学(1939人)、日本大学(1614人)、東海大学(1431人)、明治大学(1389人)、上智大学(1264人)、拓殖大学(1228人)、法政大学(1075人)の各校も、留学生の在籍総数が千人を超えており、日本経済大学は東京渋谷キャンパスだけで千名近く(931人)を受入れている。
一方、西日本リアでは立命館大学(2728人)と立命館アジア太平洋大学(2567人)が双璧となっていて、この内、立命館大は留学生のほぼ6割(1625人)を中国出身者が占める。さらに同志社大学(1144人)、関西大学(1077人)が続き、関西学院大学(929人)も千人越えを射程にとらえている
受入れ総数が500~1000人規模の大学を含めて、実数では前年度より減少したところが多く、コロナ禍に伴う一昨年からの水際対策により、留学生の入国が長期間滞っていた影響が現れた形だ。政府が入国制限を緩和した今年3月以降は6月末までの4か月間に、約10万5千人の新規留学生が大挙入国していて、来年度は各大学の留学生総数がプラスに転じることが見込まれる。
(注)上記の調査結果は対象となる基準時に加え、新型コロナウイルス感染症の影響に伴う休学者や本国滞在中の学生に関する各校の集計基準も、各校ごとに異なっているため、単純な比較はできない。また日本学生支援機構(JASSO)が毎年集計している留学生の在籍状況調査結果とは必ずしも一致しない。
※主要私大の留学生在籍数一覧表(↙下記リンク第2-4面一覧表参照)
https://cdn.goope.jp/176510/220714142329-62cfa851b8f0b.pdf
★6月の新規入国者 ベトナムと中国が各1万人超
出入国在留管理庁の速報値によれば、今年6月中に日本へ新たに入国した外国人の総数は既報の通り9万4419人だが、その出身国(地域)別内訳が判明した。ベトナムが1万4638人で5月に次いで最も多く、中国(1万2751人)、米国(8351人)、韓国(7678人)が続く。さらにインドネシア(5996人)、ネパール(5179人)、フィリピン(5117人)、ミャンマー(2883人)、タイ(2160人)の順となっている。
なお、上記は全ての在留資格者を合わせた総数で、この内、留学生の入国者は1万2950人。6月は留学生の入国シーズンではないこともあって、「短期滞在」者が3万9124人と特に多かった。
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2022年度の第2回目となる日本留学試験(EJU)の出願受付が、今月4日から始まっている。目下、留学生募集を行う主要大学等の大半が、出願要件として事前にEJUの受験を求めており、進学を希望する留学生は進路の選択肢を広げる意味でも受験しておくことが望ましい。
特に今年度に関しては、2月末まで新型コロナウイルス感染症に伴う入国制限措置が採られており、EJUが実施されていない中国からの来日者等は、3月11日に出願が締め切られた第1回試験を、受験していない人も相当数に上るとみられる。第2回試験の試験日は11月13日だが、出願締め切りが7月29日と非常に早いので、留学生や教育機関関係者は注意が必要だ。日本国内の出願は、全て「EJUオンライン」を通じて行う。
※ロシアは11月試験も中止が決定
EJUの実施元である日本学生支援機構は、11月13日に行う2022年度第2回試験で、当初予定していた国外の実施会場の内、ロシア・ウラジオストクでの実施を中止することを決めた。6月試験に続き、今年度は同地で試験が行われないことになる。
長引くウクライナ危機を受けて、ロシアにおける日本語試験等は当面実施の見通しが立たなくなっており、日本語学習者への中長期的な影響は避けられない情勢だ。国際交流基金が海外で行う日本語能力試験(JLPT)も、ロシアの全会場における今年12月の実施が、未確定扱いとなっている。
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