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国際的にも著名な中国の彫刻家、呉為山・中国美術館長が手掛けた「鑑真像」が7月20日、東京の上野恩賜公園に初お目見えした。銅像は高さ2.5メートル、台座部分を合わせると2.8メートルに及ぶ。黄銅で鋳造され、素朴な趣を放つこの作品は、様々な苦難をものともせず不屈の決意で六度に及ぶ渡日に臨んだ高僧の面影を生き生きと描き出している。
「鑑真像」の除幕式には、中国駐日本大使館の孔鉉佑大使、東京都の小池百合子知事、三宅伸吾外務政務官など、中日両国の要人が参列した。銅像は、観光客や庶民にも馴染みの深い、風光明媚な上野恩賜公園の不忍池湖畔に建立されている。
孔大使は式典の挨拶で「鑑真大師は中日間の文化交流史における先駆者であり、悠久の長きに渡る中日交流のシンボルだ。中日両国が国交正常化50周年を迎えた節目の年に、その銅像が上野公園内に建立されたことは重要な意義を持つ」と語った。
小池都知事は鑑真大師が度重なる困難を乗り越えて渡日し、後世の日本文化に多大な影響をもたらしたとして、双方の交流が良好な未来を築くことへの希望を述べた。
また三宅外務政務官は両国が文化・経済交流をさらに後押しし、相互理解を増進することで、日中関係がたえず発展し続けることに期待を表明した。
一方、鑑真像を制作した呉館長は、銅像が東京で建立されたことにより、世界各国の人々がここで鑑真大師の恩徳を偲び、その包容力の大きさに触れることができるようになるとして、人類が平和と発展、運命共同体の構築に向けて努力することに、前向きな意味あいを与えるだろうと述べた。
今から約1200年前の唐代に、中国の高僧であった鑑真大師は、航海の危険を顧みず足掛け六回に渡って日本行きを試み、五度の挫折を乗り越えて753年、渡日を成就させた。日本では仏法を広めただけでなく、著名な唐招提寺を開き、最盛期にあった唐王朝の文化を日本にもたらして、当時の医学、建築、芸術などの発展にも大きく貢献した。鑑真大師は中日両国民の間に友好をもたらした先駆者として、両国において今も高い知名度を誇る。
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