インフォメーション
~文科省、教育・研修課程や受入れ体制整備で個々に対応求める~
今年4月に創設された新たな日本語教育機関の認定制度に基づき行われた、第1回目の「認定日本語教育機関」の審査結果が明らかになった。文部科学省総合政策局日本語教育課によれば、5月に受け付けた初回申請分の申請機関総数は72件で、この内「認定日本語教育機関」として正式に認定されたのは22件だった。不認定とされた機関は3件で、審査中に取下げを行った機関が36件と申請全体の半数に上っている。
申請が不可または取下げとなった教育機関に関し、文科省は、教育目標の設定や授業科目の開設、学習成果の評価方法設定を含む日本語教育課程について内容が不十分であるか、内容に整合性がみられない等の理由から、認定基準を満たしていないと判断したケースが多いとした。また、授業内容・方法の改善を図るための組織的かつ計画的な研修体制が、確認できないものもあった。これらのほかに、日本語教育機関の経営に必要な経済的基盤を有していないもの、及び校地・校舎が設置者の自己所有となっていないなど、「明らかに認定基準を満たしていないものもみられた」という。
今回認定された教育機関(22件)についても、認定に際しては様々な留意事項が付されており、▶修了要件の明確化や教育目標の達成に向けたカリキュラムの改善、▶日本語教育の参照枠の動向把握、▶学生選考にあたっての日本語能力や入学後の出席管理体制の確認、等のほか、校長・副校長等の主任教員兼務についても、過度な負担が集中しないような体制整備を求める記載がみられる。文科省は認定校に対し、今後、申請時の計画履行状況について定期的な確認を行っていく方針だ。
第1回認定校を所在地域別にみると、関東と関西が各7件ずつで最も多く、この内、東京都が5件、大阪府が4件に上る。ほかは九州が5件(うち3件は福岡県)、東北が2件、中部が1件となっている。
なお第1回申請機関(72件)の内、今回認定された機関と不認定機関、及び審査中取下げ機関のほかに11件の教育機関があるが、これらについて文科省関係者は『留学生新聞』の取材に対し、現時点で継続審査中であり、今年度の第2回申請以降に最終判断を先送りしていることを明らかにした。「認定日本語教育機関」の認定プロセスは毎年2回設けられていて、令和6年度第2回申請は本日(10月31日)締め切られる。
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今年8月の1か月間で、新たに「留学」の在留資格を得て日本へ入国した外国人は5291人で、昨年同月(5835人)より1割ほど減少したことが分かった。
出身国・地域別内訳では米国が1252人で最も多い。昨年8月も同様の状況となっていて、9月からの新学期に大学等で学ぶ交換留学や短期留学による来日者が相当数に上るためとみられる。フランス(221人)やドイツ(206人)、英国(141人)等、欧州諸国からも比較的多い。
一方、アジア諸国からの「留学」入国者は中国(大陸)492人、ネパール343人、バングラデシュ209人、台湾206人、韓国152人、タイ114人等を中心に、ミャンマーは90人、ベトナムは88人だった。日本語教育機関等における10月期生の入国は9月以降に入ってから本格化するため、8月はいわば「端境期」にあたり、これら地域からの新規来日者数は低水準に止まっている。
※今年の累計来日者数は約11万人 過去最高に達する可能性も
上記を加味した上で、今年1月から8月までの新規来日留学生数は累計で10万9543人となり、2023年の同時期(8月時点で8万5140人)に比べほぼ3割増ペースで推移している。昨年は9月以降の4か月間で5万人を超える留学生が新たに入国していて、10月期生の許可状況次第では、2024年はコロナ禍に伴う入国制限緩和後の2022年に記録した過去最高の入国者数(約16万7千人)を上回る可能性がある。
8月時点での「留学」来日者数を出身国・地域別にみると、中国(大陸)が2万7806人、ネパールが2万5721人、ベトナムが1万1193人で、上位3か国で全体のほぼ6割を占める。さらにミャンマー(8569人)、韓国(4956人)、スリランカ(4439人)、米国(3835人)、台湾(2980人)、バングラデシュ(2852人)が続き、インドネシア(1430人)やモンゴル(1259人)、フランス(1223人)、タイ(1113人)ものべ千人を超えている。
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外国人起業家が日本国内で創業しやすくするため、起業準備を目的とする在留を認める「外国人起業活動促進事業(スタートアップビザ)」について、出入国在留管理庁は12月下旬を目途に、最長在留期間を延長する方針を固めた。
現在外国人が日本で創業しようとする場合、一般的に在留資格「経営・管理」を取得するが、申請にあたってはあらかじめ事業所の確保や2人以上の常勤職員の雇用、出資金500万円以上等を準備しておくこと等が求められる。スタートアップビザでは入国・在留から1年以内にこれら要件を満たす見込みがある外国人の起業準備活動を、地方自治体等が経済産業大臣の認定した計画に基づき管理・支援する仕組みで、認定者には地方出入国在留管理庁が在留資格「特定活動(44号:半年間)」を付与する。同資格は1回の期間更新が可能で、起業要件を満たすまでに、最長1年間の猶予期間が与えられることになる。
「外国人起業活動促進事業事」は2018年12月に開始され、その後昨年6月には岸田文雄前政権が閣議決定した「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画2023改訂版」において、「スタートアップビザ」の滞在期間延長や制度の全国展開を検討する方針が盛り込まれていた。
これを受けて入管庁では、入管法(出入国在留管理及び難民認定法)施行規則等に定められた、在留資格「特定活動」の活動内容を一部改正する方向で調整を進めている。先に示された改正案によると、起業準備活動の期間は、従来の「1年を超えない期間」から「2年を超えない期間」に改められ、最長2年間の在留が可能となる見通し。手続きが順調に進めば、12月下旬にも施行される。
なお日本の大学や専門学校等を修了した留学生については、「外国人起業活動促進事業」を利用後も引き続き起業に至らなかった場合、卒業校又は事業実施の自治体による推薦など一定要件を満たすことを条件に、最長2年間の在留を認める取り組みが2020年から始まっている。
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11月10日に行われる今年第2回目の日本留学試験(EJU)を前に、日本学生支援機構(JASSO)は日本国内の受験者に対し、先週末までに受験票を簡易書留郵便で発送した。
JASSOでは発送予定日(10月18日)から10日待っても受験票が届かない場合や、試験前に受験票を紛失してしまった場合には、EJUオンラインの「出願情報確認・変更」ページから「仮受験票」を印刷し、当日試験会場に持参するよう呼び掛けている。
※当日の注意事項:スマホ等の取扱いに要注意
併せてJASSOでは、試験当日の「受験上の注意」事項も発出した。それによると、試験中に受験生が机の上に出すことが認められているものは受験票、筆記用具、腕時計だけで、携帯電話やスマホ等の電子機器は必ず電源を切り、鞄の中にしまっておくことが必須となる。電子機器を身につけたままの受験や、電源の切り忘れ等で試験中に音やアラームが鳴ったり振動音が発生したりすると、不正行為と判断されるので注意が必要だ。また試験室には時計がなく、携帯電話やスマートウォッチ等を時計として使用することもできないため、通信機能や翻訳機能等が付いていない腕時計をあらかじめ持参することが望ましい。
また試験当日、事故やストライキ等により、公共交通機関(電車・バス等)が利用できなくなった場合の対応について、JASSOでは午前7時30分以降に留学試験課(TEL:03-6407-7457)まで連絡してほしいとしている。
※試験会場は都内10か所、全国17都道府県で27か所
2024年第2回EJUの試験会場は、全国17都道府県27か所に上る。最多の受験者数を擁する東京都では10か所が設置され、東京大学教養学部駒場キャンパス、明治大学駿河台キャンパス、中央大学多摩キャンパス等、いずれも大学キャンパスが会場となる。首都圏ではほかに埼玉県(埼玉大学)、千葉県(千葉大学西千葉キャンパス)、及び神奈川県(TKPガーデンシティPREMIUMみなとみらい)にも各1か所ずつ設けられた。
一方、関西圏では、京都府で京都大学吉田キャンパス(吉田南構内)と京都経済短期大学の2か所のほか、大阪府(大阪大学豊中キャンパス)と兵庫県(芦屋大学)に各1か所ずつの計4か所。中京圏では名古屋大学東山キャンパスで、九州圏では九州産業大学で、それぞれ実施される。この内、芦屋大学については当日、JR芦屋駅等から臨時バスを運行予定だ。
なお上記はあくまでも現時点の予定であり、試験会場は今後当日までに変更や追加が生じる可能性もあるという。
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~出身国・地域別で中国が36%占める、ネパールとミャンマーの伸び顕著~
今年6月末時点で「留学」の在留資格をもち日本に在留する外国人の数が36万8589人に達し、コロナ禍前の2019年末を上回って過去最多を更新したことがわかった。昨年末(約34万人)からの半年間で、2万7千人強増えている。日本政府は2033年までに外国人留学生の受入れ数を40万人に増やす目標を掲げているが、目標値との差は一挙に3万1千人まで縮小し、早ければ直近1-2年での達成が視野に入った。
出入国在留管理庁のまとめによると、「留学」在留者の出身国・地域別内訳では最多の中国(大陸)が13万4239人と留学生全体の36%を占め、最近急増しているネパール(7万3136人)と、ベトナム(4万3760人)が続く。さらにミャンマー(1万7917人)、韓国(1万4610人)、スリランカ(1万3409人)、バングラデシュ(8828人)、台湾(8119人)、インドネシア(7203人)等も一定数に上る。欧米諸国では米国出身者が4734人と比較的多い。昨年末との比較でみると中・越・韓がほぼ同水準にとどまる一方で、ネパールは3割増(約1万7千人増)、ミャンマーは4割増(約5千人増)と共に伸びが著しい。
「留学」生の都道府県別内訳をみると、東京都(12万2000人)を筆頭に、大阪府(3万9800人)、福岡県(2万0617人)、埼玉県(1万9686人)、千葉県(1万9468人)、京都府(1万8630人)、神奈川県(1万7806人)、愛知県(1万5279人)、兵庫県(1万5061人)の計9都府県が、在留者数で1万人以上となっている。
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