インフォメーション
末松信介文部科学大臣は、ウクライナ人留学生に日本語や日本文化を学ぶ機会を提供するため、国費外国人留学生制度(日本語・日本文化研修留学生プログラム)による特例支援を実施すると発表した。具体的には本年2月24日以降、日本に受け入れたか、これから受入れ予定のウクライナ人留学生の内、日本国内大学からの推薦分として70人、在ウクライナ日本大使館からの推薦分30人の、合わせて100人を支援対象として公募する。選定された対象者には月額最大12万円の奨学金を一年間支給する。
推薦に際してはウクライナ情勢を踏まえた特例措置として、学歴、日本語能力、提出書類に関する申請要件を緩和する一方、日本語能力については受入れ大学に補修授業によるサポート等を求める。公募は大学からの推薦を早ければ7月より、大使館推薦は10月より、それぞれ開始する予定。文部科学省は困難な状況にあるウクライナ人留学生の、日本の大学における学びを支援し、ウクライナ復興や世界の発展に貢献する人材の育成に力を入れていくとしている。
★マレーシアと特定技能の適正運用に関する協力覚書を交換
日本とマレーシアの両国政府は27日、「特定技能」制度の適正な運用のための情報連携や協議等に関する基本的枠組みで合意し、協力覚書(MOC)を交換した。岸田文雄首相と来日中のイスマイル サブリ・マレーシア首相が交換に立ち会った。
MOC全文によると、制度運用に関する協議の場として合同員会を設立し、特定技能対象者の送り出しや受入れに関する審査を行うほか、不適正な支援機関や送り出し(仲介)機関に関する情報と問題点の共有、技能・日本語試験の実施などで双方が協力する。同制度の運用に関する前提として、日本側は受入れ分野ごとに不足する人材が確保されたと認められる場合には受入れを一時的に停止することができることが規定されているが、こうした場合の在留資格上の処遇や帰国準備についても、双方が適切に対処することが謳われている。MOCの有効期間は5年間となる。
今年3月末時点で、「特定技能1号」の在留資格を取得し、日本に在留中のマレーシア国籍者はわずか13人に止まっている。
★親族・知人訪問による入国は6月以降も原則不可
6月1日からの水際緩和に伴い、長期滞在者や商用・就労目的の短期滞在者に加え、新たにコロナウイルス流入リスクが低い国・地域からの短期観光目的による入国が一部認められるようになる。ただ、親族や知人訪問等を目的とする短期間の入国は今回も許可の対象とはなっていない。理由として関係省庁は「受入れ責任者がいないため」としているが、これは現状、外国人の来日に際しては必ずERFS(入国者健康確認システム)による事前申請を通じた受入れ責任者の管理が必要とされていることが背景にある。観光に関してもパッケージツアー限定で、旅行代理店等が受入れ責任者となることが求められる。
省庁関係者によれば、例外的に親族訪問等で「特段の事情」があるものとして新規入国が認められることがあるのは、日本人・永住者の二親等以内の親族か、定住者の一親等以内の親族。このほか病気や出産、死亡に伴い、本邦居住者を支援・訪問する必要がある場合も対象になり得るという。
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政府は6月1日から水際措置の見直しを行うにあたり、新型コロナウイルスの流入リスクをもとに各国・地域を3つのグループに分け、対象ごとに入国時の検査と入稿後待機の扱いを変えるが、その正式な区分けが明らかになった。来日留学生が多い主要国・地域の中では、中国や韓国などが最も流入リスクの低い「青」区分とされたが、ベトナム、ネパール等はややリスクの高い「黄」グル―プに指定されている
具体的には、中国(香港含む)、韓国の他に、インドネシア、台湾、ミャンマー、バングラデシュ、モンゴル、タイ、マレーシア、フィリピン、米国、カンボジア、シンガポール等、98か国・地域が「青」区分となった。欧州主要国の英国、フランス、ドイツ、イタリア、スペインや、北・南米のカナダ、ブラジル、メキシコ等も同様。5月末まで検疫所指定施設での3日間待機を求められているラオス、ロシア、ブルガリア、南アフリカの4か国も、6月以降は「青」区分に属する。「青」グループ指定国からの入国者は6月1日0時以降、入国時検査が免除されるほか、入国後の自宅等待機も不要となる。
一方、ややリスクの高い「黄」区分に指定されたのは、インド、ウズベキスタン、エジプト、サウジアラビア、スリランカ、トルコ、ネパール、ベトナム、マカオ等、99の国・地域で、入国時検査を実施後、原則7日間の自宅等待機が必要となる。ただこの区分でも、入国時点でワクチン3回接種者は検査・待機共に免除となる。
またハイリスクとされる「赤」区分の国・地域から来日する場合には、入国時検査を実施の上、検疫所指定施設で3日間待機が必要だが、該当国はパキスタン、アルバニア、シエラレオネ、フィジーの4か国・地域のみだった。
6月以降に来日する留学生の内、相当割合が検疫上は「検査・待機ともに不要」へと変わり、入国に伴う制限は大幅に緩和されそうだ、
★外国人観光客の入国制限も見直し 「青」区分の団体旅行を解禁
これと並行して政府は6月10日より、観光目的で短期間滞在する外国人の新規入国を条件付きで認めることも発表した。当面は旅行代理店等を受入れ責任者とする添乗員付きのパッケージツアーに限定し、対象も上記の区分で「青」グループに該当する国・地域のみとする。日本国内に所在する旅行代理店等の受入責任者が、入国者フォローアップシステム(ERFS)で所定の申請を完了した場合に、「特段の事情」があるものとして入国を容認する形を採る。
★国際線の受入れ空港に新千歳と那覇も追加
政府は海外から来日・帰国する人が入国できる空港をこれまで国内5空港(羽田、成田、中部、関西、福岡)に限定してきたが、北海道の新千歳空港と沖縄県の那覇空港についても6月中に国際線の受入れを再開する方針を決めた。これまでは、例えば北海道の学校に留学予定の人は、いったん首都圏等の空港から入国した後、国内線等で移動しなければならなかったが、来月以降は直行が可能となり、利便性が増す。
★日本語能力試験、大連の3大学も中止に
中国遼寧省教育庁が省内の教育機関における感染対策を強化したことに伴い、大連市にある大連外国語大学、大連理工大学、大連大学の3校が、7月3日に実施を予定していた日本語能力試験(JLPT)を中止することを決めた。JLPTをめぐっては今月25日に同省内の遼寧大学(瀋陽市)が、市当局の感染対応等を踏まえ中止を決定したばかり。これにより、中国全土で試験が取りやめとなった会場は計7会場に増えた。
大連市は中国内でも、日本語学習者が特に集積するエリアとして知られ、JLPTでは昨年7月試験の受験者が7209人(うちN1受験者が2904人)と同国内の実施都市の中では2番目に多かった。今回の中止により、厳格な感染対策が及ぼす影響がさらに広がることへの懸念が高まっている。
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6月1日以降、水際対策が緩和されるにあたり、入国時の検疫対応は各国・地域ごとの感染リスクに応じて3グループに区分される形となるが、そのグループ分けに一定程度影響するとみられるのが、現下の空港検疫における検査実績だ。厚生労働省が23日時点で明らかにした最新の状況によれば、直近で判明した今月1日から7日の週は、外国籍者の総検体数3万6592件中、陽性検体は232件、陽性率0.6%となっている。来日者の国・地域別では、陽性検体数が多い順にベトナム、米国、韓国だが、この内、陽性率では米国が1.6%と高く、ベトナム0.9%、韓国0.4%。一方で総検体数がベトナムに次いで多い中国は、陽性検体数1件に止まっている。
なお現在、日本政府が入国時に検疫所で3日間待機を求めているのは6か国だが、この内、同週内の陽性率が1%を超えているのはパキスタンのみで同国の陽性検体数は4件。片や前出の陽性件数が多い3か国に関しては、すでに3日間待機国からは外れていて、6月以降のグループ分けがどうなるかは依然不透明な状況と言える。
★「留学生円滑入国スキーム」 今月末で終了へ
ビジネス客らが比較的少ない平日便を中心に、空席を活用して留学生の入国を円滑に進める趣旨で3月に設けられた「留学生円滑入国スキーム」は、予定の5月末をもって正式に終了することが分かった。文部科学省では、6月1日以降、日本に到着予定の留学生は、一般的な予約方法によりフライトを予約してほしいとしている。
出入国在留管理庁のまとめによると、外国人の新規入国が条件付きで再開された3月1日以降、4月末までの2か月間で、のべ6万1699人の留学生が新たに日本へ入国しており、3月時点で在留資格認定証明書(COE)を取得済みで引き続き入国を希望していた「待機留学生」約11万7千人の半数を超えた。
★山西大学が7月JLPTを中止 中国で3か所目
7月3日に国内外で実施される日本語能力試験(JLPT)で、予定されていた中国における試験会場の内、新たに山西大学がコロナ拡大等を理由に実施を中止すると発表した。同国内では、吉林大学、延辺大学に続き、JLPT取りやめは3件目となる。中国内では感染拡大への対応措置として、各地で外出制限等が断続的に行われており、今月予定されている大学入試(高考)でも、上海市や天津市といった中央直轄市で延期が決まるなど、影響が広がっている。
★「特定技能」外国人が3か月で1万5千人増
今年3月末時点で「特定技能1号」の在留資格により日本国内に在留する外国人が6万4730人となり、昨年末(4万9666人)からの3か月間で1万5千人以上も増えたことが、出入国在留管理庁のまとめで分かった。この数を1年前の昨年3月末時点(2万2567人)と比較すると約4万2千人増で、ほぼ2.8倍の水準。政府の厳格な水際対策により海外からの新規入国が原則停止されてきた中、日本国内における「技能実習」や「留学」等、他の在留資格から「特定技能」に在留資格を変更する人が増えたことが背景にあるとみられる。
産業分野別では「飲食料品製造業」が全体の35%と引き続き多く、農業、介護、建設、産業機械製造業の順となっている。また特定技能外国人の出身国・地域別ではベトナムが4万696人と全体の62%で、フィリピン(6251人)、インドネシア(5855人)なども合わせたアセアン諸国が9割を占める。なお、中国出身者は前年3月末比2.2倍の4546人となっている。
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~政府、6月1日よりさらなる水際緩和~
政府は6月1日より海外向けの水際措置をさらに見直し、一日あたり入国者総数の上限を現在の1日当たり1万人から、2万人を目途とする規模に引き上げると共に、入国時検査と入国後待機の要件も緩和する方針を発表した。岸田文雄首相が先にG7諸国並みの円滑な入国を可能にする意向を表明したことを受けたもので、松野博一官房長官は20日の会見で「入国時検査の対象者を流入リスクに応じて限定することで、空港施設内での入国待ち者数を減らすことができる」と述べた。
★滞在国・地域により検疫対応を3グループに区分
具体的には入国者を来日前の滞在国・地域によって赤、黄、緑の3グループに区分し、検疫対応を分ける。
まず最もウイルス流入のリスクが高いと位置づける「赤」グループの国・地域は、入国時検査を実施した上で、検疫所指定施設での3日間待機を求める。但しこの内ワクチン3回接種者については入国時検査で陰性の場合「自宅等待機」とする。
また「黄」グループに該当する国・地域は、同様に入国時検査を実施の上で「自宅等待機」へ移行するが、ワクチン3回接種者は入国時検査も自宅待機も求めない。入国後の「自宅等待機」期間は、自主検査を受けない場合、7日間を基本とする現行方針を維持する。
最後に最もリスクが低い「青」グループの国・地域の場合は、入国時検査を実施せず、自宅等待機も不要とする。
実際に各国・地域がどの区分に該当するのかは後日改めて発表されるが、空港検疫における各国・地域ごとの来日者の検査陽性率等が指標になるとみられている。
★「観光入国」再開に向けた検疫体制確保に着手
政府はこれらの見直し措置により、長らく停止したままの「観光入国」者受入れ再開に向けた検疫体制の確保に乗り出した形だ。近く先行して実施される訪日観光実証事業では、旅行会社や宿泊事業者の留意事項をまとめたガイドラインを作成するとしており、インバウンドの本格的な回復に向けた足掛かりとなるか、今後の成否に注目が集まる。
★官房副長官、水際緩和は段階的に進める意向
一方で、木原誠二官房副長官は22日、テレビの報道番組で「現実問題、水際でも(感染者が)まだ発見されているという状況がある。感染状況を見極めながら、段階的に緩和をさせてほしい」と述べ、入国者総数上限を一日あたり2万人に拡大した後も、政府としては徐々に水際緩和を進めていく方針を示した。また「ストップ・アンド・ゴー、ゴー・アンド・ストップがあまり繰り返されるのはよくないと思う」とも語り、感染状況の局面ごとに水着緩和と再強化で政策にぶれが生じることは、経済にもマイナスの影響を及ぼすとする認識も明らかにした。番組内で橋下徹元大阪府知事がコロナ禍前までは一日約14万人の来日観光客がおり、「上限2万人はあまりにも少なすぎる」と指摘したのに応えたもの。
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今年4月の一か月間に日本へ新たに入国した外国人(12万4339人)の国籍・地域別内訳が判明した。最多のベトナム(2万6107人)と、これに次ぐ中国(大陸、2万0463人)の2か国が各2万人超となっており、中国は統計上、この他に香港の1127人なども加わる。さらにインドネシア(1万1240人)、ネパール(1万0178人)、フィリピン(8298人)、韓国(5718人)など上位は軒並みアジア諸国が占めた。
米国(4467人)、ミャンマー(3458人)、タイ(3002人)も合わせると、来日者数が3千人以上に上ったのは計9か国だった。このほか、インド(2532人)、台湾(2417人)、カンボジア(2177人)、スリランカ(2176人)なども比較的多い。
なお上記の数値はいずれも、留学生だけではなく、新規入国した「技能実習」や「特定技能」等を含め、全ての在留資格者を合算した速報値。
既報の通り、これらの内、4月中における在留資格「留学」の新規入国者は4万6889人となっている。
★EJU6月試験の全国25会場が決まる
日本学生支援機構(JASSO)は6月19日に予定している2022年度第1回日本留学試験(EJU)の日本国内における試験会場を決定した。北海道から沖縄まで、全国25会場が設定されている。
都道府県別で受験者数が最多の東京都は、慶應義塾大学(三田キャンパス)、日本大学(文理学部)、法政大学(市ヶ谷キャンパス)、早稲田大学(早稲田キャンパス)など計7会場に上り、3会場が設けられた京都府は京都府立大学(下鴨キャンパス)、京都ノートルダム女子大学など。また大阪府は大阪教育大学(柏原キャンパス)、愛知県は名古屋大学(東山キャンパス)で、上記のいずれも大学キャンパスが会場となる。福岡県は福岡女学院中学校・高等学校で行われる。
同試験の受験票は今週20日に、簡易書留郵便で各受験者へ発送される。
(各会場の案内図は↙下記リンクを参照。)
https://www.jasso.go.jp/ryugaku/eju/examinee/site/jun_in_japan.html
★訪日観光客の受入れ再開へ 月内に実証事業開始
斉藤鉄夫国土交通大臣は17日の会見で、本格的な訪日観光客の受入れ再開に向けた材料収集のため、今月中にも国内旅行会社の行動管理に基づく実証事業を実施する方針を表明した。事業の参加者については、感染拡大リスクの低い国から来日するワクチン3回接種者に限定し、少人数によるパッケージツアーのみを対象とする。政府は同ツアーを踏まえ、感染防止対策の遵守方法や緊急時対応等について検証を行い、訪日観光の再開の可否を検討するとしている。
また古川禎久法務大臣は同日の会見で「今後、訪日観光客にどの時点から入国していただくかは、重要な検討課題の一つと認識している」と語り、政府全体として感染拡大の防止と社会経済活動のバランスをとりながら、適切な水際措置を講じていく考えを重ねて表明した。
★ウクライナ避難民向けにオンラインの日本語教育支援も開始
ウクライナ避難民に対する日本語教育に関連して、末松信介文部科学大臣は17日の会見で、日本語教育を実施する自治体向けに目下、政府として補助を行っていることに言及した上で、様々な事情から自治体が独自のサポートを提供することが困難な場合も念頭に、国によるオンラインの日本語教育支援を同日より開始したと述べた。
※就学機会確保へ 27大学が106名を受入れ
出入国在留管理庁によるまとめでは、3歳以上18歳以下のウクライナ避難民はのべ225名いるとされているが、同避難民を対象とした就学機会の確保も徐々に進展しつつあるようだ。
文部科学省が各自治体からの報告をとりまとめた結果、5月11日時点で計44名の子女が幼稚園、小・中学校、高校で学んでおり、これとは別に就学相談中も50人に上るという。また高等教育機関においては、すでに27大学が同避難民106名を学生・研究者として受け入れている実態も明らかになった。
文科省では各自治体等と連携しつつ、ウクライナ避難民への日本語教育や子女向け教育機会の確保に向け、さらにきめ細かな取り組みを続けていくとしている。
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