インフォメーション
~入管庁、12月までの速報値を正式発表~
2023年の1年間で、新たに「留学」の在留資格を得て入国した外国人が、最終的に13万9574人となり、2年連続でコロナ禍前の水準(年間約12万人)を上回ったことが分かった。出入国在留管理庁が速報値として明らかにした。前年の2022年(16万7128人)との単純比較では16%の減少となるが、これはコロナ禍における水際対策の影響で過去入国できなかった層が22年中に大挙入国した一時的要因によるもの。他の在留資格を含めた全入国者の中でも「短期滞在」を除けば、「留学」は「技能実習(18万3030人)」の次に多い。
※11月までの出身国・地域別内訳(1月26日号 配信記事より抜粋)
上記の内、12月の新規来日者(1900人)に関する出身国・地域別の内訳は現時点で不明だが、年初から11月までの累計では、最多の中国が4万人に迫り(3万9588人)、ネパール(2万2946人)とベトナム(1万3301人)が続き、上記3か国で全体の55%を占める。さらにミャンマー(7457人)、韓国(6756人)、スリランカ(5266人)、台湾(5076人)、米国(5007人)も含めると、来日者数5千人以上は8か国・地域に上った。
これらのほか、バングラデシュ(2848人)、インドネシア(2809人)、フランス(2203人)、タイ(2092人)、モンゴル(2046人)等が多い。ロシアからの留学生も1040人に上る。なお香港は統計上、上記「中国」には含まれておらず、「中国香港」と「英国香港」の両旅券保持者を合わせ、11月までに1446人が来日している。
なお「留学」以外の在留資格による2023年中の新規入国者数をみると、「技術・人文知識・国際業務」が対前年比22%増の4万3787人、「特定技能」が同倍増の4万3626人で、両資格の実数はほぼ同水準だった。就労関係ではこれらのほかに、「企業内転勤」が8443人と比較的多く、「経営・管理」は5295人、「教育」は3454人、「高度専門職」は2373人だった。全ての在留資格を含めた年間の新規入国者総数は、前年比約6倍増の2375万1693人に上った。入管庁では、新型コロナ拡大前の2019年との比較で、83%の水準まで新規入国者数が回復したとしている。
★EJUの基礎学力科目 26年度からシラバスの一部改訂へ
日本留学試験(EJU)の基礎学力科目について、2026年度からシラバスが一部改訂されることになった。2018年時点で日本の高校における学習指導要領が告示されたのに伴う措置で、EJUの試験科目の内、「理科」、「総合科目」及び「数学」が改訂の対象となる見通し。「日本語」科目のシラバスには変更は行われない。
実施元の日本学生支援機構(JASSO)では、年度明け4月頃を目途に、具体的な日程と改訂案を公表するとしている。
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~11月までに13万7千人、中国4万人+越・ネパールで全体の55%~
昨年11月の1か月間で新たに留学生として来日した外国人が4042人だったことが、関係機関のまとめでわかった。11月は日本語教育機関の入学時期の狭間にあたるが、今年度は特にネパールからの入国者が2542人と多く、全体の6割を超えた。10月期生の来日遅れ等によるものとみられる。このほか、中国(大陸)540人、バングラデシュ316人、ベトナム189人、スリランカ100人等が多い。一方で、韓国(20人)や台湾(11人)、香港(6人)等は少数にとどまった。
これにより2023年に新規来日した留学生の総数は、年初から11月までの累計で13万7674人となった。出身国・地域別では最多の中国が4万人に迫り(3万9588人)、ネパール(2万2946人)とベトナム(1万3301人)が続き、上記3か国で全体の55%を占める。さらにミャンマー(7457人)、韓国(6756人)、スリランカ(5266人)、台湾(5076人)、米国(5007人)も含めると、来日者数5千人以上は8か国・地域に上った。
これらのほか、バングラデシュ(2848人)、インドネシア(2809人)、フランス(2203人)、タイ(2092人)、モンゴル(2046人)等が多い。ロシアからの留学生も1040人に上る。なお香港は統計上、上記「中国」には含まれておらず、「中国香港」と「英国香港」の両旅券保持者を合わせ、11月までに1446人が来日している。
例年、12月の留学来日者数は少なめで、新型コロナ対応の水際緩和により一時的に入国者が急増した2020年12月期を除けば、月間千人から二千人台で推移しており、来日状況が比較的安定していた昨年も同傾向と推測される。これらを踏まえると、2023年の来日留学生数は、最終的に14万人前後の水準に落ち着きそうだ。
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専門学校を卒業した留学生が日本で就労可能な範囲を広げる政府の手続きが最終段階に入り、2月末をめどに正式に実現の見通しとなった。現行制度では大学・大学院卒業者に限定して認められている通称「特定活動告示第46号」の受入れ対象を、文部科学大臣の認定を受けた専門学校(4年制課程)修了者にも広げる方向で最終的な調整が進んでいる。出入国在留管理庁では今月29日に意見聴取手続きを締め切り、来月末の公布と同時の施行を目指す。
「特定活動告示第46号」は、「技術・人文知識・国際業務」など就職のための主要な在留資格においては本来活動が認められていない一般的なサービス業務や製造業務において、留学生が習得した高い日本語能力と知識を活用できることを要件に就労を認めるもので、2019年に導入された。目下、対象者は法務省告示において「本邦の大学(短期大学を除く。以下同じ。)を卒業し又は大学院の課程を修了して学位を授与されたこと」とされているが、入管庁では今回告示内容等を変更し、新たに①短期大学又は高等専門学校を卒業した者(所定要件を満たす学士取得者)、②専修学校専門課程の内、文科大臣の認定を受けた「外国人留学生キャリア形成促進プログラム」認定課程を修了し、「高度専門士」の称号を得た留学生、も加える。
これに先立つ昨年、政府の教育未来創造会議は第2次提言案となる「J-MIRAI(未来を創造する若者の留学促進イニシアティブ)」の中で、高度外国人材の受入れ促進と定着に向けた在留資格制度の改善案を提言。幅広い知識や応用的能力に加え、高度な日本語を要する職種に限定する形で、日本の4年制大学か大学院卒の留学生のみに認められている在留資格「特定活動」の制度(特定活動告示第46号)について、認定を受けた修業年数4年以上の専門学校修了者(高度専門士)も対象とすることを盛り込んでいた。但し同制度は在留資格申請の時点で、日本語能力試験N1またはBJTビジネス日本語能力テスト480点以上に準じる日本語能力が必要な運用となっている。
なお「外国人留学生キャリア形成促進プログラム」自体の初年度公募はすでに締め切られているが、認定校については先週時点でまだ発表されていない。文科省関係者は「今年度末までに決定の予定」としている。
★JLPT12月試験の結果発表 入学審査も大詰めへ
昨年12月に国内外で行われた日本語能力試験(JLPT)の結果が発表され、所定のウェブサイトなどで確認できるようになった。日本国内で受験した人は、MyJLPTのIDからログインすると閲覧が可能。合否結果通知書は2月8日に発送予定で、合格者には日本語能力認定書が送られる。成績証明書は1月23日から申込受付が始まる。
JLPTは主要レベル別でN1、N2、N3ともに180点満点だが、合格基準点はN1が100点以上、N2が90点以上、N3が95点以上と分かれる。同時に、各得点区分別(言語知識/読解/聴解、各60点満点)でそれぞれ基準点19点以上をクリアしていることも合格の前提条件となる。仮に1つでも受験しない科目があれば不合格になる。
JLPTの結果を留学生入試の出願要件としていたり、あるいは日本語科目の選択肢として導入したりしている大学院・大学では、12月試験の結果発表を受けて、年度末に向け今年度の入学審査が大詰めを迎える。
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~認定日本語教育機関の運営に関するガイドライン案を策定~
来年度から始まる「認定日本語教育機関」の認定基準が昨年末、正式に公布されたが、出入国在留管理庁と文部科学省はその運営に関するガイドライン案を策定した。新制度の施行後行われることになる、文科大臣から法務大臣への認定に係る協議で、事実確認や報告を求める際の基準となる。学生の出席管理体制と、在留継続のための支援体制を2つの柱に定めており、4月に日本語教育機関認定法が施行されるのと同時期に決定される予定だ。
ガイドライン案ではまず、出席管理体制に関して、1か月の出席率が8割を下回った生徒に対し改善指導と指導状況の記録を行うことや、同5割を下回った生徒がいる場合、資格外活動(アルバイト)先の機関名を確認・記録することを求めた。その上で、全ての生徒の6か月間出席率(平均)が7割を下回った場合には、学習活動が適正に行われていないと判断されることを示唆している。
一方で在留継続のための支援体制に関しては、経費支弁能力や日本語能力、資格外活動の状況等を確認することのほかに、いわゆる仲介者への監督を強化する方針が盛り込まれた。入学者の選考にあたり不適切な仲介者が関与している場合、該当する入学希望者の入学を認めないとしたほか、仲介者に支払うか支払うことを約束した金銭の名目及び額を適切な方法により把握することを求めている。また学生の入学後の就労または進学に際し、就労先の事業者や進学先の教育機関、仲介者等からあっせん・紹介の対価を得ることも、職業安定法の許可を受けて法に則り行われる場合を除き、認めないことを謳った。
さらに、一部の日本語教育機関で昨年問題が明らかになった人権侵害行為については、教育機関においてある程度組織的に行われていた場合だけでなく、一教員や一職員の行為であっても組織として黙認されていたような場合は「日本語教育機関がこれらの行為をしたものと評価される」と位置づけた。具体的な人権侵害行為には、旅券や在留カードの取上げ、生徒の意に反した合理的な理由なき除籍・退学・帰国等のほか、「進学や就職のために必要な書類を発行しないなど生徒の進路選択を妨害する行為」や人種差別的言動等を明記している。
ガイドライン案では「学習活動を適正に行っているとは認められない生徒が相当数存在する場合」には是正措置をとるよう各機関に求めた上で、個々のケースがこれに該当するか否かは地方出入国在留管理局が該当する生徒数だけでなく、受講状況や教員の指導状況等に関し調査を行った上で、個別状況を踏まえ判断するとした。
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2023年の1年間に日本へ新規で入国した外国人の総数が2375万人(速報値分含め2375万1695人)となり、コロナ禍前の2019年以来4年ぶりに2千万人の大台を回復したことが出入国在留管理庁のまとめで分かった。入国者総数はピーク時の2019年には2840万人(概数;以下同じ)に達したが、コロナ禍での入国制限を受けて2021年はわずか15万人、2022年も342万人に止まっていた。昨年5月に政府の水際対策が事実上撤廃されてから、観光客を中心に入国者数はV字型回復を遂げ、直近では急激に進む円安ドル高も来日者増に拍車をかけた。
来日者の出身国・地域別内訳では681万人の韓国を筆頭に、台湾407万人、香港202万人、中国(大陸)199万人等が多い。中国からの来日者数は8月に単月で30万人近くまで増えたが、日本国内におけるALPS処理水の海洋放出が報じられて以降、10月には20万人に減少し、その後再び回復へと転じている。台湾は6月以降、毎月40万人前後で推移しており、10月の41万人がピークだった。
直近12月(単月)の新規入国者数は263万9542人で、前月(234万777人)より12%増え、単月ベースでは2023年中最も多かった。出身国・地域別内訳(概数)では韓国が77万人と最も多く、以下、台湾39万人、中国(大陸)27万人、香港24万人等が続いている。なお韓国と香港も、12月の来日者数が年間最多だった。
★被災地外国人支援で法相、在留期間延長や資格外活動許可をPR
小泉龍司法務大臣は今週の定例会見で、能登半島地震を受け法務省が行っている外国人支援について問われた際、①入管庁のSNSやホームページを活用した災害情報・生活支援情報等の発信、②通訳支援事業の自治体向け活用支援、③在留資格上の手続き延長、等に触れた。この内③に関しては、災害救助法の適用市町村に住む外国人の在留期間を今年6月30日まで一律延長する措置や、被災により働けなくなった就労外国人に1日8時間の資格外活動許可を認める取り組みを紹介し、今後も「(現地にいる)外国人の方々の状況をよく想像しながら対応していきたい」と述べた。
昨年6月末時点で被災地域に在留する外国人は、石川県だけでも1万8302人で、この内、留学生が2226名に上る。また新潟、富山、福井3県も合わせると、今回の地震で震度5強以上を観測した市区町村に住民登録している留学生は4600人を数える。
★ウクライナ避難民向け支援 補完的保護対象者と同一枠組みへ
小泉龍司法務大臣は今週の会見で、日本政府が2年間に渡り実施してきたウクライナ避難民向けの支援についても言及し、昨年、補完的保護対象者の認定制度が正式にスタートしたことを踏まえ、今後は同制度を適切に運用することにより、現行のウクライナ支援も同じ枠組みの支援体制へと移行していくとの見通しを述べた。
補完的保護対象者の認定制度は、難民認定の対象とされない紛争地域からの避難者等に「定住者」の在留資格を与え、難民に準じる形で保護するしくみで、改正入管法の成立を受け昨年12月1日より運用が開始された。同制度には、認定者向けに行われる日本での自立促進を目的とした6か月間の定住支援プログラムがあり、572時限の日本語授業と120時限の生活ガイダンスを受講できる。小泉大臣はウクライナ避難民がこうしたスキームを活用することで、確実で安定的な保障ができるよう政府として取り組んでいく考えを示した。
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