インフォメーション
7月単月の入国者数では中国が過半数占める
今年7月の1か月間に、在留資格「留学」を取得して新規で来日した留学生(1万0227人)の出身国・地域別状況が判明した。6月に続き最多の中国が5542人で、全体の過半数(54%)を占めている。中国からは6月(6305人)を合わせると、7月期入学生の入国時期となる直近2か月間で1万2千人近くが来日しており、年明けからの入国留学生数も累計で4万0041人となっていて、順調な来日状況で推移している。
また中国の次に来日者が多いネパールは7月が1406人で、年明けからの入国留学生数は累計2万2676人、またベトナムは7月が536人で累計1万1386人となった。韓国は7月の来日留学生が196人と鈍化し累計では6759人、インドネシアは同371人で累計3105人、スリランカは同388人で累計が3014人となった。7月時点で2022年の来日留学生数が3千人を超えているのは上記の6か国だった。
これらの他に、台湾は7月の来日留学生が166人で累計2872人、ミャンマーは同212人で累計2735人となっている。
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11月13日に行われる日本留学試験(EJU)で、日本国内における試験会場が決まった。今回も北は北海道から南は沖縄まで、全国25会場で実施される。
試験の応募者数が1万2143人と全国最多に上る東京都では、8箇所の試験会場が設定された。東京大学(教養学部駒場キャンパス)、明治大学(駿河台キャンパス)、立教大学(池袋キャンパス)など都心部の大学キャンパスが多く、23区外では電気通信大学や中央大学など3箇所。
東京都のほかに複数の試験会場が設定されたのは福岡県(2会場)のみで、他の15道府県はいずれも単一会場となった。1459人が応募している大阪府は大阪大学(豊中キャンパス)で、また991人が応募の京都府は京都大学(吉田キャンパス・吉田南構内)でそれぞれ行われる。
※日本留学試験【11月】国内試験の実施会場
https://www.jasso.go.jp/ryugaku/eju/examinee/site/nov_in_japan.html
★「特定技能」 ベトナムからの来日ペース減速が鮮明に
出入国在留管理庁によれば、今年7月中に新たに来日した外国人の内、在留資格が「特定技能1号」の人は1604人に止まった一方で、「技能実習」は1万2610人に上っているが、いずれも来日者の出身国別内訳が判明した。「技能実習」はベトナムが5218人で引き続き最も多く、以下、インドネシア(2681人)、中国(1279人)、フィリピン(1099人)の順に多い。一方で「特定技能1号」は全般的に低水準ながら、今年に入って以降、インドネシア出身者が最多で推移していて、7月も659人と、特定技能の身分で新たに来日した人の4割を占めている。一方でベトナムは162人と、減速ぶりがより鮮明になってきた。「特定技能」でインドネシアの他に多いのはフィリピン(323人)、中国(150人)など。
2022年1月から7月までの「特定技能1号」の来日者数を集計すると1万1036人で、出身国別ではインドネシア4296人、フィリピン1935人、ベトナム1665人、中国1168人等となる。2021年までは一貫してベトナム出身者が最多を占めていた。
★日韓、人の往来活性化への期待を共有
――岸田首相、韓国首相と懇談―-
岸田文雄首相は28日、故安倍晋三元首相の国葬儀に参列のため、日本を訪問している韓国の韓悳洙(ハン・ドクス)首相による表敬を受けた際の懇談で、摩擦が続く日韓関係を健全な関係に戻し、さらに発展させていくため、外交当局間の意思疎通を加速化させる必要性で一致した。
外務省によると、双方は日本政府が10月11日からの再開を発表した短期滞在者向け査証免除措置の適用など、一連の水際緩和措置が、日韓間における人の往来の活性化に繋がることへの期待を共有したという。
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~政府が10/11より水際措置を見直し~
政府は岸田文雄首相が先週末の会見で表明した10月11日以降の水際緩和に関して、具体的な見直し措置を明らかにした。一日あたりの入国者上限数を撤廃し、観光目的の個人旅行を解禁するほか、ビザなしの短期渡航も受入れる。同時に、従来は外国人の新規入国に際し日本国内の受入れ責任者が入国者健康確認システム(ERFS)で事前申請・管理を行う手続きが必要だったが、同日以降はこれを求めないこととした。対象となるのは、①商用・就労等の目的の短期滞在(3月以下)、②観光目的の短期滞在、③長期間の滞在、のいずれも新規入国のケース。留学生などの中長期在留者が新規入国する際にも、ERFSによる管理が不要となる。
また入国時に求めてきた新型コロウイルス検査も、同日以降は全ての入国者・帰国者について、新型コロナへの感染が疑われる症状がある人を除き実施しないこととし、入国後の待機や待機期間中のフォローアップ、公共交通機関の不使用なども求めない。但し、ワクチンの接種証明書(3回)か出国前72時間以内に受けた検査の陰性証明書のいずれかの提出を条件とする。
なお有効なワクチンの種類については、「世界保健機関(WHO)の新型コロナワクチン緊急使用リストに記載されたいずれかのワクチンを3回接種したことが分かる」証明書で認める運用が決まった。具体的な対象は厚生労働省が別途公表するとしているが、現時点でWHOのリストには中国製ワクチンも含まれていて、日本政府がこれまでは一部を除き対象外扱いとしてきた同国製ワクチンが、今回は認められる可能性がある。
松野博一官房長官は26日の会見で、「水際措置については、保健医療体制に関わる負荷に配慮した最低限の措置を残しつつ、G7並みの円滑な入国が可能となるよう更なる緩和を行う」と表明。現在国際線を受入れていない空港・海港などでも、今後の就航予定に応じ、順次受入れを再開する方針を明らかにした。
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〜入国者数の上限を撤廃/個人旅行とビザなし渡航解禁〜
国連総会に出席するため米国訪問中の岸田文雄首相は日本時間の22日深夜、ニューヨークで会見を行い、10月11日より現行の水際対策をさらに緩和し、①入国者数の上限撤廃、②個人旅行の解禁、③査証(ビザ)なし渡航の再開、に踏み切ることを正式に表明した。
新型コロナ対策に関連して政府は、入国者数の目安を現在一日あたり最大5万人としており、これが撤廃されることで、制限が課されていた外国人の入国がスムーズになる。観光客については政府が6月以降、段階的に入国を認めてきたが、パッケージツアーに限定されていた。またビザなし渡航は、対象として指定する国・地域からの短期滞在に限定される見通し。留学予定者は従来通り、事前のビザ取得が必要となる。
なお観光庁によれば、9月21日時点で近く観光目的の新規入国を希望しERFS(入国者健康確認システム)に申請済みの外国人は、前週比7千人増の5万4734人で、うち10月までに来日予定の人が4万4737人となっている。国籍別では韓国が最多の1万526人で、以下タイ、米国、マレーシア、豪州の順。ゼロコロナ政策の下で、留学などを除く不要不急の出国を厳しく制限している中国は、上位にランク入りしていない。
★介護を学ぶ留学生入学者 コロナ禍で14%減
介護福祉士を養成する専門学校や大学等の教育施設に今年度入学した外国人留学生が、前年度(2189人)より309人減(マイナス14%)の1880人に止まったことが、日本介護福祉士養成施設協会(介養協)のまとめでわかった。日本人を含めた全入学者の減少幅は対前年比381人となっていて、留学生の減り具合が同分野全体の動向に大きく作用した形だ。令和4年度入学者の募集が実施されていた前年度中、政府が新型コロナに対応した入国制限を継続し、新規来日予定者の大部分が足止めを食ったほか、入学予備軍となる日本語教育機関の学生数も激減した影響が如実に現れた。
入学した留学生を出身国別にみると、ベトナムが629 人で全体の3割を占め、以下、ネパール 383 人、中国 255 人、ミャンマー165 人、フィリピン 129 人、インドネシア 112 人、タイ 75 人、スリランカ37人等の内訳となっている。前年度との比較ではミャンマーが2・2倍に増え、中国がほぼ同水準(+1人)を維持したほかは軒並みマイナスとなり、最大数を擁するベトナムも121人の減少。特にネパールは約4割(237人)減と目減りが大きかった。
介護福祉士養成施設の令和4年度入学者全体(6802人)に占める留学生の比率は27・6%で、3年ぶりに3割を割り込んだ。
一方で今春以降は留学生の新規入国が再開され、待機組を含め8月までに12万人を超える来日者が出ている。介護福祉分野における留学生の就職ニーズはむしろ高まる傾向にあることから、来年度以降は入学者数も再び増勢に転じることが期待されている。
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観光庁のまとめによると、今年8月の訪日外国人旅行者数は16万9800人で、入国制限下にあった昨年同月(2万5916人)より大幅に増えた。「訪日外国人旅行者」とは、外国人の正規入国者から、日本を主な居住国とする永住者等の外国人を除き、観光等の外国人一時上陸客らを加えた「入国外国人旅行者」のことを指す。この中には駐在員やその家族、留学生等の入国者・再入国者も含まれるため、厳密な意味での旅行者とは異なっている。国・地域別ではベトナムからの訪日者が3万3千人と最多で、以下、韓国2万8500人、米国1万5800人、中国1万2300人となっている。
政府は今年3月より留学生ら中長期在留者の新規入国受入れを再開し、6月からは条件つきで段階的な観光客の入国解禁へと踏み出した。これに伴い、訪日外国人旅行者数も回復傾向にあるものの、新型コロナ流行前の2019年8月期(約252万人)との比較ではまだ6%の水準に過ぎない。本格的なV字型回復には、新型コロナの感染状況の推移がカギを握る。直近では、岸田文雄首相が一両日中に発表するとみられている追加の水際対策が焦点となりそうだ。
※11月までに入国希望の観光客は4万7千人
これに関連して観光庁が把握している当面の外国人観光客の新規入国希望者が、9月16日以降30日までに1万1701人、10月中が2万7883人、11月以降は8007人で、合わせると4万7591人に上ることが分かった。入国者健康確認システム(ERFS)を通じて15日時点で集計されたもの。
★法相「特定技能は高度人材の位置付けではない」
葉梨康弘法務大臣は会見で、先般、岸田文雄首相が専門的な知識や技術を持つ外国人材を積極的に取り込むため、在留資格の優遇策など新たな制度の導入を図る方針を示したことに関連して、「特定技能2号」も検討対象に含まれるのかと問われたのに対し、「従来の方向でいいますと、特定技能というのは高度人材という位置付けではありませんので、(新制度の枠組みは)また別の制度の枠組みということで理解していただいてよいかと思います」と述べた。
法務省の「特定技能ガイドブック」では、特定技能制度について、中小・小規模事業所を始めとした人出不足の深刻化を踏まえ、人材確保が困難な産業分野で「一定の専門性・技能を有し即戦力となる外国人」を受入れていく仕組みと定義。この内、「特定技能2号」は「特定産業分野に属する熟練した技能を有する業務に従事する外国人向けの在留資格」と位置付けており、要件を満たす場合には家族の帯同も可能とされている。
法務大臣の見解は、「特定技能2号」を含む特定技能制度を、今後国が優遇策を検討する新たな在留資格制度とは明確に切り離す意向を示した形だ。
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