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昨年12月の一カ月間に日本へ新規入国した留学生がわずか12人(内、中国出身者6人)に止まったことが関係機関からの情報でわかった。月間ベースでは3月の102人を下回り、年内最低となった。直前の11月29日に岸田文雄首相がオミクロン株の世界的な拡大を理由に外国人の新規入国を停止した影響で、「特段の事情」による入国許可も大きく落ち込んだ形だ。
一方で政府は、昨年11月末の入国停止以降、今年2月10日までに約6千人の留学生に新規入国を許可したことを明らかにしている。12月の入国者がほとんどいなかったことから、この6千人はほぼ2022年に入ってから日本に入国していることも裏付けられた。
★ウクライナ情勢受けた入国希望に 法相「適切に対応」
古川禎久法務大臣は25日の閣議後会見で、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻に関連して、ウクライナ国内の同国民が親戚や家族、友人を頼り日本へ入国を希望した場合の対応について、「政府全体として現地情勢を把握しながら、適切に対応していく必要がある」と述べた。政府は昨年2月にミャンマーで軍事クーデターが起こった際には、日本国内のミャンマー人に対する在留上の緊急避難措置を打ち出しており、在留ウクライナ国籍者への対応も焦点となる。
出入国在留管理庁によれば、昨年6月末時点で日本に在留しているウクライナ国籍者は1860人で、この内、永住者が941人とほぼ半数を占め、「日本人の配偶者等」も268人。「留学」生は64人おり、この他に就職者の「技術・人文知識・国際業務」が192人、「家族滞在」96人、「特定活動」47人等。古川大臣によれば、昨年12月現在でも在留者総数は約1900人とほぼ変わっていない。
★「特定技能」3か月で3割増え 5万人に
出入国在留管理庁のまとめによると、在留資格「特定技能」を所持する外国人が、昨年12月末時点でほぼ5万人水準(4万9666人)に達した。同9月時点の3万8337人からわずか3か月で、3割も増加している。国籍別ではベトナム出身者が3万1721人と引き続き多数となっている。コロナ禍の長期化で海外との往来が長らく停止している影響は大きく、技能実習からの移行者が3万9660人と全体の8割を占めた。「留学」からの在留資格変更も相当数に上ったとみられる。
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明日(3月1日)から始まる政府の新たな水際緩和措置の下、留学生ら外国人の新規入国が再開される。海外から入国可能な日本国内の空港は現時点で、検疫体制が整っている成田、羽田、中部、関西、福岡の5箇所となる見込みであることが分かった。25日に開催された教育機関担当者向け「外国人留学生(留学)に係るオンライン説明会」にて省庁関係者が明らかにした。
★ビザ発給の所要日数は「原則5業務日」
今回の入国申請においては、学校等「受入責任者」が入国者健康管理システム(ERFS)を使い新規入国者に関する情報等を事前入力の上取得した「受付済証」を、入国者が直接現地の在外公館等に持参し査証(ビザ)を申請するため、省庁側による事前審査は無くなり、手続きのスピードアップが期待されている。カギとなるのは査証の申請から発給までに必要な所要時間だが、外務省では申請内容に特に問題がない場合「申請受理の翌日から起算して原則5業務日」が目安になるとしている。文部科学省関係者は25日のオンライン説明会で、外務省に対しすでに手続きの迅速化を要望しており、外務省からは「申請書類に不備がなければ即日でも交付は可能」との返答があったことを明らかにした。但し申請内容により、外務本省(東京)での慎重な審査が必要な場合には、5業務日以上の時間を要することもあるとのことだ。
★与党が留学生の入国迅速化や円滑な受入れへの対応を要望
自民党と公明党は25日、各党でそれぞれ文部科学部会を開催し、留学生の入国の迅速化や円滑な受入れ促進に向けた課題を議論した。出席した部会メンバーによれば、自民党は文科省から待機留学生や新規留学生の受け入れに関するシミュレーションの説明を受けたが、「充分ではなかったために、文科部会で改めて受け入れ計画を立案することになった(出席議員)」という。また公明党は25日に厚生労働省から公表された入国に係わる諸手続のQ&Aについて、英語など外国語版も作成することを求めるとともに、4月入学延期を通知した大学の掌握と柔軟な受入に向けた国からの働きかけや、検疫・宿泊体制強化及び負担経費支援などを関係省庁に対し申し入れた。
★オリンピック記念センターを留学生らの待機施設に提供
留学生らの入国後の待機施設として、国は国立オリンピック記念青少年総合センター宿泊棟(B棟)の55室を提供する。個室での利用が可能で、浴室・トイレ・冷蔵庫・空気清浄器・Wi-Fi環境が整い1泊3540円。食事代は別途必要だが、センター内の食堂(弁当)やコンビニエンスストア、宅配業者の利用が可能だという。常駐スタッフは不在のため、利用には引率する学校責任者の管理が条件となり、申し込みは留学生本人ではなく、所属学校が取りまとめて行う。
予約先はTEL03-6407-7734。最寄り駅は小田急線・参宮橋駅(徒歩約8分)で、羽田・成田の両空港から公共交通機関を使ってアクセス可能だ。
★ワクチン3回「未接種者」は待機要件に要注意
今回の水際措置では、新型コロナワクチンの「3回接種」を行っているか否かで、入国後待機の要否や場所が変わってくるので注意を要する。入国後の自宅等待機が免除されるのは、オミクロン株の「非指定国・地域」からの入国者で「3回接種」者のみだが、注意を要するのはワクチンの3回目接種を行っていない「未接種者」のケースだ。「未接種者」がオミクロン株の「指定国・地域」から入国すると、入国後まずは検疫所が用意する指定施設で3日間待機を求められるが、「非指定国・地域」だと自宅等待機施設での7日間待機となる。例えば入国を申請する時点では本人の出発地が「指定国・地域」であっても、実際の入国までに「非指定国・地域」へと変更になると待機場所も検疫所指定施設から自宅等待機施設へと変わるので、入国予定の留学生や受入れ教育機関は直前に情報をチェックすることが求められる。
政府はこれまで随時、このオミクロン株「指定国・地域」を変更しており、3月1日からは37か国・地域となる。アジアではインド、インドネシア、ウズベキスタン、韓国、スリランカ、ネパール、パキスタン、バングラデシュ、ミャンマー、モンゴル等の国々で、欧米だと英国、イタリア、ドイツ、フランス、ロシア、カナダ等も含まれる。
一方、留学生の来日(在籍者)数が比較的多い国・地域では、中国(大陸)、台湾、ベトナム、マレーシア、タイ、フィリピン、米国などがいずれも「非指定国・地域」となっている。
本日10時より受入責任者によるオンライン申請を受付
3月1日から再開される留学生等外国人の新規入国を前に、政府は本日(2月25日)午前10時より、学校等受入れ機関によるオンライン申請の受付を開始した。
【申請先サイト▶ https://entry.hco.mhlw.go.jp/】
日本への入国申請は、まず学校等の受入責任者が厚生労働省の入国者健康確認システム(ERFSシステム)にてログインIDを申請・取得の上、新規入国者に関する情報(待機場所等)の入力と誓約事項への同意等をオンライン上で行う。昨年 11 月の入国緩和時期にERFSでID を取得済みの場合は今回のシステム上でも使用できるので、改めて取得し直す必要はないとのことだ。
ERFSで必要事項の入力を完了すると「受付済証(PDF)」が発行される。受入責任者は「受付済証」をダウンロードして入国者に送り、入国者は「受付済証」と取得済みの在留資格認定証明書(CEO)、その他申請書類を持参し、各在外公館で査証(ビザ)申請を行う流れになる。なお手持ちのCOEの有効期間によっては、受入責任者が作成した「申立書」も別途必要となる。
入国時には、空港検疫にて検査証明書、待機・誓約書、質問票、ワクチン接種証明書等を提出(提示)し、指定の入国者健康居所確認アプリ(My SOS)をスマホにインストールする。同アプリ内の健康状態や位置情報がERFSと連動して、入国後も厚生労働省による一元管理が行われる仕組みで、受入責任者は待機施設での状態確認や医療機関への連絡を担う。
入国後の自宅等待機については、感染が落ち着いている「非指定国・地域」から3回のワクチン接種を受けた上で入国の場合は免除される。さらに「非指定国・地域」からの3回目未接種者や「指定国・地域」からの3回目接種者は、原則7日間待機だが3日目以降の検査陰性で待機期間の短縮が可能となる。
これら特例措置の適用対象となるワクチンの種類も指定された。海外における3回接種の内、1回目と2回目の接種はファイザー、モデルナ、アストラゼネカ、ヤンセン(ジョンソン・エンド・ジョンソン)のいずれか、3回目以降はファイザー又はモデルナの接種が基本的な要件とされている。この内、ヤンセンは1回の接種で2回分とみなす。また上記以外で認められるワクチンも、復星医薬(フォースン・ファーマ)やビオンテック製造のコミナティ等、数種類ある。
入国後に待機のため、空港から自宅等待機施設まで移動する際は、電車やバス等公共交通機関の使用が認められる。ただし入国時の検査(検体採取時)から24時間以内に移動が完了し、かつ自宅等までの最短経路での移動に限られているので、注意が必要だ。
文部科学省は外国人留学生の入国について、「外国人留学生入国サポートセンター」を設置し、関係者からの相談や不明な点の照会を受け付けている。【TEL03-5253-4111(内線5084)】
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「留学生の選択権が奪われるのは許されない」と発言
木原誠二官房副長官は23日夜、BS-TBSの「報道1930」に出演し、水際対策について問われた際に、政府が当面の緩和策として決めた入国者総数上限(一日5千人)について、「2年間積み上がっている留学生(の未入国者)」を解消していく上で、「5千人で足りるのかと言われれば足りない」ことを認め、足元の感染状況を見極めながら段階的に引き上げていくことは必然だと述べた。また現在約15万人が入国待機中の留学生について、日本国内で毎年約3万人近くが就職するなど、国として「非常に重要な人材」で、その受け入れは「日本の大学が国際的な能力を発揮する上でも重要」との認識を示し、検査能力を増強しながらきちんと入国してもらえるよう対応する方針を示した。
一方で大学関係者らの間では、政府が留学生の入国に向けた明確な入国のタイムスケジュールを出すべきとの声が挙がっているが、これについて木原副長官は「留学生は日本を選んで来て頂ける方々。学生達も未来が掛かっており、いつまでも待たされて選択権を奪われるということは許されない」と述べて、入国の見通しが立つよう検討していく考えを明らかにした。
★日本語教育議連が留学生の入国に関する要望
超党派の日本語教育推進議員連盟は22日、松野博一官房長官に対して、日本語教育機関の外国人留学生の入国に関する要望を行った。
出席した議連役員らによると、多くの待機留学生や4月以降の新学期に入国予定の留学生が迅速かつ円滑に入国できるように、コロナ対策を進めながら留学生の受入れを最優先で進めることや、事務手続きの簡素化、日本語教育機関への支援などを要請した。これに対して松野長官は「要望を受け止め検討していく」と応じたという。
日本語教育議連は設立当時から会長を務めていた河村建夫元官房長官が先の衆院選を前に引退し、柴山昌彦元文部科学大臣を後任とする新体制に移行。本格的な活動を再開している。
★検査後24時間以内は公共交通機関の利用を容認
岸田文雄首相が水際対策の段階的緩和を表明した今月17日に、内閣官房と関係3省庁が開いた「オミクロン株への対応に関するタスクフォース」で決まった、水際措置の見直し内容が正式に明らかになった。外国人の観光目的以外の新規入国を認めることや、入国者総数の引き上げ等に加え、入国者の待機期間に関してはワクチン3回目接種者への自宅待機・免除措置、及び「自宅等待機のための自宅等までの移動(検査後 24 時間)につき、公共交通機関の使用を可能とする」方針も明記されている。これにより、3月1日以降に留学生らが日本に入国する際には、所定の要件をクリアすれば、到着空港から待機場所までの電車やバス等による移動が検査後24時間以内に限り認められる。
★留学生の入国に関する問い合せ先を公表
文部科学省は22日、ホームページ上に「日本への入国申請(受入機関の皆様へ)」を掲載した。3月1日以降の水際緩和に伴う入国申請の具体的な手続き内容に関しては、24日午前10時時点で未公表のままだが、外国人留学生の入国についての問い合わせ窓口は下記の通り記載されている。
【政府全体共通窓口】
・受付番号:050-1741-8558、050-1751-2158
・受付時間:9時から21時まで(土日含む)。
【文部科学省】
・受付番号:03-5253-4111(内線5062)
※外国人留学生の入国については、内線5084(外国人留学生入国サポートセンター)
・受付時間:平日9時30分から18時15分まで(土日、祝日除く)。
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3月1日より留学生ら外国人の新規入国が再開されるのを前に、政府は今週中にもオンラインによる入国手続きの申請受付を開始する。21日に文部科学省関係者との会議を行った自民党関係筋が明らかにした。また他の与党関係者によれば、今回の手続きでは昨秋の一時受入れ再開時にも稼働済みのERFS(健康管理システム)を改良した新たなシステムが活用される。同システムでは学校等受入れ機関がまずIDを取得して入国する留学生等の基本情報、滞在予定場所、誓約事項等を入力の上、「受付済証」をオンライン取得して留学予定者に送付する。留学予定者は「受付済証」と有効な在留資格認定証明書(COE)、旅券、及び申請に必要な書類一式を添えて在外公館で査証(ビザ)を申請する、という流れになる予定だ。「受付済証」取得に際しては、昨秋のような事前審査や滞在中の活動計画を申告する必要がなくなり、手続き自体は大幅に簡素化される。
自民党関係筋は、すでにCOEを取得済みの留学生に関しては、在外公館でできるだけ速やかにビザを発給するよう要請したとしているが、現時点では発給に要する目安の日数等は不明だ。具体的な手続き等については週内にも正式発表される見通し。
(注):上記は2月21日夜時点の情報で、今後実際の手続き方法や必要書類は変更になる可能性があります。
★文科相が留学生の入国についてのメッセージ
末松信介文部科学大臣は21日、政府が3月から一日あたりの入国者数上限を引き上げる新たな水際措置の方針を打ち出したことを受けて、外国人留学生の入国についての大臣メッセージを発信した。この中で末松大臣は今回の措置が、留学生の入国を実現する上での第一歩となるとの認識を示す一方で、全ての留学生が入国するには今しばらく時間がかかるが、「新型コロナウイルスの感染状況を落ち着かせ、段階的に国際的な人の往来を再開していくための重要なプロセス」であるとして、関係者に理解と協力を求めた。
そして文部科学省として、入国待機中や新学期を日本で迎えることを希望している留学生らが「可能な限り速やかにかつ継続的に入国」でき、またより多くの留学生に門戸が開かれるよう、大学などと協力して感染対策を講じ、安心して迎え入れる環境の整備に全力で取り組んでいくと結んでいる。
★入国者数上限5千人で 待機者の入国に5か月以上
~日本語教育機関6団体が試算~
在留資格認定を受けながら来日できていない外国人がのべ37万人に上る中、実際の入国に要する期間がどれぐらいかかるのかを、日本語教育機関6団体がこのほど試算した。それによれば1日あたりの入国者総数の上限が5千人の場合、新規入国が可能な外国人数は2278人で、仮にこれが全員、すでに在留資格認定証明書(COE)を交付済みで来日できていない外国人だとしても、全員が入国するのに5か月以上(162日)かかるという。仮に入国者上限が1万人に引き上げられた場合には新規入国外国人は7278人となり、同期間は51日に短縮されるとしている。ただ1万人のケースの試算値は、引き上げられた5千人が全て新規入国外国人に割り振られたケースを想定しており、実際は日本人のビジネス往来も増加が見込まれるため、「かなり楽観的な予測なのでは(本国で遠隔授業を受講中の留学生)」との指摘も出ている。
岸田文雄首相は17日の会見で、外国人に対する水際措置を3月から段階的に緩和する方針を示し、当面1日あたり入国者総数を5千人にすることを明らかにしたが、5千人の中には日本人帰国者や外国人再入国者も含まれることから、与党内や経済団体の間では更なる引き上げを求める声が相次いでいる。
★待機・移動費用への政府支援求める~日本語教育機関6団体
日本語教育機関6団体は、16日付けで木原誠二官房副長官に提出した入国制限緩和に関する要望書の中で、待機留学生に対する入国上の特段の配慮、手続き簡素化といった基本事項のほかに、入国後の待機費用や移動費用等に関する支援も盛り込んだ。具体的には留学予定者らが「長期に亘る先の見えない待機により、経済的にも精神的にも追い込まれています」とした上で、入国が可能となった場合でも、ホテル等での待機費用や公共交通機関を使わずの移動費負担は留学生に更なる負担を強いており、「日本留学の意志を維持することの大きな妨げ」となっていると指摘。入国後に「困窮学生の緊急給付金」の対象とするなど、待機費用に関する政府の支援を求めている。
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