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2022-02-28 10:58:00

   明日(31日)から始まる政府の新たな水際緩和措置の下、留学生ら外国人の新規入国が再開される。海外から入国可能な日本国内の空港は現時点で、検疫体制が整っている成田、羽田、中部、関西、福岡の5箇所となる見込みであることが分かった。25日に開催された教育機関担当者向け「外国人留学生(留学)に係るオンライン説明会」にて省庁関係者が明らかにした。

 

ビザ発給の所要日数は「原則5業務日」

今回の入国申請においては、学校等「受入責任者」が入国者健康管理システム(ERFS)を使い新規入国者に関する情報等を事前入力の上取得した「受付済証」を、入国者が直接現地の在外公館等に持参し査証(ビザ)を申請するため、省庁側による事前審査は無くなり、手続きのスピードアップが期待されている。カギとなるのは査証の申請から発給までに必要な所要時間だが、外務省では申請内容に特に問題がない場合「申請受理の翌日から起算して原則5業務日」が目安になるとしている。文部科学省関係者は25日のオンライン説明会で、外務省に対しすでに手続きの迅速化を要望しており、外務省からは「申請書類に不備がなければ即日でも交付は可能」との返答があったことを明らかにした。但し申請内容により、外務本省(東京)での慎重な審査が必要な場合には、5業務日以上の時間を要することもあるとのことだ。

 

★与党が留学生の入国迅速化や円滑な受入れへの対応を要望

自民党と公明党は25日、各党でそれぞれ文部科学部会を開催し、留学生の入国の迅速化や円滑な受入れ促進に向けた課題を議論した。出席した部会メンバーによれば、自民党は文科省から待機留学生や新規留学生の受け入れに関するシミュレーションの説明を受けたが、「充分ではなかったために、文科部会で改めて受け入れ計画を立案することになった(出席議員)」という。また公明党は25日に厚生労働省から公表された入国に係わる諸手続のQ&Aについて、英語など外国語版も作成することを求めるとともに、4月入学延期を通知した大学の掌握と柔軟な受入に向けた国からの働きかけや、検疫・宿泊体制強化及び負担経費支援などを関係省庁に対し申し入れた。

 

★オリンピック記念センターを留学生らの待機施設に提供

留学生らの入国後の待機施設として、国は国立オリンピック記念青少年総合センター宿泊棟(B)55室を提供する。個室での利用が可能で、浴室・トイレ・冷蔵庫・空気清浄器・Wi-Fi環境が整い13540円。食事代は別途必要だが、センター内の食堂(弁当)やコンビニエンスストア、宅配業者の利用が可能だという。常駐スタッフは不在のため、利用には引率する学校責任者の管理が条件となり、申し込みは留学生本人ではなく、所属学校が取りまとめて行う。

予約先はTEL03-6407-7734。最寄り駅は小田急線・参宮橋駅(徒歩約8分)で、羽田・成田の両空港から公共交通機関を使ってアクセス可能だ。

 

★ワクチン3回「未接種者」は待機要件に要注意

今回の水際措置では、新型コロナワクチンの「3回接種」を行っているか否かで、入国後待機の要否や場所が変わってくるので注意を要する。入国後の自宅等待機が免除されるのは、オミクロン株の「非指定国・地域」からの入国者で「3回接種」者のみだが、注意を要するのはワクチンの3回目接種を行っていない「未接種者」のケースだ。「未接種者」がオミクロン株の「指定国・地域」から入国すると、入国後まずは検疫所が用意する指定施設で3日間待機を求められるが、「非指定国・地域」だと自宅等待機施設での7日間待機となる。例えば入国を申請する時点では本人の出発地が「指定国・地域」であっても、実際の入国までに「非指定国・地域」へと変更になると待機場所も検疫所指定施設から自宅等待機施設へと変わるので、入国予定の留学生や受入れ教育機関は直前に情報をチェックすることが求められる。

政府はこれまで随時、このオミクロン株「指定国・地域」を変更しており、31日からは37か国・地域となる。アジアではインド、インドネシア、ウズベキスタン、韓国、スリランカ、ネパール、パキスタン、バングラデシュ、ミャンマー、モンゴル等の国々で、欧米だと英国、イタリア、ドイツ、フランス、ロシア、カナダ等も含まれる。

一方、留学生の来日(在籍者)数が比較的多い国・地域では、中国(大陸)、台湾、ベトナム、マレーシア、タイ、フィリピン、米国などがいずれも「非指定国・地域」となっている。