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新型コロナウイルス感染症の蔓延が、2年続きで日本留学試験(EJU)の海外実施に甚大な影響を及ぼしつつある。変異株B.1.617がアジア地域で急速に拡大している状況を受けて、今月20日に予定されていた日本留学試験(EJU)の国外会場の内、新たに台湾(台北)、マレーシア(クアラルンプール)、シンガポールの3会場が中止されることが決まった。実施元である日本学生支援機構(JASSO)が8日、発表した。早い段階で実施しない方針が決まっていたフィリピン(マニラ)を含めると、中止は計4会場となった。
この内、マレーシアでは先月の1か月だけで、これまでの累計感染者の4割を占めるなど、ここに来て感染が急拡大しており、今月1日より全面的なロックダウンに踏み切っていた。現在各地で厳しい移動制限が課されており、現地随一の著名校で日本語学習者も多いマラヤ大学でも、寮に居住中の学生が外出できなくなるなど影響が広がっている。
EJUの現地実施協力機関であるマレーシア元留日学生協会では、ギリギリの段階まで駐マレーシア日本国大使館など関係機関と協議を重ね、試験実施の可能性を模索した。昨年11月の試験時には同大使館がマレーシア政府と交渉し、受験時の移動を特別に許可されたが、今回はロックダウンの余波で試験会場が封鎖されるに至り、代替場所の確保見通しも立たないことから、最終的にやむなく中止を決断した模様だ。
マレーシアでは、来月に計画されていた日本語能力試験(JLPT)の実施も早い段階で中止が決まっており、日本留学に欠かせない日本語「二大メジャー資格」の第1回試験が、2年連続でいずれも行われない異常事態となった。日本留学を計画している現地の留学予定者にも一定の影響は避けられない。
一方、台湾は先月初めまでは累計感染者が100人足らずだったが、ここにきて急拡大し、1か月足らずのうちに1万人を突破。シンガポールを含めこれまで「コロナ対策の優等国」とされてきただけに、関係者にとってはまさに想定外ともいえる事態の急変となった。
各国・地域における今後の感染状況次第では、中止となる国外の会場はさらに増える可能性がある。なお日本国内の会場は現時点で予定通り、EJUが実施される見通しだ。
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