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2021-07-05 12:14:00

 

~文科省「大学等における授業の実施方針に関する調査」結果より~

今年度の前期授業において、遠隔授業を併用するなど対象学生によって授業形態に差を設けた大学等の内一定数が、留学生への対応を念頭に置いていたことが文部科学省の調査で分かった。特に入国できないままの留学生を相当数抱える大学や、英語で受講する学位プログラムなど留学生の在籍者が多いコース・授業において、遠隔授業の必要性が高まったためとみられる。

文科省では昨年度末の時点で、全国の国公私立大学を対象に、令和3年度前期の授業実施方針について調査を行っており、最近その結果を公表した。それによれば全体の97%(1064校中1036校)が前期授業の半分以上を対面授業で実施するとし、さらにその内6割が、学部や学年によって授業形態に差があると回答している。

こうした差を設ける理由としては主に、授業クラスの人数(大人数か小人数か)、専攻分野(文科系か理工系か)、履修科目(講義系か実技・実習系か)等の違いに対する配慮のほか、新1年生に対して優先的に対面授業を増やす必要性を挙げたところも目立った。

また同調査では、留学生への配慮を理由に遠隔授業等の対応をとった大学も一定数に上っていたことが裏付けられた。特に留学生の在籍数が多い大学や在籍率の高い学部で、こうした傾向が顕著となっている。

上智大学では、留学生や海外出身者の割合が高い英語コースの学科・専攻において、現在の入国制限下での対面授業によるスタートは困難と判断し、前期授業をオンライン形式で開始した。今後入国状況の改善に伴い対面中心へと移行する予定だという。早稲田大学も留学生の多い英語学位プログラム等は、入国制限の関係から遠隔授業が中心にならざるを得ないとしている。山梨学院大学は経営学部と国際リベラルアーツ学部で、日本への入国ができていない留学生が多く在籍しているため遠隔授業の実施比率を高めており、同様に鈴鹿大学は国際地域学部で遠隔授業が多い状況にある。

また立命館大学や秀明大学も、留学生が多く在籍している学部で遠隔授業やオンライン授業を提供する比率が高いとしている。学生数の半数を留学生が占める立命館アジア太平洋大学は、依然として入国できていない学生もいるため、「全ての授業クラスを遠隔授業で実施することは大前提」だとしており、大阪経済法科大学は来日できない留学生は事前確認の上で、遠隔授業のみの履修を可能とする対応をとっているという。一方で武蔵野美術大学のように「未入国留学生のオンライン対応を実施する予定」としたところもあった。

文科省は5月末より国費留学生の一部受入れを再開するなど、段階的に留学生交流の正常化を模索しているが、政府による入国制限解除の見通しは依然として不透明なままだ。後期授業の開始時期が近付く中、各大学が海外にいる留学生(及び留学予定者)への対応も含め、遠隔授業を相当割合で続けざるを得なくなる状況も想定される。

 

11月の日本留学試験 出願開始

1114日に行われる今年度第2回目の日本留学試験(EJU)の出願受付が、本日(5日)より始まった。国内受験者はオンラインで申し込む必要があり、73017時が締め切りとなる。

申込者はまず「EJUオンライン」にログインするためにマイページIDの取得が必要となる。

 

EJUオンライン | ログイン/Login (jasso.go.jp)

https://eju-online.jasso.go.jp/src/CMNMNUAL010.php#MyPageID

 

※フィリピン・マニラは11月試験も中止

EJUの実施機関である日本学生支援機構(JASSO)は、フィリピン・マニラでの11月試験を中止することを決めた。新型コロナウイルス感染症拡大の影響によるもので、フィリピンでは今年6月と昨年の2回を含めると、2年続けて試験が実施されないことになる。

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