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2021-07-26 15:27:00

  大学等教育機関が学則で定める夏季休暇のシーズンに入り、この間に本国への一時帰国を希望する在籍留学生が出始めている。新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う日本政府の水際対策により、海外渡航には様々な制約が課せられる状況が続いているものの、現状ではインド、ネパール、バングラデシュ等、所定の7か国・地域を除いて、在留期間中の出国と日本への再入国自体は可能だ。では留学生から帰国希望を伝えられた場合に、各教育機関では目下どのような対応をとっているのか。

 

『留学生新聞』が各大学等の関係者からヒアリングした内容を総合すると、ほぼ全ての教育機関が、一時帰国を希望する留学生に事前の届け出を求めている。帰国届や一時出国届、海外渡航届など届け出の様式は様々で、中にはまず指導教員に帰国の意思を伝えた上で、大学ホームページ上の所定のフォームより帰国の詳細を報告してもらっているところもあった。

留学生の帰国理由は単なる休暇以外に、家族や友人の結婚式、親族の見舞い、各種行政手続きなど様々であり、どうしても帰国が必要な事情も少なからず含まれるという。(非常に稀なケースとして「休暇中の一時期国は原則禁止」等と銘打っている教育機関もあるようだが、現状では前述のように一部地域を除けば在留資格所持者の一時出国・再入国は原則として認められており、こうした規定に実質的な意味はない。)

とはいえ、現下の情勢下においてはいったん帰国すれば、様々なリスクが避けられないことから、各校では総じて慎重な検討を留学生に呼びかけており、具体的に起こり得るリスクに関して事前の説明を行った上で、最終的な帰国の可否は本人に自己判断させているところが多いようだ。

あらかじめ本人に伝える内容としては、①今後の感染状況次第では、日本への再入国禁止国・地域が拡大される可能性も排除できず、予定通り日本へ戻れない可能性がある、②後期授業を対面で行う場合には再入国が遅れると受講や単位修得ができず、特に最終年次の学生の場合は卒業できない恐れが出てくる、③帰国中に在留期限を迎える場合、在留資格の再申請が必要で、改めて新規入国扱いとなるため現状では容易に入国できなくなる、④再入国にあたって現地でのPCR検査証明取得、日本到着時の空港からの交通手段確保など相応のコストがかかる、などが挙げられる。

加えて留学生の本国側でも、到着時に一定期間の隔離が求められるほか、国によっては入国に際しワクチンパスポートが必要だったり、ワクチン接種証明が無ければ入国後に移動制限がかかっている地域もあるので、事前に現地情報のチェックが欠かせない。また帰国前に盲点となりがちな要注意事項としては、留学生が居住中のアパート等の家賃や光熱費の支払が滞るリスクも指摘される。ある大学では、帰国後に状況の急変で再入国できなくなる事態も見越して、該当する留学生に対し事前にこれらの支払手配を済ませるよう指導しているという。

一方、留学生の一時帰国前に学校側が必ず把握しておくべき内容としては、本人の在留期限、帰国時の航空便と日本に戻る予定日、帰国後の連絡手段等が挙げられよう。この内、連絡手段はできれば自宅の電話やメールアドレスだけではなく、随時やり取りが可能なSNSのメッセンジャーや、日本国内にいる友人など緊急連絡先を、本人の了解のもとに登録しておくことが望ましい。特に中国出身者は現地でLineGoogle、フェイスブック、ツイッターはいずれも原則として使用できないので、WeChat(微信)等の事前設定が欠かせない。

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