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9月12日まで「宣言」延長・対象区域拡大
政府は東京都などに発出中の緊急事態宣言を9月12日まで延長すると共に、20日から対象区域を京都、茨城、群馬等7府県にも拡大し計13都府県とする方針を決め、菅義偉首相が先の会見で表明した。これに伴う海外からの水際対策については、現時点で大きな変更はない。
一方で新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針が再改訂され、学校の取扱いに関する記載事項では、大学、専門学校、高校等に対し、最大約80万回程度分の抗原簡易キットの配布を7月末に開始していることを踏まえ、改めて適切な活用を求めている。
これに先立って先般文科省が定めた「高校等における抗原簡易キットの活用の手引き」では、部活動の大会・合宿等に参加する学生や、学生寮で共同生活中の学生が体調不良を訴えた場合、あるいは新型コロナの初期症状として見られる咳、発熱等の軽症がある場合には、各大学等の状況に応じて積極的に検査キットを活用することを呼び掛けている。
ただ同キットは無症状者への確定診断や濃厚接触者に対する検査に用いることは推奨されないとして、学校医や医療機関との連携方法など事前事後の対応をあらかじめ取り決めておくよう各教育機関に求めた。
★正確なワクチン情報の発信 各大学の取組例は?
――動画・映像を活用/専門的知見をもつ教員が解説―――
新型コロナウイルスワクチンに関する正確な情報を学生向けに発信しようと、各大学が様々な創意工夫を凝らしている。学生の中にはSNS等を通じて拡散される誤った情報や根拠のない噂に惑わされ、接種を敬遠・躊躇する人も少なくないからだ。文部科学省ではこのほど大学拠点接種を実施している大学の中から、他大学にも参考となり得る個別の取組例を収集した。
これらの内、慶應義塾大学や長崎国際大学はワクチン接種に関する情報の発信に動画や映像を活用することで、学生の視聴機会を増やす試みを行っている。慶大では大学拠点接種の予約開始に合わせて、ワクチン関連の情報をまとめた解説映像を制作した。映像には附属病院の医師による解説を取り入れ、mRNAワクチンの有効性、副反応、接種後の発熱等への対処法を具体的に紹介。この他に学生たちが連携して作成した情報サイト「大学生向けワクチン情報サイト」も別途公開されている。
一方、長崎国際大学は、医師でもある学長がワクチンの有効性や副反応について解説する動画を作成し、授業前に学生が視聴できるよう準備した。動画では、実際に感染した場合起こり得る後遺症にも言及し、「ワクチン接種によるベネフィットがリスクを上回る」ことを説明しており、こうした効果もあって学生の接種率は83%に達している。
長崎国際大と同様、専門的な知見に基づく正確な知識を伝える取り組みに力を入れているのが城西国際大学(千葉県)で、感染制御学を専門とする教員が学生向けにオンライン説明会を実施し、ワクチンに関する科学的データ等を示すことで、SNS等の情報に対する冷静な対応を呼び掛けているという。
ワクチンに関する情報発信では、動画や説明会のほかに、接種を考える学生が必ず目にする予約ページや大学生協に掲示するポスターなどのツールを駆使する北海道大学のような例もある。文科省によれば、来週23日以降に大学拠点接種を開始する大学は昨日(19日)12時時点で少なくとも43大学に上っており、学生に接種のメリットを伝えるための模索は当面続きそうだ。
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