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2021-10-15 14:48:00

 

自民党は目前に迫った衆院選で訴える政権公約を発表した。公約は8つの柱で構成され、この内、最優先課題に掲げる新型コロナウイルス感染症対策では「感染症から命と暮らしを守る」として水際対策にも言及し、「国内外の移動再開等に向けた交通機関等の感染防止対策や空港・港湾の水際対策」に万全を期すとして、海外との往来再開へ意欲をにじませつつ、同時に感染症有事を想定した「保健所・検査・水際対策等の対応力強化の枠組みを整備」することも盛り込んだ。一方で海外でも活用可能な電子的ワクチン接種証明書や無料PCR検査所設置などを通じて、実体経済を動かす方向性を打ち出している。

 

一方、立憲民主党が発表した「政権政策2021」は「新型コロナから命と暮らしを守り抜く」として、「検査体制と水際対策の抜本強化」を打ち出した。今年初めの政府による入国制限強化は同党の提案を遅れて採用するなど後手に回っているとして、「必要な時に誰でもすぐに受けられるPCR検査体制を確立」し、「すべての入国者を、少なくとも10日間以上、政府が用意したホテルなどで隔離」することを公約に盛り込んだ。これに先立って公表された「立憲民主党または枝野代表の提案」では、入国者の隔離期間中の宿泊・食事等の費用は、国が負担するとしている。

 

2,★「国際連携教育課程」の設置要件緩和へ 大学分科会で見直し検討

 

日本の大学が海外の大学との間で開設する国際連携教育課程制度(JD:ジョイント・ディグリープログラム)について、より多くの大学が参画できるようにするための見直しが検討課題に上っている。文部科学省が今年9月時点でまとめたところでは、JDの開設は全国で12大学26プログラムに上るが、この内、私立大学はわずか1大学1プログラムに止まっている。学生にとってはJDを通じて国内と海外の教育課程を体験し、双方の大学が連名で出す学位を得られるメリットがある。文科省はJDが大学全体のグローバル化や国際的なプレゼンスの向上にも繋がるとみているが、一方で設置認可要件や定員制限等、大学側の参入を阻む障壁も多い。このほど開催された同省の中央教育審議会大学分科会では、要件緩和など今後の方向性に関する見直し案が議題の一つとなった。

 

現在、JDの設置に際しては、学位の種類や分野変更を伴わない場合でも、大学設置・学校法人審議会による設置認可審査を受ける必要があり、収容定員はJDの母体となる学部・研究科の2割以内に制限されている。卒業に必要な単位数にも別規定があり、学部の場合には日本の大学で修得単位数の半分以上、外国大学で4分の1以上の取得がそれぞれ課せられる。また外国の大学等は複数の参加が可能だが、国内の複数大学が参加した上での実施は認められていない。

 

これらの枠組みは、設置認可で教育の質を担保する必要性や、仮にJDの実施が困難となった場合に学生への教育提供が滞らないようにする意味あいがあるが、1プログラムの開設であっても設置認可手続きが求められるため、外国の大学にとっても負担が大きく、開設交渉の足かせとなっていた。

 

大学分科会では今週の会議で、一連の制限措置に関する現状と課題を踏まえ、見直しの方向性を議論。具体的には、①学位の種類や分野の変更を伴わない等の要件を満たす場合には届出によるJD設置を可能とする、②連携する外国大学の教育の質については外国の政府機関等による評価を求める、③JDの定員要件を撤廃し、代替措置として通常の学科等と同様の教員数や施設設備、学生の学修継続に必要な措置を義務づける、などが検討課題に上ったという。

 

同時に、欧州など諸外国のJDにおいては、国内外の多くの大学が参画するケースも見られることから、日本国内の複数大学が参画した上での実施も容認。修得単位数は、国内大学間の共同教育課程と同程度とすることも視野に入れている。

 

文科省ではこれらの要件緩和等により、国内大学が実質的に連携可能な大学が増え、JDの拡大普及につながるとみている。先に教育再生実行会議は第12次提言「ポストコロナ期における新たな学びの在り方について」でJDについて言及し、「更なる拡大に向けて、開設に係る設置手続きの見直し、複数大学の参加を促進するための各参加大学における最低修得単位数の縮減、より優秀な留学生の獲得に資する方策など、質を担保した上での推進方策」を検討するよう求めていた。

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