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日本語教育機関の関係6 団体が最近加盟校向けに行った緊急アンケートの結果によると、日本政府の入国制限緩和を受けて、来年1月までの期間内に入国申請が可能な留学予定者は、許可対象となる在留資格認定証明書(COE)交付者数の46.1%と半数を下回っていることがわかった。
日本政府は当面、今年11月から来年1月までの期間に、留学目的の新規入国を申請できる対象者を今年3月31日までのCOE交付者に限定しており、3段階に分け順次認めていく方針を打ち出している。だが今アンケートで日本語教育機関316校の回答をまとめた集計によると、対象時期に該当するCOE 交付者 3万9007件のうち、今後実際に入国承認申請を行う予定となっている案件は1万7986件に止まった。とりわけ11月中と12月中に申請予定の対象者が当初のCOE 交付者に占める割合はそれぞれ22.4%、36.8%と低水準にある。残りの対象者については、昨秋以降の入国制限緩和時に入国済みか、あるいは既に入学辞退をしているとみられる。
※日本語教育機関6団体は入管庁と文科省に再度要望書を提出
こうしたアンケート結果を踏まえ、日本語教育機関関係6団体は26日、今年4月以降に交付されたCOEを所持する留学予定者についても、前倒しで入国承認申請ができるよう配慮を求める要望書を、出入国在留管理庁と文部科学省に対して提出した。
要望書では同時に、入国後の新型コロナウイルス検査が可能な国内の空港が現在6空港に限られている関係で、地方の日本語教育機関に入学を予定している学生が、入国後に各地域へ公共交通機関を利用せずに移動することが大きな負担となっている現状にも触れ、検査体制を那覇や仙台などその他地方の国際空港にも拡充するよう求めている。
★新規入国者の電子申請システムERFSが始動
厚生労働省は留学生等、新規で入国を予定している外国人に関して、受入れ責任者が「業所管省庁」に申請を行う際の電子申請窓口を設けた。「入国者健康確認システム(ERFS)」と呼ばれる新たなシステムでは、「審査済証」の発行等が行われるほか、受入れ責任者が申請後に入国予定日など入力情報の修正を行なうことも可能になるという。
厚労省によればERFSの利用には事前に所定のサイト(https://entry.hco.mhlw.go.jp/)よりログインIDを申請する必要があり、審査には数日間かかる見通しだ。EメールでID、パスワード、証明書が届いた後、証明書ファイルをPCにインストールするとログインが可能となり、情報登録後に「業所管省庁」に申請を行う流れとなる。入国後の待機機関終了報告も同システムを活用でき、もし入国後に本人が健康確認を怠るなど違反がある場合には、入国者健康確認センターからEメールで通知が届くという。
また文部科学省によれば、留学生の新規入国申請でERFSを利用する場合は、活動計画書、入国者のパスポートの写し、在留資格認定証明書(写)を電子システム上で提出し、その他の内容は、システムから入力する形となる。待機期間短縮のためのワクチン接種証明書(写)については、同省に事前提出する必要はない。文科省では12月1日までは従来の方法による申請も受理するが、今後は可能な限りERFSを利用した登録・申請を行うよう教育機関等に呼びかけている。
★南アフリカ変異株 香港で感染2例を確認
日本政府は対象9か国への水際対策強化
南アフリカ共和国等で確認された新型コロナウイルス感染症の新たな変異株(オミクロン株)について、日本政府は「水際対策上特に対応すべき変異株」とし、南アフリカと周辺国のエスワティニ、ジンバブエ、ナミビア、ボツワナ、レソト、及びザンビア、マラウイ、モザンビークを合わせた9か国を、同変異株に対する指定国・地域に指定した。これらエリアからの入国者には検疫所指定の宿泊施設で10日間待機を求める。岸田文雄首相は同9か国からの入国に関して「ビジネス分野や中長期在留者に対する例外的な措置も一切適用しない」として、事実上入国を止める方針を示した。
一方、香港の有力紙「文匯報」によれば、すでにオミクロン株は、香港でも27日までに空港ホテルの停留者2名から感染例が見つかるなど、アジア地域にも波及していて、感染力の高さやワクチン接種効果の低減化が懸念される。今後の状況次第では、今月より制限付きで緩和されたばかりの日本の水際対策にも、大きな影響を与える恐れがある。
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