インフォメーション
~文科省が「日本留学の扉を開く会」の要望書に回答~
「コロナ禍の日本留学の扉を開く会」が留学生の受入れ再開などを求めた要望書に対して、文部科学省はこのほど正式な回答を寄せた。今回の政府による入国停止決定を緊急避難的な措置であるとした上で、留学生らの入国の可能性について引き続き検討を行うことや、受入れ再開後の円滑な入国手続きへの取組を進めていく方針を示している。関係筋からの情報によると、今回の要望内容は現在開会中の国会審議に議員案件として提出されており、今後、受入れ再開に向けた議論が進むことが期待される。
新型コロナ・オミクロン株の拡大に伴って留学生らの新規入国が12月末まで停止されたことを踏まえ、「扉を開く会」では今月6日付で、①早急な受け入れロードマップの提示、②留学生の入国の早期再開と、円滑な受け入れのための審査簡素化、③「段階的受け入れ」方針の撤廃、④留学生の恒常的受け入れ(外国人差別、私費/国費の区別撤廃)、を骨子とする要望書を文部科学大臣と文化庁国語課長宛てに提出していた。
これに対し文科省が各要望事項について回答した内容では、まず今後の方向性に関して、入国禁止決定はあくまでも「オミクロン株の詳細が明らかになるまでの緊急避難的な措置」であるとして、同株の分析状況や関係者の要望等を踏まえつつ、水際対策強化に伴う課題について引き続き関係省庁と検討を進めていく方針を表明。入国希望者の入国の可能性を追求していく意向をにじませた。
また入国に伴う申請手続きについては、「内閣官房及び水際制度の担当省庁」において政府共通で定められており、審査の簡素化なども共通する制度枠組みの中で行われる必要性を指摘しつつ、文科省としては再開後の円滑な入国手続きのために、関係省庁と連携して取り組んでいくとしている。
さらに在留資格認定証明書(COE)の発行時期に基づく「段階的な入国」方針に関しては、「今後の1日当たりの入国者総数の扱い」や「オミクロン株の分析状況等を含めた、新型コロナウイルスの流行状況等」を踏まえながら、関係省庁と共に検討を進めていくとしており、今後の方針見直しに含みを残しているとも言えそうだ。
一方、先にWHO(世界保健機関)の関係者が、入国の可否を自国民かどうかで判断する日本政府の水際対策に疑問を呈したことについて、文科省は「WHOからの指摘については承知している」としながらも、日本としては今回の決定が緊急避難的な措置であることについて、各国に理解を求めており、未知のリスクに対する対応であることに重ねて言及した。
回答では最後に、留学生の恒常的な受入れに関連して、私費・国費の区別撤廃を求めた要望については、すでに「特段の事情」による新規入国が、真に必要なものに対象を限定した上で厳格運用されていると説明。今夏以降、「公益性」の観点から例外的に認めてきた国費留学生の新規受入れも、11月30日以降停止されていることを明らかにした。
**************************************************************