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2021-12-21 14:28:00

~留学生は成績・出席率等の要件を撤廃 大学等が総合的判断で対象者を選抜~

令和3年度補正予算が国会で成立したことを受けて、文部科学省は新型コロナウイルス感染症の影響で経済的に困窮している学生を対象とする緊急給付金の事業を正式に開始した。全国の大学・高専・専門学校や日本語教育機関などで学ぶ約67万人に110万円の支給を想定しており、外国人留学生も受給対象となる。

同制度が前回実施された際には、留学生については基本的な申請要件に、成績や授業の出席率、仕送り金額等も含まれていたが、今回の要件にはこれらは入っていない。文科省関係筋は取材に対して、対象となる申請者の要件を一部変更し、改善を図ったが、各教育機関が対象者を総合的に判断する点は前回と変わらないと語った。

今回の対象者は、原則として自宅外で生活し家庭から多額の仕送りを受けていないことや、コロナ禍でアルバイト収入に影響を受けている学生がベースとなる。同時に現在何らかの奨学支援制度を活用していることも要件に挙げられていて、文科省によると留学生の場合は「外国人留学生学習奨励費」を始めとして、民間の財団や地方自治体が運営する既存の奨学金の利用者等が該当するという。同省では今回の支援には学生の学びの環境を整える意味合いがあり、一過性の措置に止まらず、奨学金を含めた継続的な支援に繋げていく狙いがあるとしている。

なお対象学生の選定に際して上記はいずれも絶対条件ではなく、個々の留学生が抱える経済状況を各教育機関がそれぞれ判断した上で、対象者を選抜して構わないとのことだ。申請期限は来年121日までで、各教育機関が日本学生支援機構(JASSO)に推薦者リストを送付する。

 

★岸田首相、水際強化措置の延長を表明

岸田文雄首相は18日の会見で、日本政府が現在実施している水際強化措置について、「少なくとも年末年始の状況は見極めた上でその先について考えるべき」と語り、当面年末までとしていた期限を、さらに年明け以降まで延長する方針を示した。具体的な時期は明言しなかった。

留学生など外国籍者の新規入国は、先月29日の首相判断により再停止しており、延長方針で少なくとも年頭までは再開が見通せない状況となった。影響は日本語教育機関等の来年4月期生はもとより、すでに在留資格認定証明書を取得済みで入国待ち中の留学予定者を中心に幅広く及ぶ。

現行措置の判断基準や指標は示さず

首相はこれに先立つ17日の会見では政府のオミクロン株対応について「G7で最も厳しい水際対策を即座に講じ、慎重な上にも慎重な対応に努めてきた」とした上で、一連の厳格な水際措置は「オミクロン株に関する情報が少しでも明らかになるまでの時間を稼ぎ、必要な準備をしていくための臨時異例の措置」と位置づけていた。一方で、「臨時異例の措置」を延長・終了させる上の判断基準やベースとする情報については示しておらず、国際的な往来再開に向けた先行きは不透明なままだ。

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