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~名古屋入管のスリランカ人死亡事案を受け 入管庁が取組状況を公表~
名古屋出入国在留管理局で収容中のスリランカ人女性が死亡した事案を受けて、出入国在留管理庁は調査報告書で示された改善策に沿う形で、組織や業務の見直しを進めているが、このほど現時点における取組状況を公表した。医療スタッフの増員、被収容者の健康状態に関する情報共有、診療における多言語対応など、従来の診療体制を相当程度見直す内容が盛り込まれている。今後、再発防止に向けた実効性をどう高めるかが大きな課題となりそうだ。
入管庁が公表した情報によれば、すでに実施済みの取組では、新規収容者の健康診断、救急対応マニュアルの作成、非常勤医師の1名から4名への増員といった医療体制強化に関わるものが多い。先の死亡事案では、被収容者の健康状態について省庁内で正確に情報が共有されていなかったことを踏まえ、幹部職員と現場職員及び医療従事者との間に、定例会など意思疎通のメカニズムも設けた。またコミュニケーションに制約を伴う外国人向け対応を念頭に、庁内や外部で診療を受ける際には原則として通訳を手配し、緊急時等で間に合わない場合は翻訳機器の活用も指示した。
一方、現在取組中の項目の中には、収容中の体調不良者に対して仮放免を柔軟に行う方針も盛り込まれた。スリランカ人の事案を受けて、調査報告書は仮放免判断に係わる新たな運用指針の策定などを求めており、入管庁では同指針策定までの暫定措置として、体調不良者の柔軟な仮放免について指示文書を出したという。仮放免に当たっては民間団体との連携も必要なことから、現在対象として適切な団体の情報収集も進めている。今後はさらに、体調不良者の収容継続の可否を、本庁側がチェックする仕組みづくりも課題となりそうだ。
★岸田首相、外国人の新規入国再開に慎重姿勢
~「当面の間」 入国停止の延長を正式表明~
岸田文雄首相は21日夕方の記者会見で、年末までの1か月間を目処としてきた外国人の新規入国停止に改めて言及し、「オミクロン株の感染力、重症化リスクなどに関する科学的な評価がいまだ確立していない。このため、年末・年始の状況を見極めつつ、当面の間、水際対策を延長することとした」と述べた。併せて関連情報の収集に全力を挙げることや、オミクロン株の濃厚接触者については自宅待機ではなく、14日間の宿泊施設待機を要請するなど、政府として感染封じ込め策を強化する方針も明らかにした。
首相の会見では、欧米メディアの記者から、この1年8か月間、日本への留学予定者らがほとんど入国できておらず、入国待ちの人たちの我慢も限界に達しつつあるとの指摘があり、長期間の隔離や毎日のPCR検査など厳格な対応を条件に入国を認めるのは物理的に不可能なのかという質問が出た。これに対して岸田首相は「いろんな対応が考えられる」と直接の言及は避け、「現状ではまだオミクロン株という未知のリスクの実態が科学的に確認できていないので、慎重の上にも慎重でなければならない」として、「G7の中で最も厳しい水際対策」を継続する方針を重ねて繰り返した。今後の受入れ再開見通しについても、オミクロン株の実態や世界の感染状況が確認されれば、「科学的な見地から専門i家の意見も聞きながら、具体的な対応を考える可能性がある」と消極的な発言に終始した。
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