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2021年に入ってから「留学」の在留資格で日本へ新規で入国した外国人が、10月までの累計で9930人とようやく1万人規模に達したことがわかった。新型コロナウイルス感染症拡大を受けて日本政府は1月下旬から留学生ら外国人に対して入国制限を実施。新たに成立した岸田文雄政権は11月に一旦入国を再開するも、オミクロン株を理由に再び受入れ停止に踏み切った。
今年入国できた留学生のうちほぼ半数(4957人)は1月の入国者で、その後の9か月間は「特段の事情」により認められた5千人弱にとどまる。コロナ禍前までは毎年約12万人が、また昨年はコロナ禍の中、約5万人の留学生が入国しており、今年の水準は2019年以前の1割にも満たない。
学生数の減少に見舞われている教育機関への影響は甚大で、中長期的にも日本語教育を担う人材や受入れインフラが打撃を被ることは不可避。岸田政権はオミクロン株の封じ込めを唱え、外国人の新規入国は一律で締め出す一方で、日本人を含めた再入国者に対する水際対策は実効性ある隔離措置を伴わず、オミクロン株の相次ぐ流入を招くなど事実上機能しておらず、見直しが避けられない状況だ。
なお10月単月の「留学」新規入国者は1522人で、2月以降では最も多かった。出身国(地域)別では、中国158人、マレーシア129人、ベトナム 122人、インドネシア111人、タイ81人、韓国79人などが多い。9月までと比較すると、10人以上の入国留学生のがいたエリアが世界各地に幅広く分布し、フィリピン(64人)、バングラデシュ(76人)、アフガニスタン(62人)のほか、ガーナやエジプト、ケニアなどのアフリカ諸国も見られる。
一方、10月中の再入国留学生は2179人で、引き続き中国(1430人)と韓国(339人)が多数を占めている。