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2022-01-25 16:34:00

~文科省、来年4月にも運用開始~

文部科学省は日本語のサポートが必要な生徒が年々増えていることを念頭に、高等学校で個々の能力に応じた個別の日本語指導が可能となるようなしくみを制度化する。現在は小中学校等に限定されている「特別な教育課程」の編成を高等学校にも認め、修得した単位は21単位を上限として卒業に必要な履修単位数(74単位以上)に含めることを認める。同省によれば外国籍者の子女など日本語指導が求められる生徒は、公立高校の在籍者だけで4千人を超えており、10年前の27倍に上っている(平成30年度調査)。これら生徒は中退率や卒業後の非正規雇用率が高く、大学等への進学にもハードルを抱えることが多いとされ、制度面での対応が必要と判断した。

すでに同制度を先行して実施している小中学校では、在籍しているクラスの授業とは別の場所で個別の日本語指導を受けることが可能。新たな制度では個々の指導計画の策定を条件に、高等学校にも同様のしくみを適用し、教育課程に組み入れられるようにする。一方で高等学校ならではの特色を尊重し、必修科目や全生徒に履修させる専門科目等への代替は認めない。同枠組みでは、指導者の確保が困難である場合には、他の高等学校で受けた日本語の授業も、「特別な教育課程」による授業とみななすことが可能で、指導者には教員のほか、補助的に「日本語教育等の知見のある者」も含まれている。

制度改正の方針は年明けに、文部科学大臣の諮問機関である中央教育審議会の教育課程部会において、「高等学校等における日本語指導の制度化(案)」として報告された。今後、パブリックコメントの募集と学校教育法施行規則の改正を経て、来年4月にも運用が開始される見通しだ。