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2022-02-02 12:07:00

 

自民党の河野太郎・広報本部長は29日、自身の公式サイトで、在留資格認定証明書を取得しながら日本に入国できない留学生が約147千人いる現状を改めて取り上げた上で、現時点での対応状況に言及した。河野本部長は留学生の新規入国について「公益性や緊急性の観点から個別の事情を勘案」して認めるとしている政府の説明は「全く充分ではありません」と指摘。「入国を待っている学生達が、先を見通してきちんと計画を立てられるよう、開国の方針を早急に明確にするように求めています。」と政府に対応を促していることを明らかにした。

 

★昨年の来日外国人15万人止まり 鎖国の影響深刻

出入国在留管理庁によれば、2021年の1年間で新たに来日した外国人の総数は151726人で、前年に比べ95%減となった。この内、在留資格「留学」は同76%減り11651人で、留学生が日本で就職する際の主要な在留資格「技術・人文知識・国際業務」は同87%減の2532人、「特定技能1号」は同70%減の1093人。全ての新規入国者を出身国・地域別にみると、多い順にベトナム(24623人)、中国(19374人)、米国(13631人)、英国(5949人)、韓国(5500人)、フィリピン(5405人)となっているが、これら主要国は対前年比で軒並み7-9割強の減少と総崩れの状況だ。

日本政府は昨年1月以降、厳格な水際措置をほぼ通年で継続しており、影響が数字に表れた形だ。経済界はこうした状況に危機感を強めており、主要3団体の首脳らが政府に対し鎖国状態の早期解消を求めている。

 

★鎖国政策に沈黙続ける知事会 水際対策維持を提言

一方で全国知事会の新型コロナウイルス緊急対策本部は28日、再度政府への提言をまとめたが、水際対策については「世界各国・地域でのオミクロン株の継続的な増加を踏まえ、水際対策を維持する」とする従来方針を引き続き堅持した。各地域では留学生に加え、技能実習生など外国人が新規入国できないことに起因する就労人材の不足など弊害が様々な形で伝えられるが、各知事の間からは、政府の鎖国政策に異を唱える声は皆無に等しい状況となっている。

 

★オミクロン株流行地域からの入国者 待機7日間に短縮

政府は29日から水際措置を一部簡素化し、オミクロン株が支配的になっている全ての国・地域からの帰国者と入国者について、自宅又は宿泊施設での待機期間を10 日間から7日間に変更した。国内における濃厚接触者の待機期間短縮に合わせた措置で、現時点では全ての国・地域が対象。

なおオミクロン株以外の変異株流行地域は、自宅等待機期間が14日間となる。

 

★国大協、複数国立大が留学生選抜で連携も視野に

国立大学協会(国大協)は、2024年度以降の国立大学の入学者選抜制度について基本方針を発表した。外国人留学生の受入れ拡大については、グローバル化の進展の中で「喫緊の課題」と位置づけ、一例として「複数の国立大学が連携して外国人留学生を選抜し、受入れ希望大学を調整するなどの外国人留学生受入れシステムの構築について検討」する考えに言及している。いわゆる「高大接続システム改革」において留学生選抜の在り方が議論されていない状況を踏まえ、国大協として検討の方向性を示した形だ。

 

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