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2022-02-08 13:04:00

~来年度予算案に調査費250万円計上~

 

宮城県は村井嘉浩知事が昨年の県知事選挙で公約に掲げていた「公的セクターが関与する日本語学校の開設」を視野に入れ、令和4年度予算案に調査費として250万円を計上した。同県関係者が『留学生新聞』の取材に対し明らかにした。県内では新卒者など若年労働者の確保と定着が当面の大きな課題となっており、その一環として海外から留学生の受入れ環境を整える。

長引くコロナ禍と政府の入国制限により、新設の日本語教育機関を民間のみで担うことには当面多くの困難があることを踏まえ、市町村が主体となって立ち上げを担うことが必要と判断。北海道東川町や九州で運営されている公立日本語学校の事例も参考に、学校運営の経験に長けた民間のノウハウを取り入れつつ、官民連携も含めたあり方を模索するとしている。

宮城県では来年度から開設に向けた調査に入るが、法務省による設置認可に相応の時間がかかることも見込まれることから、現時点では正式な開始時期は定めていないという。早ければ令和5年度の開校が想定されるものの、今後のコロナ感染状況等によっても状況は流動的となりそうだ。

 

国大協が「未来ある留学生の受入れ」に国民の理解求める

国立大学協会(国大協)は7日、「国民の皆様へ 未来ある留学生の受け入れについて(お願い)」と題する会長談話を発表した。談話では「留学生に関する問題」が日増しに大きくなってきているとして、2年前に入学し正規の学生となっているにもかかわらず、入国できず待機中の人や留学先を他国に変更してしまった人がいると指摘。留学生は日本や諸外国の将来を支え、また日本に愛着を持つ人を世界中に増やすソフトな外交の観点からも極めて重要な人材であり、日本人学生にも様々な好影響を与えると、受入れの意義を訴える内容となっている。

またこれまでに一定の入国緩和も打ち出されている国費留学生について、渡日前の指導から入国後の対応まで、国立大学が厳格な管理体制をとってきたことを踏まえ、同様の入国緩和策が多くの私費留学生にも適用されるよう求めた。

談話は最後に、コロナ禍における外国人の渡日について懸念する人々がいることは承知しているとした上で、「未来に向けた人材育成は絶えることなく続いていかなければなりません」として、日本国民に留学生受入れへの理解を訴えている。

 

鎖国見直しを求める声 自民党内からも

日本政府の「鎖国」政策については、解除や見直しを求める政財界有力者の声がさらに強まる様相を見せている。

与党・自民党内でも、政府に現行政策の見直しを要求する動きが表面化し始めた。細野豪志議員は7日、ツイッターで「鎖国は外資にも影響するが、将来を考えた時に最も影響が大きいのが留学生。私費留学生をこれ以上拒否し続けると、わが国を目指す若者が少なくなってしまう。国益の観点からも重大問題」と指摘。山本ともひろ議員は、内閣官房や文部科学省の担当者と「国費、私費を問わず留学生の入国に関して議論」したと述べた。また早くから留学生受入れについて発言してきた河野太郎・党広報本部長は先般、英ロイター通信のインタビューで、「一般旅行者に(入国を)待ってもらうことはやむを得ないが、留学生やビジネスマンなど長期の在留予定者は受入れるべき」との見解を重ねて表明している。

 

動かぬ首相に、苛立ち強める経済界

一方、鎖国政策の長期化を受けて、ドイツ・シーメンス社が日本国内の新規投資案件を保留すると報じられるなど、大きな衝撃が広がる経済界では、一向に政策転換に動く気配すらない岸田文雄首相に苛立ちを強めている。日本経済団体連合会(経団連)の十倉雅和会長は7日の会見で、海外のビジネスマン、留学生などが「日本嫌い」になってしまうと懸念を表明。日本と海外のコロナ感染がいずれもオミクロン株なのに「国を閉じている意味があるのか。何回も言うが、ビジネスは国内だけで成り立っているわけではない」と改めて政府に鎖国見直しを強く求めた。

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