インフォメーション

2022-02-11 15:02:00

 

出入国在留管理庁(入管庁)は日本語教育機関の認可要件や学則などについて定めた告示基準を一部改定する。すでに入管法省令の一部改定案について民間から意見を募っており、月内にも集約の上、近く変更を行う予定だ。

入管庁によれば、今改定の主要な論点は4点に上る。

1に、すでに認可校に義務化している在籍学生らの「健康診断の実施」が、学則で定める事項として追加された。

2に、設置基準には「校地及び校舎が設置者の所有に属する」原則の例外規定があるが、今回新たに例外の対象として「設置者が地方公共団体や教育事業を10年以上継続して運営し日本語教育機関を運営することに支障がないことが確実である場合」を追加。一方で「20年以上継続して留学生受入れ事業を行っている日本語教育機関である場合」を条文から削除する。

(注記;この免責条項には別に、校地・校舎の面積の半分以上が設置者の所有に属し、その他の部分についても留学生受入れ事業の開始以降20年以上にわたり使用できる保証のある賃借権又は地上権を有しており、なおかつ、同校地・校舎を使用して日本語教育機関を運営することに支障がないことが確実と認められるケースも明記されており、この部分には今回変更はない。)

3に、文化審議会国語分科会が先般、学習者の日本語能力の達成度を測る指標として「日本語教育の参照枠」を新たに取りまとめたことを受けて、告示基準にも明文化し、従来の「言語のためのヨーロッパ共有参照枠(CEFR)」が同参照枠へと改められる。これにより改定後は、教育機関における各年度の課程修了認定者のうち「大学等への進学者の数、(所定の」在留資格への変更を許可された者の数、及び日本語能力に関し『日本語教育の参照枠』のA2相当以上のレベルであることが試験その他の評価方法により証明された者の数の合計数の割合」が、「3年間連続して7割を下回るとき」が、日本語教育機関の「抹消の基準」となる見通しだ。

4に、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、日本語教育機関の経営状況が厳しいことを踏まえ、当面、専任教員の増員は困難であるとして、今改定では定員数あたりの専任教員数に係る経過措置を令和5930日まで延長することも打ち出している。

 

★「留学」のCOE申請書に経歴欄を追加、来月から

〜政府、「技術流出防止」の水際管理を強化へ〜

出入国在留管理庁(入管庁)は一部の研究者や留学生等に関する受入れ審査の強化を図るため、入管法施行規則等を一部改正する。政府が昨夏に閣議決定した「統合イノベーション戦略2020」において、技術流出防止の実効的な水際管理を行う方針が盛り込まれたのを受けた措置。

具体的には「教授」や「研究」等の在留資格で来日する外国人に関して、研究先や過去の経歴を把握できるようにすることを念頭に、在留資格認定証明書(COE)の交付申請書に、新たに研究室名欄や指導教員の氏名欄を設ける。同時に、在留資格「留学」に係るCOE交付申請書には、新たに経歴欄が追加される。

 入管庁では今月中旬までのヒアリングを経て、3月中旬には新ルールの施行を目指すとしている。

 

★特段の事情で入国許可の留学生数 明らかにせず〜文科相

末松信介文部科学大臣は8日の定例会見で、政府が公益性や緊急性の観点からこれまでに「特段の事情」で入国を認めた留学生の人数について問われ、「人数ありきということではなくて、あくまで個別の事情を勘案して、継続的に審査を行っているため、ある時点での人数を切り出してのお答えは差し控えておきたい」と明言を避けた。

また末松大臣は3月以降の水際措置については「未定」とした上で、文科省としては147千人に上る留学生が日本への入国を心待ちにしている状況を踏まえ、「大事な留学生への対応」だということを職員らが念頭に置きながら、引き続き関係省庁との調整に全力を尽くすと述べた。

 

★今日の自民党文科部会などで留学生の入国問題が議題に

自民党の山本朋広文部科学部会長は、916時から開催される党政務調査会と文科部会の合同会議で、急遽新たな議事として「外国人留学生の入国」問題を追加したことを明らかにした。山本部会長は7日に内閣官房や文部科学省の担当者と「国費、私費を問わず留学生の入国に関して討議」したとしており、これを踏まえた動きとみられる。同部会の議論は一定程度、政府の政策決定過程に影響を及ぼすとみられるが、与党内でも外交政策を束ねる佐藤正久外交部会長は「新規変異株の更なる流入は国内感染増の懸念もある。大幅な検査・隔離・検査・健康観察体制強化なくして緩和は無理」と述べるなど、制限緩和に向けた議論の帰趨は依然として不透明なままだ。

岸田文雄政権はオミクロン株の拡大を理由に、外国人の新規入国を原則禁止する「鎖国」政策の骨格を2月末まで維持するとしているが、経済界や学界、国際社会などからは「防疫上全く意味のない政策」とか「日本の中長期的な国益を毀損する」など、早期の見直しを求める声が日増しに高まっている。

***************************************************