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〜自民党部会、14日に「外国人留学生の入国に係る決議文」を提出~
自民党文部科学部会は9日の会合で留学生の入国問題について討議し、政府に対して入国再開に向けた決議を提出する方針を正式に決めた。山本朋広部会長が会合終了後に明らかにした。同部会長が前日にツイッター上で募ったパブリックコメントは一夜で500人を超え、こうした声を受けた部会でも、留学生の入国を認めるべきとの意見が大勢を占めたという。
自民党は週明け14日の午後に政調・文部科学部会を予定していて、「外国人留学生の入国に係る決議文(案)について」が議題となる。部会の決議は「党の政策決定過程に極めて大きな影響力をもつ(関係者)」。
※安倍元首相、山口公明党代表が相次ぎ水際対策の見直し求める
岸田文雄首相が「2月末まで骨格を維持する」としている水際対策に対しては、今週になって見直しを求める声が与党内有力者の間でも広がりを見せ始めた。
安倍晋三元首相は10日、自身の派閥総会で留学やビジネスを対象に実施されてきた入国制限に触れ、「今、大変厳しい水際措置を日本は取っているが、世界の中でもほとんど日本が一番厳しいのだろうと思う。ビジネスの交流ができないということは、世界の経済の中で日本が立ち遅れていく危険性にも直面していく」と述べて、外国人の新規入国禁止などについて経済界からの批判が高まっていることも念頭に、水際対策の緩和を求めた。
また自民党と連立を組む公明党の山口那津男代表は10日に行われた党中央幹事会の冒頭挨拶で、6分間に渡り留学生の入国禁止問題に言及し、大学教員から受け取った手紙で知った未入国のブラジル人留学生の実情を取り上げた上で、「私費留学生の入国を禁ずる実質的な理由があるかどうか、政府に検討していただきたいと切に思う」と述べた。そして「将来的に知日派の育成が、日本の国際社会における存在を示す意味で非常に大きな基盤になる。留学生の層が一定期間欠落してしまうということは、国としての損失にも繋がりかねない由々しき問題」との認識を示し、防疫対策を講じた上で、可能な限り私費留学生への門戸を開くよう政府に要求した。
※文科相、国際的な地位の低下や人材の喪失を懸念
さらに末松文部科学相は10日の会見で、留学生受入れに関し国立大学協会や自民党の文部科学部会などから再開を求める声が日増しに高まっている状況について問われ、「各方面からいろいろな意見を頂戴し、重く受け止めている。海外の大学が日本の留学生の受入れを中止するなど日本の国際的地位の低下や、優秀な外国人材を獲得できないことによる、日本の未来を支える人材の喪失等の課題が生じている」と影響に懸念を示した上で、「3月以降の(政府の)水際措置はまだ決まっていないが、文科省として日本留学を心待ちにしている学生が一日も早く入国できる状況になるように、関係省庁に課題を説明し、働きかけを行うなど全力を尽くしているところだ」と述べた。
※政府は「必要かつ適切な対応を行っていく」
一方、松野博一官房長官は10日午前の会見で水際対策について「様々なご要望があることは承知している。少しずつオミクロン株の知見が蓄積されてきており、今後については国内外の感染状況、オミクロン株の特性、これまでの水際対策の実績等を踏まえ、必要かつ適切な対応を行っていきたい」と述べた。
これに先立ち、岸田文雄首相は、まん延防止等重点措置の延長を発表した9日の会見で、「オミクロン株については科学的な知見が徐々に集まってきた、実態が少しずつ明らかになってきた状況」としつつ、水際対策については従来の見解を繰り返した。
★法相、技能実習生からのヒアリングを指示
古川禎久法務大臣は8日の会見で、新設する方針を決めた特定技能制度と技能実習制度に係る法務大臣勉強会の進め方について「我が国における両制度の位置付けも含め、両制度がどうあるべきかという大局的な観点からの検討を進める」として、技能実習生からの直接ヒアリングなどを通じた情報収集・分析等を行うよう出入国在留管理庁に指示したことを明らかにした。古川大臣は検討にあたってはまず「両制度の実施状況をこれまで以上に的確に把握することが重要」だと述べた。
★機微技術分野で研究生等受入れ時の管理ガイダンスを公表
経済産業省はこのほど、大学・研究機関用の「安全保障貿易に係る機微技術管理ガイダンス(第4版)」を公表した。国の慎重審査対象となる特定の機微技術分野において、留学生や研究生を受入れる場合に必須となる手続きや「事前確認シート」、「審査票」などの書類様式が含まれている。
政府は昨年閣議決定した「統合イノベーション戦略2020」において、技術流出防止の実効的な水際管理を強化する方針を打ち出しており、来月以降は該当する在留資格の申請時に、研究室名や指導教員、本国での経歴などを事前申告させる計画だ。
★日本留学試験の出願受付 来週14日から
6月19日に予定されている今年第1回目の日本留学試験(EJU)の出願受付が、早くも来週2月14日から国内外で一斉に開始される。締め切りは3月11日。今回も日本国内はオンラインのみによる受付となる。
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