インフォメーション
公明党の石井啓一幹事長は18日の定例会見で、政府が17日に表明した外国人の新規入国再開に伴う入国者上限数の変更(一日5千人)について、一段の引き上げが必要との考えを明らかにした。間近に迫る新年度を見据え、留学待機者は15万人に上ることから、実際に希望者の入学を可能にするためには、政府が当面の措置としている一日5千人程度の受入れでは足りないことを踏まえた発言。石井幹事長は「段階的に上限数の更なる緩和が必要」と指摘した上で、そのためには入国時の検疫体制を強化すると共に、「受入れ大学側にも宿泊施設の提供を求めるなど、留学希望者が不利益を被ることがないよう配慮を」と要望した。
一方、同党の伊佐真一議員は18日の衆院予算委員会で政府の留学生受入れ方針を質した際に、入国者数の上限を5千人に限定する政府の方針は「キャパシティの原因が検査かというと(そうではなく)、厚生労働省の事務方に確認したところ、検査は一日2万人ぐらいいけるという話もしていた」と明かし、政府が末松信介文科大臣の同日の答弁通り「最後の一人まで」留学希望者の受入れに積極的に取り組むよう促した。
入国上限数の更なる引き上げなど留学生への配慮を求める声は、与野党問わず広がりを見せている。自民党の世耕弘成参院幹事長代理は18日の会見で5千人の上限数を一日も早く撤廃することを主張。日本維新の会の音喜多駿議員は19日、「更なる水際対策の緩和を進め、留学生には特別枠を設けるべき。今の日本を選んで留学してくれる人材は貴重。他国に流れてしまう損失は計り知れない」とツイートした。
※日商、外国人材向け入国措置の大胆な緩和を主張
一方、主要経済3団体の一つである日本商工会議所(日商)は17日、政府・与党への緊急要望をまとめ、「ポストコロナを見据えた国際往来の再開」という項目の中で、入国制限の緩和と手続きの簡素化等を求めた。具体的には留学生、特定技能外国人など「外国人材に係わる入国措置は諸外国の水際対策を参考に、大胆に緩和すべき」として、国家戦略としての水際対策(入国管理)の緩和、入国手続きや施設待機の簡素化と併せた入国者総数の更なる拡大を要望している。
★基本的対処方針に外国人の新規入国容認など追記
政府は18日、まん延防止等重点措置の延長や一部地域の解除に際して、新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針を改訂する方針を決めた。
水際対策に関しては、「海外及び国内のオミクロン株など変異株の流行状況なども踏まえて検証する必要がある」とする基本部分の表記は引き続き維持する一方で、前段の感染拡大に関する評価部分に、「外国人の新規入国について、受入責任者の管理の下で観光目的以外の入国を認める」 と明記。具体的な措置として、入国者の待機期間の免除・短縮や1日あたり入国者数を上限5千人目処に引き上げるなど、岸田文雄首相が17日の会見で表明した水際対策の緩和内容を盛り込んだ。
*********************************************************