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2022-03-11 11:08:00

 

10日に行われた文部科学省のオンライン説明会で、「留学生円滑入国スキーム」の概要が明らかになった。留学生が渡日時の航空券を購入する際、各航空会社や旅行会社の一般枠で空席がない場合のみ、補足的な形で同スキームの利用が可能となることが分かった。利用のプロセスはまず本人が旅行会社を通じてキャンセル待ちの予約を入れ、大学等受入れ機関に連絡。受入れ機関が該当するキャンセル待ち情報を集約し「外国人留学生入国サポートセンター」に申請する。サポートセンターが各航空会社に情報提供の上、予約が可能な場合には、本人が期限までに航空会社への支払い手続きを進めるという流れになる。

原則として同スキームの利用が可能なのは、月曜から木曜の平日、日本へ到着する便に限定され、金・土・日の到着便は適用外となる。対象は留学生限定で、外国人教員や研究生は利用できない。受入れ機関による適切な入国管理が利用の前提条件となっている関係で、留学生本人や受託事業者からサポートセンターに直接申請するのも不可。また利用可能な便は日本航空(JAL)と全日空(ANA)の日本就航便で、留学生の出発国における国内乗り継ぎ便や外国の航空会社が自主運航するコードシェア便等はスキームの対象外だ。

予約方法や申込先は、両航空会社でやや異なる。JALはスキームによる申請前に、旅行会社等を通じてキャンセル待ち予約を入れることが必須で、できるだけ渡航予定日の7営業日前までに本人がキャンセル待ち予約(及び受入れ機関への連絡)を行い、同5営業日前までに受入れ機関からサポートセンターに申請してほしいとしている。

一方、ANAの場合には同様に空席待ち予約番号を取得する方法の他に、申請フォームを使い第3希望までフライト希望を直接申し込むこともできる。その場合、予約可能な座席があれば、ANAから金額と合わせて提示され、本人が購入を希望する場合に予約を申し込む形となる。

両社共に留学生一人につき複数便の予約申請が可能だが、最終的に予約確保が可能なのは一便のみとなる。航空券の価格は基本的にキャンセル待ち予約をした際の金額が適用されるが、当初の希望通り予約できない場合やフォームで直接申請の場合は提示時に金額が判明するので、最終的に本人が確認する必要がある。

なお各フライトの空席には上限数がある関係で、希望しても予約できない場合もあり、特に来日留学生が多いと見込まれる中国からの便は運航本数が非常に制限されているため、希望する便の確保は難しい状況が予想されるという。

また現在、ビザの事前手続に相当の時間を要する国・地域もあり、外務省が発給の迅速化に向け対応中だが、もしビザ取得前に航空券を先に購入してしまうと、フライト日までにビザ交付が間に合わず入国できなくなる恐れもある。文科省では「留学生円滑入国スキーム」の活用は、ビザ取得の目途が立ってから行うよう呼びかけている。

スキームの詳細は本日中をめどに、文科省ホームページで公表される見通しだ。

 

早期渡日希望の留学生11万人 4月以降の入学者合わせ18万人

〜文科省関係者「5月末迄の全員入国は現段階では厳しい」~

文部科学省関係者は10日に開催されたオンライン説明会で、在留資格認定証明書(COE)を交付されながら未入国となっている待機留学生15万人の内、現時点の推定値として11万人が、早期の渡日を希望していることを明らかにした。

その上で、今後最大で週1万人程度の入国者を想定した場合、数字上は5月末迄に10万人の留学生が入国可能だが、実際にはこれとは別に、今年4月以降に新たに入学を予定する留学生も7万人程度が見込まれているという。文科省関係者は、両者を合わせた計18万人が、現在の一日7千人(プラス留学生の平日枠千人)という総入国者枠の下で5月末迄に全員が入国するのは、現段階では厳しいとの見通しを披露。仮に同月末までの入国が困難な場合には、オンライン授業の実施や来日後の補習など、留学生に寄り添った修学上の配慮を行うよう各受入れ機関に対し要請した。

一方で同関係者は、岸田文雄首相が水際措置の段階的な緩和を表明していることから、今後状況は変わってくる可能性があるともしている。

 

★受付済証の発行 累計で25万件突破

入国者フォローアップシステム(ERFS)による来日予定者向け「受付済証」の発行件数は、昨日(10日)が18時までの日計で7538件となった。前日の9日は最終的に9392件。これにより、システム稼働後14日間の累計は254921件となり、25万件を突破した。

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