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厚生労働省が4月8日時点で公表したデータによると、3月20日から26日の1週間に、日本へ入国した外国籍者の空港検疫における総検体数2万8026件の内、陽性検体数は454件、陽性率は1.6%で前週(1.8%)よりやや低下した。陽性検体の7割以上(329件)が、検疫所指定施設で待機が必要な指定国2か国からの入国者に集中している。なお上海市など一部エリアで感染の急拡大が伝えられる中国からの来日者は、検体数3628件で陽性は1件に止まった。同数値は現状との時間差もあることから、引き続き今後の影響を注視していく必要がある。
一方、新型コロナウイルス感染症の新たな変異株で従来よりも感染力が強いとされるXE系統に関し、松野博一官房長官は7日の会見で、「現時点では検疫や国内において(感染例が)確認されたとの報告は受けていない」としながらも、引き続き諸外国の状況や知見等も収集しつつ、ゲノムサーベイランスによる監視を続けていく方針を表明するなど、警戒感を示した。
★「観光客を除く外国人」の入国枠を拡大中
〜岸田首相、観光目的の受入れ再開には慎重姿勢〜
岸田文雄首相は8日夜に会見を開き、水際対策に関連して3月1日から「観光客を除く外国人の入国を拡大していく方針」を打ち出したことを踏まえ、政府として直近で1日の入国者数を1万人に広げるなど「枠を拡大してきているところ」だと述べた。
観光を目的とする外国人の受入れについては「今後も感染状況とか、国際的な各国の動きとか、こういったことを見ながら、適切に判断していかなければならない」と述べるにとどめた。そして具体的な再開の予定は確定していないとして、「水際対策全体の流れの中で、これからの動向もしっかり踏まえた上で、判断していきたい」と繰り返した。
また岸田首相は、ウクライナ避難民の円滑な渡航を念頭に、日本政府として当面毎週、ポーランドからの直行便の座席を借り上げるなど、積極的な受入れをさらに進める方針を表明した。一方でこうした取組みをシリアやミャンマー等、ウクライナ以外の難民も対象に広げていくかについて問われた際には、改めて国会論議も踏まえながら対応していく課題との認識を示し、現時点での運用変更等については考えていないと明言した。
★「受付済証」の発行件数が35万件超える
新規入国希望者向けに入国者フォローアップシステム(ERFS)を通じて発行された「受付済証」の件数が、4月7日までの累計で35万件を超えた。同システムは2月25日に受付を開始してから数日間で申請が20万件に達するなど終始ハイペースで推移。4月10日までの45日間で交付が35万6337件と、今年1月時点で入国待機中だった外国籍者の総数(約40万人)に迫っている。ただ一部の国・地域の在外公館では、査証(ビザ)給作業が追い付いておらず、入国までの手続き迅速化が引き続き課題と言える。
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