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2022-06-01 10:59:00

 

法務省は、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い実施してきた帰国困難者向けの特例措置を、630日以降見直すことを決めた。これまではコロナ感染拡大による影響で、本国への帰国が困難と認められる外国籍者に対し、日本国内での在留が可能となるよう「特定活動(6か月)」や「短期滞在(90日)」の在留資格を許可してきた。しかしながら昨今、新型コロナの国内外における感染状況が落ち着きを見せ、水際緩和を受けて外国人の出入国者数も着実に増加している状況を踏まえ、同措置に区切りをつける。

 

具体的には、帰国困難を理由とした在留許可の取得者で、現有の在留期間が今月30日以降に満了を迎える人については、更なる期間更新を認めず、帰国準備に必要な在留期間(「特定活動」は4か月、「短期滞在」は90日)を許可した上で帰国を促すという。また今月29日までに在留期限が来る人には、今回限りとして4か月または90日の期間更新を認めた上で、次回の満了時に帰国準備を前提とした上記の在留期間へ移行してもらう形をとる。

 

※元留学生や現役留学生の扱いは?

 

例えば元留学生で、卒業後もコロナ禍により帰国が難しいため「特定活動」の在留資格(6か月)を付与され引き続き在留していた人も、今月30日以降の期間満了時には帰国準備の「特定活動(4か月)」に変更する必要がある。帰国準備中も、最大週28時間の範囲内で就労できる。

 

一方で現役の留学生が、コロナ禍により帰国困難な場合の扱いは、今年111日までに「留学」の在留期限が満了する場合に限り、今回限りとして在留資格「特定活動(4か月)」への変更が可能となる。この間に就労を希望する場合は、資格外活動許可を受けなくとも、1週間28時間以内でアルバイトが可能だ。ただ、今回限りの措置であるため、次回の在留期間の満了時には「特定活動」の更新はできず、必ず帰国しなければならない。

 

古川禎久法務大臣は531日の定例会見で「(帰国の)対象となる外国人の方には、このような措置をとることをあらかじめ丁寧に説明した上で、一定の時間的猶予の中で帰国準備を進めていただくように促していく」と述べ、法務省として個々の外国人が置かれた状況に配慮しつつ、円滑な帰国が進むよう尽力していく考えを明らかにした。

 

★本日より追加の水際緩和 検査・待機免除の国も

 

本日(61日)より追加の水際緩和が行われ、海外からの入国者に対する日本入国時の検疫措置が変更された。新型コロナウイルスの流入リスクをもとに各国・地域を3グループに分け、入国者の「入国前の滞在地」と「3回目のワクチン接種の有無」によって、入国時検査や入国後の待機の要否が変わる。

 

大きく分けると「施設待機」、「自宅等で待機」、「待機なし」の3パターンが想定されるが、留学生の多い主要国・地域では中国、韓国、台湾、インドネシア、ミャンマー等が「入国時検査なし、入国後待機なし」に、またベトナム、ネパール、スリランカ、ウズベキスタン、インド等は原則「入国時検査あり、入国後待機7日間」となる。但し後者の内、ワクチン3回接種者は「入国時検査なし、入国後待機なし」扱いとされるほか、待機の場合でも自主検査により待機期間を短縮できる。

 

自身がどれに該当するか不明な入国予定者は、下記の厚生労働省サイトでも滞在国ごとに検索できる。

https://www.hco.mhlw.go.jp/

 

★首相、他の地方空港も国際線受入れ再開を調整

 

岸田文雄首相は本日より追加の水際緩和が実施されるのを前にした531日の会見で、今後のインバウンド戦略に言及し、新千歳(北海道)、那覇(沖縄県)の両空港に加え、「今後も、例えば仙台など他の地方空港についても、地元自治体と調整した上で、順次、国際線受入れ再開を進めていく」考えを明らかにした。最近進行中の円安によるメリットが期待できるインバウンド再開は、地域経済にとっても大きな意味があるとの認識を示した形だ。新千歳と那覇に関しては、先に6月中の再開方針を決定済みだ。

 

また首相は今月10日から外国人観光客の受入れを条件付きで再開するのに先立って、実証事業の結果を踏まえた、受入れ対応に関するガイドラインを7日に公表すると述べた。

 

★昨年のビザ発給数 前年比で92%

 

外務省は令和3年の在外公館におけるビザ発給統計を公表した。全在外公館のビザ発給数は9306件で、対前年比で約92%の大幅減となった。この数をコロナ禍前の令和元年(8277340件)に比べると、わずか1%の水準だ。国内外で新型コロナウイルス感染症が拡大したことを受けて、日本政府がほぼ通年に渡る入国制限を続け、ビザの発給自体が大幅に制限されたことが背景にある。

 

国籍・地域別発給数の上位3か国はベトナム(15434件)、中国(12768件)、米国(9200件)で、これら3か国の国籍者に対する発給数が全体の約4割を占めた。また在外公館別の発給数の上位3公館は、ハノイの在ベトナム大使館(13760件)、マニラの在フィリピン大使館(4757件)、ソウルの在韓国大使館(3690件)で、上位10公館のうち8公館がアジア地域にある在外公館。中国の公館では、在上海総領事館が最も多く3584件で,次いで北京の在中国大使館(2922件)、在瀋陽総領事館(1760件)の順だった。

 

なお外務省によると、ビザ発給数は、数次ビザやビザ免除等もあり、出入国在留管理庁から別途公表される外国人入国者数とは実数が異なる。

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