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2022-06-08 13:41:00

~政府が「骨太の方針2022」を閣議決定~

 

政府は今後の経済財政運営における基本方針を盛り込んだ「骨太の方針2022(経済財政運営と改革の基本方針2022)」を、7日に閣議決定した。日本を取り巻く内外の環境変化を踏まえ、岸田文雄首相が唱える「新しい資本主義」に向けた改革や、中長期的な経済運営等の方向性が示されている。この中には水際対策を始めとした感染症対策と、「質の高い教育」実現に向けた方策も含まれており、今後、留学生受入れを始めとした海外人材育成の取り組みにも一定の影響を及ぼす可能性がある。

 

「骨太の方針(以下「骨太」と表記)ではまずコロナ禍からの回復と経済社会活動の正常化を目指す観点から、感染症対策と水際対応に言及。「国際的な人の往来の活発化に向け、感染拡大防止と経済社会活動のバランスを取りながら、他のG7諸国並みの円滑な入国を可能とする」として、水際措置の見直しなどさらなる緩和策を進める方針を明記した。

 

岸田首相は外国人向けの入国制限措置を3月以降段階的に緩和しており、留学生の新規受入れ再開に続き、今月からは一日あたり入国者上限数の2万人への拡大と、団体観光客の一部受け入れ再開に踏み切った。政府は今後の感染状況を踏まえ、追加の制限緩和を模索している。

 

一方で与党内には感染再拡大への懸念も根強く、「骨太」では当初原案段階にはなかった「新たな変異株が発生する場合にはこれに機動的に対処する」との一文が、最終的に追加された。またこれまでの対応に関する評価を踏まえ、次の感染症危機に迅速・的確に対処するための司令塔機能の強化や 感染症法の在り方、及び保健医療体制の確保などについて、月内にも必要な対応を取りまとめることが盛り込まれている。

 

★「文理横断的な大学入学者選抜や学びへの転換」を大学等に求める

 

一方で「骨太」では、「質の高い教育の実現」に向けた取り組みにも相応のスペースを割き、人への投資を通じた「成長と分配の好循環」を、教育・人材育成においても実現する方向性を打ち出した。先般、文部科学省の「教育未来創造会議」が行った第一次提言をベースに、大学、高等専門学校、専門学校等に対し、社会変化への対応を加速するよう求めている。

 

まず学生向けの支援策としては、学びの支援充実を図るため、▶給付型奨学金と授業料減免を多子世帯や理工農系学生等の中間層へ拡大すること、▶在学中は授業料を徴収せず卒業後の所得に応じて納付を可能とするなど柔軟な返還・納付(出世払い)の仕組みを創設すること、等が謳われた。この内、後者については、国民的な理解や安定的な財源の確保を課題に挙げつつ、まずは授業料無償化の対象となっていない学生について大学院段階での導入を課題に挙げた。

 

また「骨太」では「未来を支える人材を育む大学等の機能強化を図る」として、幅広い観点から大学改革にも踏み込んだ。具体的には成長分野への再編促進等を念頭に、(a)複数年度にわたり再編に取り組める支援の検討や私学助成のメリハリ付けなど、必要な仕組みの構築を進めるほか、(b)自然科学(理系)分野の専攻学生を現在の35%から5割程度に高める目標を念頭に、大学の主体的な目標設定等の取組への支援を打ち出した。これに関連した人材育成の方向性では、(c)専門性を重視しつつ、文理横断的な大学入学者選抜や学びへの転換を進め、文系・理系の枠を超えた人材育成を加速する、として「総合知」の創出・活用を奨励。さらに、(d)若手研究者と企業との共同研究を通じた人材育成等で、大学院教育を強化する方針にも言及した。

 

★「日本語教育の推進や外国人児童生徒等の就学促進」にも言及

 

なお「骨太」では「対外経済連携の促進」の項目において、「外国人材の受入れ・共生」にも触れており、人出不足が深刻な特定技能制度の受入れ分野について、各分野を所管する行政機関からの具体的な提起を踏まえ、法務省等が追加の検討を行うとしている。昨今、多くの問題が指摘されている技能実習制度に関しては人権配慮等、「運用の適正化を行う」と明記。さらに「外国人との共生社会」実現に向けた施策として、「日本語教育の推進や外国人児童生徒等の就学促進」を始め、「在留カードとマイナンバーカードの一体化の検討」も課題に挙げた。

 

7月の日本語能力試験 中国内中止が中央直轄都市に波及

 

来月3日に国内外で予定されている日本語能力試験(JLPT)で、新型コロナウイルス感染症の影響により、中国内での中止決定が相次いでいる。8日までに、上海市の上海師範大学、天津市の天津外国語大学と南開大学、瀋陽市の瀋陽師範大学、及びハルビン市の黒竜江大学の5会場が、新たに実施取りやめを発表した。中央政府の直轄都市(北京、上海、天津、重慶)における中止は、今試験においては初めてとなる。現地では厳格な「ゼロコロナ」政策による外出制限等が、大学入学試験(高考)も含めた各試験実施にも深刻な影響を及ぼしつつある。

 

68午前時点で、JLPT7月試験の中止が判明した会場は下記の13か所となっている。

 

JLPT7月試験 中国内の中止会場(68午前現在)

 

東北エリア:延辺大学(延吉市)、吉林大学(長春市)、遼寧大学(瀋陽市)、大連理工大学(大連市)、大連外国語大学(大連市)、大連大学(大連市)、瀋陽師範大学(瀋陽市)、黒竜江大学(ハルビン市)

華北エリア:山西大学(太原市)、天津外国語大学(天津市)、南開大学(天津市)

華中エリア:上海師範大学(上海市)

西南エリア:雲南師範大学(昆明市)、

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