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2022-06-16 12:03:00

関係閣僚会議で「外国人との共生社会の実現に向けたロードマップ」を提示

 

政府は外国人との「共生社会」の実現に向けて、中長期的に取り組むべき課題を盛り込んだロードマップをまとめた。14日に開催された関係閣僚会議で提示された工程表では4つの重点事項を列挙し、今後5年間で具体的に実施する施策として、日本語教師の資格制度整備や、高等学校における外国人生徒向けの特別定員枠設定、マインバーカードと在留カードの一体運用などが盛り込まれた。日本に在留する外国人は2010年末の208万人から2021年末には276万人へと大幅に増えており、政府は日本社会の一員としての位置づけを明確化し、多様性に富んだ活力ある社会づくりを今後のビジョンに据えている。

 

ロードマップの全文によれば、重点事項の一つである「円滑なコミュニケーションと社会参加のための日本語教育等の取組」として、「日本語教育機関の認定制度及び日本語教師の資格制度を整備する」ことを明記。在住外国人が社会生活を円滑に営めるようにするため、「日本語教育機関の日本語教育水準の維持向上」と「日本語教師の能力及び資質の向上」を図る必要があるとした上で、「仕組みを構築するための法案提出を含めた検討を進める」とした。今後、日本語教師資格の創設等へ向けたプロセスが加速するとみられる。

 

このほか同項目では、▶新たな日本語教育の指標である「日本語教育の参照枠」に対応した分野別教育モデルの開発、▶生活場面に応じた日本語を学習できるICT教材の開発、▶海外における日本語教育環境の普及、等も列挙されている。

 

さらに高等学校における取組としては、日本語の個別指導を教育課程の中に位置付けて実施できる制度を令和5年度(2023年度)より導入するほか、公立高等学校の入学者選抜で外国人生徒を対象とした特別定員枠を設定し、受験上の配慮の施策を推進することも謳われた。

 

一方、「共生社会の基盤整備に向けた取組」としては、「マイナンバーカードと在留カードの一体化」を進め、日本に中長期間在留する外国人の利便性を高める方向性が打ち出された。関係省庁の法整備とシステム改修を経て、令和7年度(2025年度)から両方が一体化したカードの交付開始を目指すとしている。

 

政府はロードマップに盛り込まれた施策の着実な実施を図る観点から、今後の実施状況について毎年点検を行い、有識者の意見も踏まえながら、必要に応じた見直しを行うとしている。

 

★首相「将来の感染症危機に対応できる体制づくり進める」

〜対サル痘 状況を注視しつつ対処〜

 

岸田文雄首相は15日夜、通常国会閉幕を受けた記者会見で、「平時に近い経済社会を取り戻すための取り組み」に言及した中で、今月までに実施済みの水際緩和策を踏まえ、感染状況の改善が確認されれば、7月前半より全国を対象に地域観光需要の喚起策を行うと表明した。

 

一方、欧米などで感染者が増加中のサル痘への対応に関して、岸田首相は現時点で日本国内での同ウイルス感染例は確認されていないが、サーべイランス強化や出入国者に対する注意喚起と情報提供に努めていると説明。世界保健機関(WHO)がサル痘への予防効果があるとして推奨した天然痘ワクチンを、日本としてすでに相当量、備蓄済みとも語った。

 

当面の水際措置に関しては、科学的知見や諸外国の感染動向を注視しつつ、必要に応じて対応する考えを明らかにした。一方で、諸外国で行われている罰則付きの厳格なロックダウンに関しては、「一般論として申し上げるならば、わが国では馴染まない」と否定した。

 

首相は今後、有識者会議の報告も踏まえ、内閣官房に内閣感染症危機管理庁を立ち上げ、医療体制整備や司令塔機能の強化に着手。将来の感染症危機に対応できる、一元的な体制づくりを進める方針だ。

 

5月の新規入国者 全在留資格で114千人

〜ベトナムが最多、7か国が3千人以上~

 

今年5月中に日本へ新規で入国した外国籍者は、全ての在留資格者を合わせた総数で114498人となり、4月(124339人)より約1万人減ったことが、出入国在留管理庁のまとめでわかった。教育機関の入学シーズンを過ぎたため、留学生の入国ペースが4月のピーク時より減速した季節的要因が影響したとみられる。

 

全在留資格者の出身国・地域別内訳を見ると、ベトナムからの来日者が29567人で最多となっている。別途明らかになった在留資格別の来日者状況では「技能実習」が急増しており、5月の来日ベトナム人は、技能実習生が大半を占めるとみられる。一方、留学生の来日者が特に多いとされる中国からは、他の在留資格者も合わせ15788人が新たに入国した。新規入国者の実数で2か国に次ぐのはネパール(12333人)、インドネシア(7219人)、米国(6583人)、フィリピン(5643人)、韓国(4172人)、ミャンマー(3971人)で、上記の計7か国が各3千人以上だった。

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