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末松信介文部科学大臣は28日の会見で、直近における留学生の入国状況について、出入国在留管理庁の速報値を引用する形で、4月1日より6月23日までに約9万人が新たに入国したことを明らかにした。4月時点における文科省の調査では、今夏までに入国を希望する留学予定者が実数で約9万人いたことが確認されていて、末松大臣はこれら入国希望者の内、相当数がすでに入国し、受入れは概ね順調に進んでいるとの認識を示した。
なお入管庁のまとめでは、上記の前月にあたる3月には1万4810人の留学生が新たに入国しており、政府の水際緩和後に来日した留学生は総勢10万5千人前後に達した。
新型コロナウイルス感染症がまん延する前の2019年までは、1年間に来日する新規留学生が約12万人で、数字上は直近の4か月弱でほぼこれに匹敵する数が来日したことになる。
★中国人留学生向け免税措置 文科相「見直しが必要」
一方、先に参院決算委員会で議題となった中国人留学生に適用されているアルバイト収入の免税措置に関し、末松文部科学大臣は28日の会見において、同措置を規定した日中租税協定が両国間の人的交流促進の観点から設けられたものだとしつつも、「留学生が受け取る給与については、居住している国において課税を受けるのが国際的なスタンダード」との政府見解を繰り返した。
その上で末松大臣は、現在免税の対象となっているこれら措置については、今後、各国との租税条約改正の機会を捉えて、関係省庁による適切な見直しが必要になってくるとの見通しを述べた。
★週末の日本語能力試験 マカオも中止に
今週末7月3日に国内外の会場で実施予定の日本語能力試験(JLPT)について、実施元の国際交流基金などは新たに、中国南部のマカオ特別行政区における試験が中止されたと発表した。華南地域における中止は、広西チワン族自治区南寧の広西大学に続き2会場目で、大陸部を含めた中国全土では19か所目。マカオでは、前回2021年7月試験で472人(内N1受験者125人)が、また同12月試験では406人(内N1受験者125人)が受験していた。
このほか現時点で今年7月試験の取りやめが明らかになっているのは、英国・エディンバラ大学、ドイツ・ハンブルク大学、及びロシアとベラルーシの全会場。またカタール・ドーハはすでに同12月のJLPTを中止することを決めているほか、ロシアは12月も実施できる見通しが立っていない。
主催者によれば、これらの中止はいずれも、現地における新型コロナウイルス感染症の感染者数と規制状況、あるいは受験者や試験実施関係者の安全確保などを考慮した結果だという。
★パキスタンから18名の若手行政官を留学生として受入れ
日本政府は無償資金協力による途上国人材の育成スキームを通じて、パキスタンから令和5年度も最大で18名の若手行政官らを留学生として受入れ、日本の大学院で学んでもらう。28日にイスラマバードで、双方の政府関係者が書簡の署名と交換を行った。スキームは他国との間でも実施中の「人材育成奨学計画」で、学位取得に必要な学費等を日本が支援する。次年度の対象者18名中、17名が修士課程に、1名は博士課程にそれぞれ入学の予定。パキスタンからの受入れは2019年より始まっていて、昨年までに51人の来日実績があるという。
来日する行政官らは、自国の開発や発展に必要な専門的知識を日本で習得することにより、帰国後の政策立案などへの貢献が期待される。
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