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2022-08-05 12:57:00

 

今年7月の一か月間に空港検疫で確認された新型コロナウイルス感染症の陽性者数が830名だったことが、厚生労働省のまとめで分かった。国籍別の内訳は日本国籍者(帰国者)が354名、外国籍者が476名となっている。前月の6月は日本国籍者165名、外国籍者273名の計438名だった。日本国内におけるオミクロン株BA.5系統の感染拡大と並行して、入国時点で陽性が判明する人の数も前月よりほぼ9割(89%)増加している。

 

政府は6月から追加の水際緩和を行い、一日あたりの入国者上限数引き上げとセットで、入国時の「全員検査」をやめ、コロナ流入リスクが低い「青」区分の国・地域について入国時検査と入国後待機の両方を不要とした。一方でややリスクの高い「黄」区分の国・地域からの入国者も、ワクチン3回接種を条件に、「青」区分と同様の扱いとなっている。

 

したがって、6月以降の空港検疫における陽性者数は入国者全体ではなく、入国時検査が必要な「赤」区分と、ワクチン接種証明書が提示できない「黄」区分の国・地域からの来日者の状況のみが反映されていることになる。水際緩和直前の51か月間における空港検疫の陽性確認者は、日本国籍者1759名、外国籍者1111名の計2870名だった。

 

現在、留学生の来日者数が多い国・地域では、中国、ネパール、韓国、台湾等が「青」区分にグループ分けされていて、「黄」区分の対象は、ベトナム、スリランカ、インド、ウズベキスタン、パキスタン、エジプト等となっている。

 

★「検査・陰性証明書の提出に配慮を」 厚労省会議も徹底求める

 

厚生労働省の専門家会議(アドバイザーリーボード)は3日の会議で、最近の新型コロナ感染状況に対する評価を行い、当面必要な対策について議論した。会議後に出された基本的な考え方では、新規感染者数が高止まりする中で保健医療提供体制の確保が重要として、病床や発熱外来のひっ迫回避に向け、「職場・学校等において療養開始時に検査証明を求めないことの徹底」を求めた。

 

文部科学省はすでに、大学、専門学校等の教育機関等に対し、同様の方針を文書で通知しており、陽性者や濃厚接触者が療養を開始する際や待機終了後の復帰時に、事業所や学校等が従業員・学生等に対して追加の検査結果及び陰性証明書等の提出を求めないよう、配慮を要請している。

同通知では、やむを得ず証明書を求める必要がある場合でも、教職員や学生らが自ら撮影した検査結果の画像や療養証明書で代替するよう促した。

 

BA275系統など新たな変異株の動向把握へ 「監視の継続」が必要

 

 一方、新型コロナ変異株については、BA・5系統のほかに6月以降、インドを中心に報告されているBA275系統の検出が日本国内でも確認されているが、アドバイザーリーボードが打ち出した対策では、動向把握のため、諸外国の状況や知見の収集分析と、ゲノムサーベイランスによる監視の継続が必要だとしている。

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