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2022-08-31 15:56:00

 

~岸田首相、「G7並みの円滑な入国へ、さらに緩和進める」

 

岸田文雄首相は31日午前、対面での公務を再開するにあたって会見を行い、新型コロナに対する当面の政府方針を明らかにした。この中で水際対策に関し97日より入国者数の上限を一日あたり5万人に引き上げるとともに、全ての国を対象に、添乗員を伴わないパッケージツアーによる入国を可能とする考えを明らかにした。個人観光の解禁には言及しなかった。今後については「G7並みの円滑な入国が可能となるよう、さらに緩和を進めていきたい」と述べた。

 

また首相は、入国時の検疫手続きを簡素化する「ファストトラック」に必要な、健康居所確認アプリ「My SOS」を改善し、「空港での入国手続き円滑化を行う」考えも表明した。

 

7月の一日あたり入国者は14千人、本格回復には追加緩和が不可避

 

政府は目下、海外から入国・帰国する人向けの水際措置として、入国者数の一日あたり上限総数について2万人を目途として設定しているが、出入国在留管理庁によれば、7月の入国者は単日平均値で14345人となっている。この内訳を見ると、日本人渡航者で帰国した人が8581人、外国人の再入国者が2170人で、これらを除く外国人の新規入国者は一日あたり3594人となっている。

新規入国者(単日平均値)の内訳では、短期滞在が2149人、技能実習が407人、留学が330人などとなっていて、留学は4月のピーク時に1500人を超え、5月も千人近くに達したが、入学シーズンの経過とともに、現在の水準に落ち着いた形だ。

 

現状では入国者の上限数が5万人に引き上げられたとしても、すでに留学や技能実習などの中長期在留者については、水際緩和前における入国待機組の内、相当割合が入国済みであり、今後も大幅に増えるとは言い難く、回復のカギを握るとみられるのは観光客だ。政府は6月より、添乗員付きの団体観光に限り入国を解禁したが、翌7月の入国者は一日あたりわずか225人に止まっている。当初、日本への旅行を希望していた外国人の間では、複雑なビザ申請手続きや防疫措置に加え、個人旅行が制限されていることから、日本を敬遠する傾向も顕著だという。

 

岸田首相は「G7並み」の水際措置を標榜する一方で、感染状況をにらみながら小出しの緩和を続けており、入国者総数引き上げが入国者数自体の本格回復につながるまでには、もう一段の追加措置が求められそうだ。

 

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