インフォメーション

2022-09-15 13:51:00

 

2022年に入ってから新規で来日した外国人留学生が、8月までの累計で12万人を超えたことが分かった。在留資格「留学」による新規来日者数は、新型コロナウイルス感染症が拡大する直前の2017年から2019年までは年間12万人台で推移していて、大台回復は3年ぶりとなる。今年は日本政府がコロナ禍で採ってきた外国人向けの入国制限措置を3月に緩和して以降、留学待機組を中心に新規入国者が急増。入学シーズンの4月には単月で46千人が来日していた。

出入国在留管理庁によれば、直近の8月には新たに6418人の留学生が来日している。これにより、年初からの「留学」新規入国者はのべ121677人となった。

 

10月期生の在留資格審査 国・地域により厳しい状況も

 

留学生の入国者数は目下、順調な回復の途上にあるといえるが、国・地域によっては想定通りに入国が進んでいない面もある。全国の日本語教育機関約470校を対象にした関係機関による最新の調査で、今年10月に入学を予定していた留学生の内、中国や台湾の出身者で申請の9割以上、ベトナムも9割近くが入国を許可されている反面、ネパール、モンゴル、ミャンマー、バングラデシュなどは、軒並み54割台の交付状況となっていることが分かった。地域別では首都圏や九州エリアで、特にこうした傾向が顕著にみられる。ただ、首都圏や関西圏の学校関係者によれば、「申請した全員分が交付された」というところもあり、各校・各地域によって交付状況にはばらつきもみられる。

 

これら主要国の内、ミャンマーに関しては「軍事政権により海外送金が制限されている」とか「外貨規制強化で外為取引が難しくなった」との情報があり、学費の支払いがスムーズに進まないことも来日の大きな障害となっているようだ。

 

コロナ禍の2年間における留学待機組が、今年3月の水際緩和後、夏までにほぼ入国済みとなりつつあり、入国審査の一部厳格化や感染状況も相まって、来年度以降の入国・入学予定者をめぐっては、当面、不透明感がぬぐえない状況が続きそうだ。

 

★「技能実習」生の来日12万人越え 「特定技能」は低調続く

 

一方、今年8月中に新規で来日した「留学」以外の在留資格者では、「技能実習」が9692人、「特定技能1号」が1526人で、技能実習生は年初からの来日者総数が128854人と留学生を上回る勢いを維持しているが、特定技能外国人は同12562人と極めて低調な状況だ。政府は先般、特定技能の対象分野ごとの受入れ上限数を変更する方針を閣議決定したが、入国者数の今後の推移次第では、さらなる見直しも視野に入る。

 

8月の「観光」入国者は1826

 

これらのほか、8月中は「短期滞在」による来日者が63766人に上っていて、この内、観光目的の入国者は1826人と月間ベースで1万人を超えた。政府が添乗員付きのパッケージツアーに限定して観光客の受入れを解禁後、6月は252人、7月は7903人で推移していた。

***************************************************************