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~「在留資格制度の工夫」と「魅力的な生活環境づくり」が課題に~
岸田文雄首相は9月17日の会見で、世界の優秀な人材を日本が今後獲得していくため、在留資格制度の工夫と、高度人材にとって魅力的な生活環境の創出を「2つの柱」に、取り組んでいく考えを明らかにした。
この中で首相は、シンガポールやニュージーランド、英仏などの国々において、高度な人材取り込みのために在留資格上の優遇措置を採り入れている現状に触れ、「日本においても従来から、高度人材のポイント制度とかスタートアップビザ制度を導入して努力は続けてきたが、世界の状況を見る限り、まだまだ日本は足りない。もっと努力をしなければいけない」と指摘。制度面での工夫が必要との認識を示した。
他方で首相は「より魅力的な生活環境も用意しないと、優秀な人材は集まってこない」とも述べて、人材獲得のためには在留資格制度だけでなく、医療や教育の整備、開放的なコミュニティなど受入れ環境づくりの必要性を強調した。今後の対応については、新たな制度の構築と現行制度改正の両方が必要と述べた。
★法相「ウクライナと他国からの難民申請者は同列にできず」
政府は先週、ウクライナ避難民で身寄りのない人に対し実施している生活費などの支援期間を、当初の半年から1年へと延長する方針を決めた。同措置については、日本国内で同様に苦境にあるアフガニスタンやミャンマーからの避難民との待遇の違いを指摘する声も挙がっている。
これについて葉梨康弘法務大臣は会見で、「ウクライナは、その国の政府が何らかの迫害行為を行っているということではなく、他国からの侵略という非常事態的な状況の中で避難をされ、避難民もG7やEU諸国等との国際協調の中で受入れている」と述べて、ウクライナの状況を他国からの難民申請と同列に論ずるべきではないとの見解を示した。支援延長の理由としてはロシアの侵攻が長期化していることを挙げ、受入れの最前線となっている各自治体と連携しながら、的確なニーズの把握に努めていくとした。
出入国在留管理庁のまとめによれば、ウクライナからの避難民で入国時に身元保証人がいない人は、3月2日から9月14日までの累計で173人に上る。
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