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2022-11-01 16:29:00

 

日本語教育機関6団体による団体連絡協議会は、政府が検討している新たな日本語教育関連法案への要望事項をまとめた。早期成立を目指し来年の通常国会へ法案を提出することや、新たに制度化される「認定日本語教育機関」と「登録日本語教員」資格の活用に向けて、具体的な仕組みを構築するよう求めている。28日に開催された日本語教育推進議員連盟の総会で提示された。

 

新型コロナウイルス感染症の影響で、留学生の新規入国が今年2月まで足掛け2年以上ほぼ停止していた影響により、日本語教育の現場ではこの間、多くの教員が離職しており、留学生の来日状況が回復した今も慢性的な人材不足を解消できていない状況にある。6団体はこうした現状に危機感を強めており、関係議員でつくる議連に対し、「日本語教師の質的量的確保」に向けた制度面での整備を要望した。

 

具体的な要望事項には、①日本語教育機関を正式に文部科学省の所管とし、「認定日本語教育機関(正規課程)」に在籍する学生への優遇措置を検討、②認定機関と関係省庁、地方自治体などが連携し、留学以外の就労や生活の場でも、特定技能、技能実習等と連携させ日本語教師が活用される仕組みづくり、③既存の法務省告示制度や専修学校・各種学校制度との緊密な連携の確保、などを盛り込んだほか、日本語教員の国家資格化にあたっては、現在要件を満たす現職教員らを念頭に、十分な経過措置の検討を求めた。

 

※「認定日本語教育機関」が在留資格「留学」による学生受入れの要件に

  外国人児童生徒の「就学」面における活用も課題

 

政府内で現在検討が進められているのは、「日本語教育の適正かつ確実な実施を図るための日本語教育機関の認定等に関する法律案(仮称)」。日本語教育機関の内、一定の要件を満たすものを「認定日本語教育機関」として認定するほか、同機関において日本語教育を行う「登録日本語教員」の資格を創設することを謳っている。

具体的には日本語教育機関の設置者が文部科学大臣の認定を受けられるようにし、法務省は省令を改正して「認定日本語教育機関」であることを在留資格「留学」による学生受入れの要件に定める。日本語教育機関の基準作成や認定にあたっては、関係省庁による連絡協力体制づくりを進める。また「登録日本語教員」については「認定日本語教育機関」での試験合格と所定の研修修了を要件に、文部科学大臣が登録する形を想定している。

 

同時に政府は一定の教育の質が保証された日本語教育機関の機能を、「留学」以外の「就労」や「生活」等の領域にも拡大するよう促す見通しで、特定技能、技能実習等での活用も見据える。例えば技能実習制度では、監理団体の基準づけで「認定日本語教育機関」の活用を加点要素に加える方向だ。様々な在留資格をもつ外国人を念頭に、地域が一体となった日本語教育の体制づくりを進めることで、「多文化共生社会」の構築に繋げる狙いがある。

昨今は日本語面でのハードルを抱える外国人の児童生徒も急増していて、これら対象者の「就学」面においても、新制度が活用され得るような仕組みの構築が中長期的な課題となる。

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