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中国駐日本大使館・総領事館は29日、日本国民に対する一般査証(ビザ)の発給を再開すると発表した。すでに同日より、留学やビジネスなどを目的とする訪中ビザ申請の受付が始まった。週明け以降、手続きが本格化するとみられる。
日本政府が昨年末、中国本土からの入国者に対する水際措置を強化し、さらに年明けからはマカオも対象としたことに対し、中国政府は1月10日、これを「差別的な対応(汪文斌副報道局長)」と批判し、日本国民に対する中国の一般査証の発給を一時停止する対抗措置を発表していた。
日本側の水際措置は現時点で変更されていないが、岸田文雄政権は新型コロナの感染症法上の位置付けを近く季節性インフルエンザ等と同じ「5類」へと変更する方針を決めており、これに伴って水際対応の見直しも不可避な情勢となっていることから、中国に対する現行措置も遠からず撤廃されるとの見通しがあるとみられる。また、日本からのビジネス往来や、新学期を控え訪中を計画していた留学予定者への影響も考慮したと受け止められている。
ただ、今月10日の突然の「ビザ停止」発表を受けて、日本人留学生を送り出す日本国内の大学では、すでに今春の中国派遣プログラムを中止したところや、本人の意向も踏まえ留学先を台湾にシフトしたところが少なくない。渡航時期が間近に迫ったこのタイミングでの再開が、中国留学への流れにプラスに作用するかは未知数だ。一方で、「あくまで中国での留学生活を希望し、今秋からの留学に切り替えた学生がいる(都内私大)」大学もあり、こうした学生にとっては朗報となりそうだ。
★法相「年度内に高度外国人材の受入れ促進策」
岸田文雄首相は先に通常国会の施政方針演説で、海外からの人材や資金の呼び込みを当面の課題に掲げ、「世界に伍する高度人材の新たな受け入れのための制度」創設や「外国人材が活躍できる環境の整備」に言及した。これを受けて齋藤健法務大臣は27日の定例会見で、専門的、技術的分野の外国人について、「我が国の経済社会の活性化に資するという観点から、積極的に受け入れていくことが重要」と述べて、「高度外国人材の受入れを更に促進するためしっかりと検討し、年度内に結論を得ていく」との考えを示した。すでに政府内では、昨秋の第4回教育未来創造会議における首相指示を受け、具体策の検討に着手している。
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