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政府は2月21日、「日本語教育機関の認定等に関する法律案」を閣議決定した。同法案は日本語教育の適正・確実な実施を図る観点から、文化庁を中心に国会提出の準備が進められてきた。近年、在留外国人の増加と共に、日本語学習のニーズが拡大している現状を踏まえ、「日本語教育機関の質の維持の向上」を目指す。
具体的には、①質が担保された日本語教育機関を「認定日本語教育機関」として認定する制度、②「認定日本語教育機関」で日本語を指導することができる「登録日本語教員」の資格制度、の両スキームを新たに創設する。閣議決定を受けた会見で、永岡桂子文部科学大臣は「今後、国会審議を通じて、法律案の内容や必要性を丁寧に説明し、速やかな成立を目指していきたい」と述べた。
★介護福祉士候補者などの在留期間を再延長
経済連携協定(EPA)に基づき、インドネシア、フィリピン、ベトナムの3か国から入国した看護師・介護福祉士候補者の内、滞在期間中の最後の国家試験に不合格となった者について、政府は滞在期間を再延長する決定を行った。通常は同期間中に行われる試験に合格できない場合、帰国しなければならないルールだが、一定の条件に該当する場合には、追加的に1年間か1年6か月間の滞在期間延長を容認する。国内の介護福祉士などが慢性的に不足している現状を踏まえた措置。また滞在期間が延長されることで、対象者が国家試験を再受験するチャンスが増え、合格者の増加につながることが期待されるという。政府はこれまでに、同様の閣議決定を計6回繰り返している。
★「大学の世界展開力強化事業」 来年度は米国との連携を対象に
文部科学省が毎年実施している「大学の世界展開力強化事業」で、令和5年度は米国を軸とした大学間連携の取組が対象となることが発表された。同事業はグローバル人材の育成や大学教育のグローバル展開力強化を目的としており、日本人学生の海外留学と外国人学生の受入れを行う大学間連携プログラムを、最大5年間、財政的に支援している。連携の対象は日本にとって戦略的に重要な国・地域から例年選ばれていて、今年度は英国、インド、豪州などインド太平洋地域との連携プログラムが対象だった。今回、「米国等との大学間交流形成支援」として米国を選定した理由について文科省では、国際競争力の土台となる研究力が世界トップ水準で、日本にとり国際的に最も重要なパートナーであることのほか、コロナ禍で停滞した留学交流を立て直す上で、国際オンライン教育を主導する米国と教育プログラムで連携することの必要性を挙げている。
事業の対象となるのは先導的な大学間交流モデルの開発、質保証の共通フレームワークの形成、単位の相互認定、オンラインを活用した国際協働学習などで、計13件程度が採択される見通し。文科省では来年度の当初予算案に13.5億円を計上しており、3月にも公募説明会を行う。
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