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昨年5月1日時点で日本国内の大学・大学院、専門学校、日本語教育機関等の教育機関に在籍していた外国人留学生の総数が、前年比で約1万1千人減り23万1146人だったことが分かった。新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、留学生数は2019年の約31万2千人をピークに減少へと転じており、2022年で4年連続の対前年比マイナスとなった。日本学生支援機構(JASSO)の調査によるもの。
JASSOのまとめによれば、留学生の在学段階別では高等教育機関で、大学(学部)7万2047人、大学院5万3122人、短期大学1863人、高等専門学校480人、専修学校(専門課程)が5万1955人などとなっていて、対前年比では大学院のみが微増だったが、専修学校(専門課程)はマイナス26%と大幅に減った。一方、日本語教育機関は前年(4万567人)より2割(約9千人)ほど持ち直し、4万9405人だった。調査直前の昨年3月より、日本政府が水際緩和に踏み切り、入学予定者の入国が再開されたことが作用したとみられる。
留学生の出身国・地域別では中国(10万3882人)、ベトナム(3万7405人)、ネパール(2万4257人)、韓国(1万3701人)、インドネシア(5763人)、台湾(5015人)等が多い。中国出身者の全留学生に占める比率が45%と極めて高くなっている。また主要国中、ネパールが対前年比28%増と唯一大きな伸びを示した。
留学生の専攻分野別では、人文科学が8万291人と最多で、前年度一番多かった社会科学(6万3096人)を逆転した。このほか、工学(3万7487人)、保健(5829人)、理学(4361人)、農学(4200人)の順となっている。
都道府県別(学校所在地)の在籍留学生数では、東京都(7万8957人)を筆頭に、大阪府(2万1190人)、福岡県(1万5955人)、京都府(1万4205人)、兵庫県(1万633人)、愛知県(1万122人)の1都2府3県が、1万人以上を擁する。首都圏では東京都のほか、埼玉県(8951人)、千葉県(7280人)、神奈川県(6246人)も相当数に上る。
※留学生受入れ数の多い大学は?
日本学生支援機構(JASSO)の調査では、主要大学に在籍する留学生の数も明らかになった。2022年5月1日時点で、全国最多の留学生を受入れているのは東京大学で4397人だった。数が多い上位10校中、国立大学が京都大学(2564人)、大阪大学(2514人)、九州大学(2359人)、筑波大学(2189人)、東北大学(2074人)を含めて6校を占める。
私立大学で総数10傑入りしているのは、早稲田大学(4208人)、立命館大学(2698人)、日本経済大学(2599人)、立命館アジア太平洋大学(2392人)の4大学。このほか、千名を超えている私大が慶應義塾大学、日本大学、東洋大学、東海大学、京都情報大学院大学、明治大学など14大学に上る。
※来年度以降の在籍数は増加に転じる見通し
なお本調査が行われたのは昨年5月であり、この後、政府の段階的な水際緩和により、留学生の新規入国者数は大幅に回復している。出入国在留管理庁によれば、2022年中に『留学』の在留資格を取得し新規で来日した外国人の数は16万7128人と、史上最高の数となった。コロナ禍で低迷してきた各教育機関の在籍留学生数は、2023年度以降、再び増勢に転じる可能性が高いとみられる。
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