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2023-05-29 11:50:00

 

日本語教育機関と日本語教員に関する新たな認定・登録の枠組みを定めた「日本語教育機関認定法」が、526日の参議院本会議で与野党の賛成多数により可決され成立した。来年41日より施行される。令和元年に成立の「日本語教育推進法」で掲げられた「日本語教育の水準の維持向上」を具体化する立法措置であり、日本政府が目指す多文化共生社会の実現へ向けた節目とも位置づけられる。

 

同法の正式名称は「日本語教育の適正かつ確実な実施を図るための日本語教育機関の認定等に関する法律案」。内容としては、①日本語教育機関の内、一定の要件を満たすものを、文部科学大臣が「認定日本語教育機関」として認定する制度を創設、②同機関で日本語教育課程を担当する教員は文科大臣の登録を受けた「登録日本語教員」でなければならない、③同教員として登録を受けるには日本語教員試験に合格し、かつ実践研修を修了する必要がある、④文科大臣は認定機関に対し日本語教育の実施状況の報告を求め、勧告や是正命令を行うことができる、⑤文科大臣は設置基準について法務大臣と協議する、などが柱だ。この内、③に関しては、指定の養成課程を修了した者は教員試験の一部を免除するとしているほか、「認定日本語教育機関」の教員資格については、法律の施行時期とは別に経過措置を設けることも謳った。同時に、日本語教育の所管は、従来の文化庁から文科省(本省)へと移管される。

 

法案は内閣提出法案として通常国会に提出後、512日の衆議院本会議で可決され、その後、同25日まで参議院の文教科学委員会で審査が行われていた。同委員会の高橋克法委員長は26日の採決に際して委員会審査の経過を報告し、▶現行の法務省告示校制度の課題、▶日本語教員の処遇改善の必要性、▶外国にルーツを持つ子供に対する日本語教育の充実策、等をめぐり質疑が行われたと述べた。今後は、現職日本語教員に対する経過措置の詳細などを定める審議会の動向も、大きな焦点となる。法案には8項目の附帯決議が付いた。

 

最終的な参院本会議の採決においては、与党の自民・公明両党、立憲民主党、日本維新の会などが法案に賛成し、日本共産党とれいわ新選組が反対した。

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