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2023-09-09 15:26:00

 

~教育未来創造会議第2次提言の工程表を閣議報告~

 

今年4月に政府の教育未来創造会議が公表した第2次提言(未来を創造する若者の留学促進イニシアティブ〈J-MIRAI〉)に関連し、このほど実施に向けた工程表がまとまり、95日の閣議で報告が行われた。工程表には、第2次提言に盛り込まれた新たな留学生の派遣・受入れ方策や留学生の卒業後の活躍に向けた環境整備等の取組について、今後10年間に渡る政策の実施プロセスがスケジュール付きで示されている。

この内、外国人留学生の受入れに関しては、2033年までに受入れ数40万人を目指す政府目標を改めて明記した上で、個別の施策ごとに必要な取組を、来年度までの当面と、中長期的なものに分けて具体的に記載した。

 

内容は多岐に渡るが、大学関連で注目される施策の中には、▶国費留学生制度の見直し、▶留学生の定員管理弾力化と在籍管理の徹底、▶日本語準備教育の整備、▶高度外国人材に係る在留資格の整備と就職支援、等が挙げられる。

 

※大学:留学生定員の弾力化や別科等の認定基準づくりが課題に

 

まず国費留学生制度では、年度内にも受入れ地域・分野の重点化や選考手続きのオンライン化など制度の見直しを進めるほか、国立大学における留学生の授業料設定を柔軟化する検討を行うと明記。留学生の定員管理については私立大学を含め、弾力化に向けた制度改正を来年3月までに行う方向性を打ち出した。一方で留学生の適切な在籍管理のために基準を策定し、「在籍管理非適正大学等」に該当する大学名の公表など、必要な措置の検討を2024年度までに行うとしている。

 

焦点となっている大学等における日本語準備教育(ファウンデーションコース)に関しては、来年4月に日本語教育機関認定法が施行されるのを前に、年度内にも準備教育施設及び大学別科等に適用される認定基準の内容を検討すると明記。来年度から2027年度にかけて、認定日本語教育機関としての正式な認定を順次実施していく方針が盛り込まれた。

 

さらに留学生の就職支援では、今年4月からスタートした新たな高度人材の受入れ制度(特別高度人材制度/未来創造人材制度)について、来年度をめどに一定の要件を満たす国内大学の卒業者にも適用する検討を進めるとしたほか、地域の大学や経済界が連携し立ち上げる「高度外国人材活躍地域コンソーシアム」を年度内に全国で6例程度形成するとした。

 

★専修学校:卒業後の就職要件見直しが焦点

 

一方、専修学校関連では、最近、留学生の就職支援に向けた制度面の見直しが急ピッチで進められている。今回の工程表にも、文部科学省が新たに創設した「外国人留学生キャリア形成促進プログラム」の認定校(専門学校)修了者を念頭に、卒業後の就職を目的とする在留資格の変更要件を大学卒業者と同等にするガイドライン改正が、2023年度中の工程に盛り込まれている。同時に、高度な日本語力を持つ大卒対象者に対し幅広い業務での就労を認めている「特定活動46号」の対象に、上記認定校を卒業した専門学校留学生も加えるとした。

 

また高等専修学校(専修学校高等課程)への留学要件を、高等学校と同等の扱いとする見直しも、20243月までに行われる見通しだ。

 

★日本語教育機関:認定法に基づく新制度の実施を明記

 

最後に、日本語教育機関の関係では、日本語教育機関認定法に基づき、2024年度までに日本語教育機関の認定制度と、登録日本語教員資格制度の運用を開始することを改めて工程表にも謳ったほか、日本語教員の養成研修を担う拠点6か所の整備については、今年度内に着実に実施するとした。さらに、非漢字圏出身者の増加を踏まえ、日本語教育機関の在学期間の取り扱いについて今後検討を行っていく方針も打ち出している。

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