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今年7月の1か月間に「留学」の在留資格を取得して新たに来日した留学生が1万0103人と、昨年(1万0227人)から2年連続で1万人を超えたことが、出入国在留管理庁のまとめで分かった。7月は一部の日本語教育機関で新入学生を受入れる時期にあたる。新型コロナウイルス感染症が拡大する前の2019年は8298人、2018年は9048人が7月に新規留学生として入国しており、留学生の入国状況は、水際対策の事実上の終了を受け、ほぼ正常化した形だ。
入国留学生の出身国・地域別では中国が4175人と全体の4割で、2415人のネパールが2番目に多い。以下、ベトナム(838人)、スリランカ(582人)、ミャンマー(510人)、バングラデシュ(251人)となっている。韓国は118人、台湾は101人止まりだった。
※1-7月累計で8万人に迫る 中国出身者が3割
これにより今年1月から7月までの間に、新規で来日した留学生の累計は7万9305人となり、年間換算すると13万人を超えるペースで推移している。国・地域別では全体の3割を中国(2万3863人)が占め、ネパール(1万3923人)、ベトナム(7988人)を合わせた3か国で6割近くに達する。他は韓国(4931人)、ミャンマー(4402人)、スリランカ(2934人)、台湾(2676人)、米国(2535人)等が続く構図だ。
★「通帳・キャッシュカードの譲渡は犯罪」 関係省庁が注意喚起
出入国在留管理庁では留学生等の在留外国人に対して、本国への帰国等に伴い使用しなくなった銀行の通帳やキャッシュカードを他人に譲渡することがないよう、改めて注意喚起を行っている。本来、日本の預貯金口座を使用しなくなる際には金融機関で解約の届け出を行う必要があるが、実際には帰国に際し未使用口座を他人に譲渡する例も見受けられるという。
譲渡や転売された口座がその後、特殊詐欺等の犯罪に利用される事例が多発していることから、入管庁は警察庁など関係省庁と連携し「通帳・キャッシュカードの譲渡は犯罪である」ことや、住所・在留資格に変更があった際には金融機関に届け出るよう呼びかけるポスターを作成し、周知への協力を求めている。
★「大学の世界展開力強化事業」で13件を採択
文部科学省は、日本人学生の海外留学と外国人留学生の受入れを双方向で行う国際教育連携の取り組みを支援する「大学の世界展開力強化事業」で、令和5年度の選定事業を決定した。今回は、日本と米国の大学との間で行われる、STEAM教育やDX・GX交流分野のプログラムが主対象となっていて、予算額は13.5億円。全体で18件の申請があったのに対し、日本学術振興会に設けた委員会が審査を行い、最終的に13件が選ばれた。内訳は国立大学10件、私立大学3件。
国立大学では筑波大学、東京外国語大学、東京芸術大学等、首都圏の著名校のほか、神戸大学の「『食』を通して持続可能な世界を実現するグローバル人材育成のための異分野共修型国際プログラム」や、広島大学の「AI時代の未来を拓く日米グローバル人材育成プログラム」など、タイムリーなテーマを取り上げた地方大学が選ばれた。琉球大学と米国ハワイ大学、台湾東華大学等5機関が連携したサステナビリティ教育に関するプログラムも含まれる。
一方、私立大学では東日本国際大学がワシントン州立大学等と連携した日米大学間の復興創生交流事業や、次世代DX環境における社会基盤の構築に取り組む関西国際大学のプログラムが選定された。また関西大学が代表となる形で、国立の東北大学や千葉大学のほか、米国コーネル大学等とともに申請した「Society5.0人材」育成に関する事業は、連携機関の数が日米のほか、カナダ、シンガポール、台湾等35機関に及び、今年度の選定プログラム中では最多だった。
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