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~介養協調査から読み解く 令和5年春の就職・進学状況~
日本介護福祉士養成施設協会(介養協)では先般、令和5年3月卒業生の進路状況と、同4月入学生の定員充足状況について独自調査を実施し、全体的な概況をとりまとめたが、同結果から、介護分野を専攻する外国人留学生の直近における就職・入学状況が、明らかになった。
※就職状況:国家試験合格率が5割超え、就職先は居宅サービス等が増加
全国314校に対する調査結果(回収率98%)によれば、今春(令和5年3月)、介護福祉士養成施設を卒業した外国人留学生は1941人で、日本人を含めた卒業生全体(6054人)の32%を占める。この内、1861人が在学中に介護福祉士の国家試験を受験しており、合格者は935人だった。介養協では「留学生の合格率が初めて5割を超えた」としている。
就職状況では、卒業留学生の内、99%にあたる1920人が介護職に就いており、福祉分野以外への就職者(7人)を含めると、ほぼ「完全就職」に近い。このほかに進学者も3人おり、未就業者はわずか11人にとどまった。なお、現行制度下では、介護福祉士国家試験に不合格の場合でも、介護福祉士養成施設を修了すれば、卒業翌年度から5年間は介護福祉士としての登録と在留資格「介護」の申請が可能であり、このスキームで就職した卒業生も相当数に上るとみられる。
卒業留学生の就職先別の内訳では、介護老人福祉施設が884人、有料老人ホーム・福祉関連企業が313人、介護老人保健施設が288人等となっていて、これらのほかに、訪問介護やデイサービス等「居宅サービス関連事業」(211人)が昨年より増加した。居宅サービス関連事業への就職者は全般的に過去5年間、低水準だったが、今春は外国人留学生の就職者数が伸びたことにより、日本人を含めた全卒業者における就労割合が1割を超えている。
※入学状況:留学生が全入学者の3割、日本語学校ルートが8割占める
一方、介護福祉士養成施設における今春(令和5年4月)の入学状況をみると、調査回答校の集計値に基づく全入学者数は6197人で、この内、外国人留学生が1802人と29%を占めた。日本人を含めた全体の入学者数は前年(6802人)より9%減り、留学生は4%(78人)減だった。今春時点では、新型コロナウイルス感染症に対する政府の水際対策がまだ続いていたことも、一定程度影響したとみられる。
留学生の養成施設入学に至るルート別では、日本国内の日本語学校からの入学者が全体の82%(1477人)と圧倒的な比重を占めており、このほかに出身国からの直接入学者が13%(233人)、日本国内の日本語学校以外の他校から入学した者が3%(58人)となっている。
養成施設に入学した留学生の出身国・地域別では、引き続きベトナム(430人)が最多で、ネパール(367人)、ミャンマー(318人)、中国(213人)、インドネシア(207人)等の主要国のほか、フィリピン(85人)、タイ(57人)、バングラデシュ(31人)等も含め、出身国の数は25か国に及んだ。前年からの推移では、ベトナムが減少した一方で、ミャンマーやインドネシアが大幅に増えている。なお、規模は小さいものの、台湾も前年の6人から17人に増え、直近5年間では最多となった。
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