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~技能実習・特定技能に関する有識者会議が最終報告書たたき台を修正~
技能実習制度と特定技能制度の在り方を検討している政府の有識者会議は10月27日の会合で、「最終報告書たたき台」の修正案を提示した。技能実習制度を廃止し移行する新たな受入れ制度では、本人の意向による転籍を認めるとした当初案に対し、自民党の部会で異論が相次いだことを踏まえたものとみられる。地方自治体からも、転籍制限が緩和されれば、人出不足が深刻な地方で人材確保が困難になるとの声があり、会合では北海道の委員から「一定期間、転籍を制限すべき」との意見が多くの自治体から出ているとの指摘があったという。
当初示された「たたき台」では、同一機関で1年以上就労し、技能試験合格と日本語能力A1相当以上のレベル(日本語能力試験N5合格など)の要件を満たした場合、同一分野内での転籍を容認するとしていたが、今回の修正案では日本語能力要件から「レベル」を削除し「A1相当以上(日本語能力試験N5合格等)」と、やや明確化。「同一分野内」は「同一業務区分内」に改めた。また「悪質な民間職業紹介事業者等が関与することで外国人や受入れ機関が不利益を被ることがないよう、必要な取組を行う」ことを謳い、転籍先企業には受入れ外国人の内、転籍者割合が一定以下であること等を求めたほか、試験合格率等を受入れ機関・監理団体の許可要件や優良認定の指標にするとした。
一方、新制度下における日本語要件について、有識者会議は「たたき台」で、就労開始前に「A1相当以上のレベル(N5合格など)」、「特定技能1号」移行時に「A2相当以上のレベル(N4合格など)」としていたが、いずれも「レベル」を削除し、それぞれ「A1相当以上(N5合格等)」、「A2相当以上(N4合格等)」に修正した。同様に「特定技能2号」移行時の要件は「B1相当以上(N3合格等)」に定めている。なお、当分の間、これら日本語試験合格に代えて「認定日本語教育機関等における相当の講習を受講した場合も、その要件を満たす」とする規定は原案のままとなっている。「特定技能1号」への移行に必要な試験で不合格の場合には、再受験に必要な範囲内で最長1年の在留継続を認めるが、同一機関での就労継続を条件とする。
さらに修正案では、受入れた外国人の日本語能力試験等の合格率など、日本語教育支援に積極的に取り組んでいることが確認できるような要素を「優良受入れ機関」の認定要件とすることも明記している。
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