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~全世界の受験者数は昨年同時期比24万人増の60万人~
今年7月に行われた日本語能力試験(JLPT)について、実施元の日本国際教育支援協会などが国内外の実施結果をとりまとめ公表した。最終的な受験者数は日本国内が19万7144人、海外が40万4996人の計60万2140人だった。前年同時期(2022年7月)に実施された試験(約35万6千人)との比較では、受験者数が国内で約5万6千人、海外で約18万9千人それぞれ増えており、特に海外は倍増に近い。昨年、新型コロナウイルス感染症による中止が相次いだ中国で、今年は試験が予定通り行われたことなどがプラスに作用したとみられる。
レベル別の状況は難易度が最も高いN1が受験者12万0407人に対し認定者4万0975人(認定率34%)、N2が受験者14万4712人で認定者は6万0870人(認定率42%)となっている。N3は受験者13万6237人に対し、認定者が5万9479人(認定率44%)だった。いずれも海外の認定率が日本国内を上回る状況に大きな変化はないが、全体的な認定率は国内受験者が大幅に改善した影響で、N1で3.8ポイント、N2は4.8ポイント、昨年同時期より上昇している。ただ、N3は逆に同3.3ポイント下落した。
海外の実施国・地域における状況をみると、7月試験の受験者数が最も多かったのは中国で、大陸地域では13万2064人、香港・マカオを合わせると計13万9933人だった。コロナ禍の影響で計5万9341人だった昨年7月試験から2.3倍増となり、V字型回復を遂げた形だ。中国内の実施都市別では南部の広東省広州が1万5600人で、上海(1万2168人)や大連(8209人)を上回って最多となり、これら都市のほか、香港(7523人)、西安(6560人)、河北省保定(6228人)、武漢(5662人)等も比較的多かった。中国内受験者の中では、N1受験者の比率が38%(5万3400人)、N2受験者が40%(5万6655人)で、両者を合わせると8割弱と圧倒的多数を占める。
海外受験者数で中国に次ぐのはミャンマーの9万人だが、元々漢字文化圏ではない事情もあり、このうち6万人強がN4の受験者で、N1とN2の受験者は合わせても全体の5%弱にとどまる。首都ヤンゴンは、実施都市ベースでみるとソウルや広州、台北を上回り、受験者数(7万0049人)で世界最多だった。
またベトナムにおける受験者(2万6245人)の内訳はN3(7517人)、N2(6736人)の順に多く、N1は1割程度(2823人)となっている。韓国は受験者(3万4107人)の内、N1・N2受験者が計2万0148人(比率59%)、台湾は受験者(3万4094人)中、N1・N2受験者が計1万5113人(同44%)だった。
日本国内の受験者を実施都市別でみると、東京都(4万4022人)を筆頭に、大阪府(1万9930人)、愛知県(1万4483人)、福岡県(1万2133人)、神奈川県(1万1401人)の5都府県が各1万人を超えた。国内受験者の受験レベル別内訳ではN1が全体の21%(4万1484人)、N2が26%(5万2189人)、N3が31%(6万0570人)となっている。
なお、7月試験における総合得点の平均点はN1が91.4点(180点満点)、N2が89.4点(同)、N3は94.6点だった。
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