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~技能実習・特定技能制度の有識者会議が最終報告書「たたき台」を再修正~
技能実習・特定技能制度の在り方に関する政府の有識者会議は11月8日の会議で、先にまとめた最終報告書「たたき台」の再修正案を提示した。新たなスキームで受入れる外国人に求める日本語能力や転籍の要件など、基本的には前回案を踏襲しつつ、制度の適正化に向けた方策をさらに追加している。
「たたき台」の再修正案では新制度を、受入れた外国人が段階的に技能を向上させることができる仕組みとする方向性に改めて言及した上で、制度見直しに伴う混乱を避け、人手不足が深刻な地方・中小零細企業や、現行制度の利用者にも配慮するよう求めた。
受入れる外国人に求める日本語能力については、①就労開始前までにA1相当以上(日本語能力試験N5等)合格、②新たな制度から特定技能1号への移行時にはA2相当以上(日本語能力試験N4等)合格、③特定技能1号から特定技能2号への移行時にはB1相当以上(日本語能力試験N3等)合格をそれぞれ要件とする方針を明確化。受入れ機関に対しては新たに、育成開始から1年経過時までに①を、育成修了時までに②を、それぞれ受験させることを義務付ける方針が打ち出された。(このほかに②と③に関しては所定の技能検定試験等への合格も必要)。なお①と②については当面、認定日本語教育機関等における日本語講習の受講により代替できる。
有識者会議の議論においては、一定の日本語レベルを担保する観点から、入国時点で日本語能力A1相当以上(日本語能力試験N5等)の試験合格を必須とすべきとの意見も出ていたが、外国人の入国意欲への影響や受験機会確保への懸念から、一律に要件化することには「なお検討の余地がある」とした。さらに特定技能2号の在留資格取得に際し求める日本語力に関しては一律ではなく、各分野の業務内容に応じて求める日本語能力の水準を個別に決めていくべきとの指摘もあったという。
一方、新たな受入れ制度では、本人の意向による転籍を認める要件の一つとして、日本語能力A1相当以上(日本語能力試験N5等)合格を求めることを改めて明確化。転籍先企業には、受入れ外国人中転籍者の占める割合や、所属外国人の試験合格率、人材支援体制等で一定の条件を設けるとしている。転籍支援についてはまず監理団体が中心となり行うのが相当としつつ、焦点となっていた民間職業紹介事業者の扱いについては「現に特定技能制度においても多く活用されている状況等を踏まえると、その参入を排除することは困難である」との見解を示した。
これらのほか、「たたき台」再修正案では新たに、季節性のある分野で、業務の実情に応じた受入れ・勤務形態を認める対象として具体的に「農業・漁業」を指定。特定技能外国人向け支援業務の委託を受ける登録支援機関に対しては、支援実績や支援委託費等の開示を義務付ける方針も追加した。
★JENESYSで中国から教育関係者を招聘
外務省はアジア大洋州の各国・地域から将来を担う人材を招聘する「対日理解促進交流プログラム(JENESYS)」で、来週、中国から教育関係者による代表団を招く。「新しい学びと授業革新」がテーマで、中国の小中高校の教員らが青山学院中等部(東京都)や豊橋市立羽根井小学校(愛知県)を訪問し、教員らと交流するほか、文部科学省によるブリーフ、及び愛知県教育委員会との懇談会も行う。訪日スケジュールは11月14日から18日までの5日間で、30名が来日する予定だという。
JENESYSの枠組みを通じた中国との交流ではすでに先月来、農村発展・幼児教育や映画を軸にしたプログラムでも関係者が来日しており、双方の交流が活性化している。
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