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~新年度より適用、R7年度に「改善指導対象校」を指定・公表へ~
文部科学省は、外国人留学生に対する在籍管理が適正に行われていない大学等に対する監督体制を、来年度から強化する方針を固めた。毎月実施する退学者や除籍者に関する定期報告を通じて、各校の在籍管理状況を引き続き確認。全留学生数に対する1年間の「退学者、除籍者及び所在不明者」の割合が5%を超える状態にある大学等に改善指導を実施し、在籍管理が非適正と判断された場合、「改善指導対象校」として指定・公表する。留学生数の基準日は毎年5月1日とし、1年間の期間は4月から翌年3月までがベースとなる。留学生数が19人以下の場合は、退学者数等が1人を超える場合に対象校となる。
「改善指導対象校」に対しては、出入国在留管理庁(入管庁)から情報の提供を受けるとともに、合同で改善指導を実施するとした。同指導の過程では、各大学の在籍管理責任にはあたらない突発的な要因による退学者等のケースも把握する。これらを踏まえ、指定の翌年度又は翌々年度に退学者等の割合が全留学生数の5%以下となった場合には「改善指導対象校」の指定は解除される。一方で、在籍管理が非適正な状態が3年間連続した大学等は、文科省が新たに「在籍管理非適正校」として指定・公表し、出入国在留管理庁に報告するとしていて、事実上、当該校においては留学生の受入れができなくなることが想定される。
いったん「在籍管理非適正校」となった場合には、その後3年続けて在籍管理が適正と認められるか、又は留学生の在籍者がゼロにならない限り、同指定は解除されない。また後者のケースでは指定解除後に外国人留学生の募集を再開する場合、改善内容を盛り込んだ実施計画書を文科省に提出する必要がある。
文科省では直近の来年度(令和6年4月以降)における退学者等から、新たなルールの適用を始める。令和6年度の在籍管理状況を踏まえ、同7年度以降に「改善指導対象校」の指定が開始され、運用開始3年後の同9年度には「在籍管理非適正校」の指定が行われる見通しだ。
なお今回の措置については「学校教育法第1条」に規定する大学と高等専門学校が対象校となっている。
外国人留学生の在籍管理については、2019年に文科省と入管庁が合同で発出した対応方針のほか、昨春の「教育未来創造会議第2次提言」においても、全ての留学生や留学制度全体の信頼・信用の失墜につながらないよう「在籍管理の徹底・強化を図る」必要性が盛り込まれていた。文科省では、大学等に対して遅くとも来年度初めから適切な指導を行う必要があると判断。新ルールに関する意見聴取手続きの期間を短縮し、速やかに着手する構えだ。
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