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2023年12月に国内外で行われた日本語能力試験(JLPT)について、実施元の日本国際教育支援協会と国際交流基金は、このほど全体的な実施結果をまとめ公表した。受験者数は日本国内が23万6547人、海外が42万6748人の計66万3295人で、前年同時期(22年12月)試験との比較で5割強増えている。最終的な認定者数は23万5754人だった。
受験レベル別では最も難易度が高いN1の受験者が12万1554人で、認定者は3万7553人、認定率30.9%となっている。N2は受験者数16万4670人に対し、認定者数6万3807人で認定率38.7%。どちらも認定率では海外受験者が国内受験者を上回る状況に従前と変化はないが、今試験では国内外のギャップが縮小し、特にN2では国内受験者の認定率が前年同時期を7ポイント上回った。
総合得点の平均点はN1が90.1点、N2は88.1点で、いずれも最高点は満点(180点)だった。認定者数をみると、前年同時期試験との単純比較でN1は約1万2千人、N2は約3万1千人増えており、とりわけN2の認定者はほぼ倍増しているのが特筆される。
※中国内の受験者12万9千人、8割がN2以上を受験
全受験者数の6割強を占める海外の実施国・地域別状況を見ると、受験者数が群を抜いて多かったのは中国で、香港・マカオを含めた累計で12万9103人に上った。実施都市別では南部の広東省広州(1万3952人)が引き続き最多で、上海(1万2322人)も1万人を超える。さらに遼寧省大連(8434人)、香港(6690人)、北京(6312人)、陝西省西安(5728人)、浙江省杭州(5166人)の5都市を含めた計7都市が、受験者数5千人超となっている。受験レベルでは中国内受験者の内37%がN1(4万7751人)を受験しており、N2受験者(5万5148人)も含めると10万人を超える状況で、中国内受験者のほぼ8割に及ぶ。
海外の実施国・地域別で、受験者数が中国に次いで多いのはミャンマー(8万6406人)だが、N4受験者が過半数(4万6599人)で、N1とN2を合わせた受験者数は6%程度(5491人)にとどまっている。なお最大都市ヤンゴンは、世界のJLPT実施都市の中で今回受験者数が最も多かった(6万8586人)。
また日本への留学希望者が比較的多い韓国(3万8359人)、台湾(3万4376人)、ベトナム(2万8562人)なども受験者数が一定規模に上っている。特に韓国のソウル(1万8874人)や台湾の台北(1万6188人)は、都市別受験者数では中国の広州、上海を上回る。ベトナムは二大都市のホーチミン(1万2982人)とハノイ(1万2220人)の受験者数が、ほぼ同水準だった。
これらのほかに国・地域ベースで受験者数が1万人を超えていたのは、インドネシア(1万6468人)、タイ(1万5683人)、インド(1万4464人)の3か国。
なおアジア地域以外でJLPT受験者数が比較的多かったのは米国(5533人)で、欧州地域ではフランス、イタリア、ロシアが各1千人超となっている。
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