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「退学者等」の算定は今年度より適用/5%超で「改善指導対象校」に
文部科学省は4月26日、文部科学大臣名で「外国人留学生の在籍管理が適正に行われない大学等に対する指導指針」を正式決定した。先月、パブリックコメントで公表していた案を踏襲したもので、即日施行された。各大学等に対し求めている毎月の定期報告をもとに留学生の在籍管理状況を確認し、必要に応じてヒアリングや実地調査を行うとしたほか、非適正校に指定した大学等については出入国在留管理庁(入管庁)に通告し、事実上、留学生の受入れができなくする措置も視野に入れたものとなっている。
各大学等の在籍管理状況を判断する具体的な指標となるのが、各大学等の取扱いにおいて「退学者」及び「除籍者」となった者と、所在が不明になった者の合計数(以下「退学者数等」)だ。基準日となる毎年5月1日時点の全留学生数に対し、退学者数等の割合が1年間(4月~翌年3月)で5%(下記※参照)を超える状態にある場合、「改善指導対象校」に指定され、対象校に対しては文科省等が必要に応じて入管庁からの情報提供を受けつつ改善指導を行う。その結果、翌年度か翌々年度に同数値が5%以下となれば、指定は解除される。
〈※在籍する全留学生数が19人以下の場合は、退学者数等が1を超える場合に「改善指導対象校」となる。〉
一方でこうしたプロセスを経てもなお非適正な状態が改善せず、3年続けて「改善指導対象校」となった場合には「在籍管理非適正校」に指定され、入管庁への通告を踏まえて、当該校に関する留学生の在留資格が付与されなくなる公算が高い。「在籍管理非適正校」の指定が解除されるためには、指定後に通算3回、在籍管理が適正となるか又は留学生の在籍者がゼロとなることが必要で、この内後者のケースでは、改めて留学生募集を行う際には事前に改善内容を盛り込んだ実施計画書を文科省に提出する必要がある。また3年連続で「在籍管理非適正校」だった期間がある場合、その後指定が解除されるのは留学生在籍数が0になった場合に限るとされていて、以後の受入れは困難となりそうだ。
同指針は、今年4月以降の退学者等から適用を開始し、来年度(令和7年度)以降、「改善指導対象校」が指定される。さらに令和9年度からは、対象校がある場合に「在籍管理非適正校」の指定が行われることになる。
文科省と入管庁は2019年時点で「外国人留学生の在籍管理の徹底に関する新たな対応方針」を定め、在籍管理を強化する方向性で検討を進めていたが、コロナ禍等により具体的な実施は先送りになっていた。昨年、政府の教育未来創造会議が出した第2次提言で、留学生や留学生制度全体の信頼・信用を維持し、留学生の受入れを推進していく観点から「在籍管理の徹底・強化を図る」必要性が盛り込まれたのを受けて、今年に入ってから新たな指針の策定に向けた動きが急ピッチで進んだ形だ。
なお今指針の適用対象となるのは、学校教育法第1条に規定する大学及び高等専門学校となっている。対象学生は対象学校に在籍する全ての外国人留学生で、在籍課程(正規課程生か非正規課程生か)による区別はない。
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