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2024-06-07 12:17:00

 

中国の大学統一入試である「全国高考(普通高等学校招生全国統一考試)」が、本日から全国で一斉に始まった。中国では「高等学校(高校)」は大学等の高等教育機関を意味する。中国教育部の発表によれば、今年の「高考」出願者数は1342万人で、2023年との比較で51万人増えた。対前年比の増加人数でみると23年(22年比で98万人増)より鈍化しているものの、史上初めて1300万人を突破しており、日本の大学入学共通テストの受験者数とは桁違いの多さとなっている。

 

今年の出願者の内、昨年以前からの再受験組が413万人と全体の3分の1を占める。一方で大学本科における入学枠は450万人程度と予測され、単純換算すると受験者全体の3分の2が本科には入学できないことになる。これらの層は試験結果を受けて大学専科等に入学するか、来年の再受験を目指すか、あるいは海外留学する等の選択を迫られる。

 

試験日程は各地域によって若干異なるが、原則として試験初日の67日は国語と数学が、翌8日は文科総合、理科総合、及び外国語の試験が実施される見通し。また例年、外国語の試験は筆記試験に先立ち聴解試験が行われる。

 

「高考」の外国語試験では、大多数の大学・専攻において、英語、日本語、ロシア語、ドイツ語、フランス語、スペイン語の計6言語(※地域により異なる)の中から受験科目を選択できる。中でも日本語の受験者は毎年増加の一途を辿っていて、2017年当時の10万人から最近は50万人前後まで急増している。受験者数が圧倒的に多く競争が激しい英語と比べると、日本語は相当程度の学習経験者であれば高得点を獲得しやすく、平均点も比較的高いことが人気の背景にある。ただ最近は受験者の増加で、難易度が高まりつつあるとされる。「日本語」選択者の中には、将来的な日本への留学も念頭に、受験する層が一定数に上るとみられる。

 

中国政府は約10年前から大学入試制度改革に着手し、上海等東部地域を起点に各省・自治区へと新入試制度を拡大してきた。受験生が希望する大学や専攻を選択できる自由度を高める狙いがあり、今年の「高考」は黒竜江省、貴州省、広西チワン族自治区など7省において2021年より進められてきた改革第4段階の完成年度にあたる。

 

JDSで来年度もモンゴル・パキスタンから受入れ

 

発展途上国の若手行政官に日本の大学院で学んでもらう無償資金協力のスキーム「人材育成奨学計画(JDS)」に関連し、日本政府は今週、モンゴル・パキスタン両国との間で書簡の交換を行った。令和7年度中にモンゴルから最大16名を、パキスタンから同18名をそれぞれ受入れる。この内パキスタンの1名は博士課程で学ぶ。

モンゴルでは環境と調和したマクロ経済運営が、またパキスタンでは経済基盤の改善が喫緊の課題となっていて、日本としてこれらの開発課題に対処できる人材の育成に協力する。

 

実施元の国際協力機構(JICA)によると、JDSの枠組みで、昨年までに世界22か国から6千人余りを受入れており、この内モンゴルは416人、パキスタンは84人に上る。

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